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新たな王の誕生

 僕は嘘つきだ。


  別にこの国で裕福な暮らしがしたい訳じゃない。


 本当ならカルモに戻って穏やかな暮らしを送りたいさ。




 でも、もう後戻りは出来ない……。


 人間を殺した。この罪を償わなければいけない。




「馬鹿なことを言うな! 貴様などが国をまとめられることは出来ない!」


「戦争にしか興味のない国王よりはマシだろう」


  国王は激怒した。


「政治はリリア様に任せる。俺じゃ何を言っても聞かないだろうからな」


「は、はい! 誠心誠意務めさせて頂きます!」


 何故リリア様はあんなに顔が赤く、動揺しているんだろう。


 後で回復スキルを使ってあげようかな。




 カイトは鈍いみたいだ……。


「国王よ、お主も民を守るために動いていたことは敵である私がよく知っている。 


もう休んでいいんじゃないか?」


  魔王様の言葉は澄んでいた。国王は緊張が解けたのか、涙を流した。


「だが……、こやつに国を任せることなど……」


「安心してくれ。政治面はリリアが頑張ってくれるし、軍備はカイトと私が協力していこう」


 まだ国王は不満そうだった。


 僕が示さなければいけない。覚悟を。




「国王様、僕はこの国のために死にます。この国の盾となり、一番槍になりましょう。


 貴方が僕が認めないのは分かります。ですが託してほしい。


 必ずこの国を護ってみせます」




 僕は国王様に片膝をついて忠誠を誓った。


「お前が死んだら、リリアが悲しむだろう。死ぬことは許さん」


 国王様は笑ってそう言った。


「はい、承知しました」




 僕は晴れて国王となった。


 国民にはなかなか認めてはもらえなかった。


 しかし、前国王様と魔王様が頑張ってくれたおかげで少しずつだけど、民にも認められてきた。




 僕が国王になってから半月後に、僕とリリアの結婚パレードが開かれた。


 正直リリアと結婚するって聞いたときは驚いたけど、リリアは最高に美しい女性だから僕にはもったいないくらいだ。


 


「リリアは僕で良かったの?」


「ええ、あなたのような勇敢な男性と結婚できるなんて幸せよ」


 リリアは顔を少しだけ赤くしていた。




 パレードは大成功。このパレードで僕は国民から少しだけ認められた気がする。




 それからさらに半月経ち、僕は軍事強化に努めていた。


 五帝を失い、早急に対策をしなければいけない。今隣国が攻めてきたら厳しい。




 もともと五帝が使っていた部屋にヨウスケ達を集めた。


「今、五帝がいない王国は非常に脆い。そこで君たちを中心とした大幅強化が必須条件だ」


「自分で潰しといてよく言うよ」


「黙れリク。カイトの言っていることは正しい」


「あんたカイトの犬になったの?」


「アンナはもっとスキルの使い方jをカイトから学べよ。


 それでカイト、具体的な案はあるのか?」


「まぁ、あるよ」


「俺は強くなんなら何でもいいぜ」


 


 ヨウスケ達はみんなやる気のようだ。


 ヨウスケ達が力を付けて、隊を率いてくれれば兵は強くなる。




 僕は話す前に一回ニヤっと笑った。


「僕と模擬戦をしよう!」


「……」


 全員黙り込んでしまった。


「まあそうだよな。それが一番手っ取り早いよな……」


 ヨウスケは冷や汗をかきながらも納得した。


「ねぇねぇ、五帝でも勝てなかったカイトをあたしらが相手になるの?」


 アンナは純粋な疑問を抱いた。


「強い奴と戦うことが一番経験になる。僕も魔王軍に居た時は四肢を切り落とされていたから」


 皆頭を抱えてしまった……。


「とにかく明日、模擬戦やります!」


 全員明日をどう乗り切るかを考えて眠りについた。

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