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エクストラスキル

 村人の叫び声、悲鳴が聞こえる。今までも何度か魔物が襲ってきたことはあったけど、今回は何かがおかしい。

 「はやく行くぞカイト! もしかしたら魔王軍かもしれねぇ」

 「魔王軍?」

 「ああ、魔王軍はその名の通り魔王に仕える軍隊の事だ。野生の魔物と違って魔法や体術の訓練を受けているから強さが別格なんだ」

 

 そんな奴らがなんでこんな端の村に…。何か裏があるのか。


 「見えてきた! カイト、ここからは別行動だ。絶対死ぬんじゃねぇぞ」

 「うん、絶対に勝とう!」


 ジルと別れてすぐに会敵した。確かに武装していて、とても野生とは思えない。

 「絶対に誰も死なせない。瞬足!」

 

 この一月でスキル、短剣にも慣れた。もう『ただの平民』じゃないんだ!


 僕の短剣は決して良い物とは言えない。鎧を貫くほどの切れ味はない。肌が出ている部位を的確に狙っていく。

 

 十体ほど倒して、家の近くは片した。広場はジルとみんなが戦っているはずだ。でも、さっきから人の声がしない…。


 妙な胸騒ぎがした。僕は急いで広場へと向かう。そこには悲惨な光景が映っていた。


 「みん…な…」

 見たこともない量の血と、嗅いだことのない血生臭さ。初めて人の死体を見た。


 足元に何かが転がっている。ああ、ジルの頭だ。


 僕は狂った。怒りでも憎しみでもない。「悲しさ」だ。

 ジルの短剣を拾い、『双剣』で戦っていた。


 四十体倒した。僕は左腕、右足を失い、背中に三本の剣が刺さっていた。

 じきに僕は死ぬだろう。もうMPもない。HPも残り3。この出血量なら自然と0になる。

 誰も守れなかった。



 「お前が、異世界人か」


 聞いたことのない声。誰だ。

 「何も喋るな。我は魔王軍幹部の一人、『絶剣のザイカ』」

 魔王軍幹部? なんでこんな村に。

 「ここに強力な魔道具があると聞いて来てみたんだが、やはり嘘だったか。魔王様もすぐに風の噂を信じる」

 だめだ、意識が。

 「今回の襲撃、王都が絡んでいるぞ」



 なんだと! 飛びそうだった意識が戻るほど驚いた。

 じゃあ僕のせいで村の人たちは死んだのか。全部僕のせいで…。


 悔しいとか憎いとか、そうゆうんじゃない。


 俺は、なんて無力なんだ。



 エクストラスキル 『スキル創成』 『無の境地』が追加されました。


 新しいスキル? 確認してる余裕がない。体が回復すれば…。

 スキル 『精霊の祝福』が追加されました。

 このスキルは…、時間がない。

 「精霊の祝福」


 体の傷が癒えていく。HPがマックスまで回復した。

 「お前、一体何をしたんだ…」

 「えと、僕にも何が何だか…」

 新しいスキル!? どうなってるんだ、状況が理解できない…。でも。

 「今は、敵を倒す。瞬足」

 ザイカから距離を取り、スキルの確認をする。

 『スキル創成』

 自分が思い描いたスキルに近いものを追加する。

 ???(まだ解放条件を満たしていません)


 『無の境地』

 MPが無限になる。

 攻撃を無意識に避ける。


 とんでもないチートスキルだとは分かった。これなら戦える。


 「ちょっと待て、我はお前と戦う意思はない」

 「スキル創成、『流れ星』」

 空から無数の光が降り注ぐ。やばい、やりすぎたか。

 「これは驚いた。まさかここまで強力なスキルを創るとは」

 ザイカは抜刀の構えをして目を瞑った。

 「絶剣、空開」

 たった一振りだった。すぐにザイカは剣を収めた。

 「そんな、あれだけの星を一瞬で…」

 僕のスキルはすべて切られた。

 「落ち着け、我はお前と戦う意思はないと言っただろう」

 「僕に何の用だ」

 「話すと長くなる」



やっと書きたいストーリーまで話が進みました。

ここからは毎話目が離せない展開になっていくので楽しみにしていてください。

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