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神の娘  作者: アイ氏


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94話

ちょうちん草の大会開催を、明日に控え主からの突然の命令。


ジェノは、速く終わらせるためスーとアズを呼ぶ。


「スー。今すぐ魚を三枚におろして、頭と骨を持って来てください。アズは、縄と薄い布団の用意を!急いでお願いいたします」


(食べ物を無駄にはできませんからね。頭と骨の部分が、

あれば十分ですしね)


「「はい、承知しました」」


「さぁ、作戦開始です」



こうして、春眠を、捕らえる作戦が開始されるのだった。


獅子は、竜宮の街にいた。


「主の気配をあの宿からします。急いでジェノ殿を及びください。」



「うん。わかったよ」


大通連は、ジェノを呼びに行った。

◇◇◇◇


そここは、竜宮の街にある一軒の宿。


春眠は部屋でのんびりと過ごしていたが、宿の、仲居から声が掛かった。


「お客様、竜宮のお屋敷から、お客様を訪ねたてこられた方がございます。こちらにお通ししても大丈夫でしょうか?」


(俺様に客?)


「どうぞ、お願いいたします」


そう言うと、ジェノと数名の人魚達が、部屋に入ってきた。


「お久し振りでございます。春眠様」


「ジェノ殿、お久し振りですね。今日はどうされました?」


「主様の命により、春眠様は、大会資格参加剥奪の上、地上に送還(そうかん)させていただきます」


「それはあまりの仕打ち。ジェノ殿考え直していただけませんか?」


(ふざけんじゃねーよ!!)


心の中で毒付きながら、冷静に頼む。


「大変申し訳ありませんが、主様の命令は絶対でごさいます」


「私も神ですよ。その神の頼みを断ると?」


「はい。我々は、精霊と違い神々に使えるべく造られ訳ではありません。あくまでも、主は大海の神 セト様であり、その主こそ絶対唯一、使る存在です」


(この冷血馬鹿真面人魚(セトの犬)め!!)

と心では毒付く。


「そこをなんとか…私達は共に大会を、盛り上げてきた同士。

私には大会、優勝の連覇も、かかっていますので…」


「どうやら、話合いは時間の無駄の様ですので、地上に強制送還させて頂きます」


そう宣言すると、ジェノは、用意させた魚の尾頭付きの骨を、取り出した。


「け、穢れ!!ま、まさか!!やめ!!」


春眠が、驚き叫んだが、ジェノのは、容赦無く魚の骨を春眠へと投げた。


神は死体や血を腐敗を嫌う。そしてそれは時として弱点でもあった。


穢れに触れ春眠は気を失ってしまった。


意識を取り戻したのは、水路を移動する舟の上。


体が思うように、動かないので、体を見て見れば布団が巻かれた上から、縄でぐるぐる巻きに縛られている。

す巻き状態だ。


「主様、お目覚めで?さあもう少しの辛抱です。地上の門まで着きますから」


「獅子!!俺様の居場所を教えたのはお前かーー!!裏切りもんがぁーー!」


人魚達に聞こえない様に小さな声で、獅子に怒りをぶつける。


「主様、申し訳ありません。ですが、お役目を、放りだすのはよくありません」


こうして、俺様は、取っ捕まり、地上で待っていた弟の冬厳とセトに引き渡された。


「主様、お待たせして申し訳ありません」


「いや、大丈夫だよ。よく春眠を捕まえてくれた。助かったよ」


「ジェノ殿、ご協力感謝する」


「いえ。主様の命令を果たすのは当然です。ですが…

春眠様が、素直に地上に戻っていただけなかったので、少々手荒な事をいたしました事、お詫びいたします」


「なんの気にすまいぞ。全ては春兄の自業自得…」


「そう言っていただけると、私ども救われます。では主様、冬厳様、私達はこれで失礼いたします」


「うん。ジェノも大通連も少通連も皆、ご苦労様」



こうして、人魚達は竜宮に帰り、大通連、小通連はどこかへ飛び去って行った。


門の前には、す巻きにされた春眠と獅子、冬厳、セトが残った。

明けましておめでとうございます。


今年もよろしくお願いいたします。



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