8話
さてさて、宴の間に入れば、そこには大勢の人達で、一杯です。
全員、父様の入場に静まり返り頭を垂れ迎えます。
(ふぁー!こういう時こそ、父様の凄さが、わかる瞬間ですね)
父様は用意された席に着いてから、集まった、みんな向かって言葉を述べます。
「新年、明けましておめでとう。こうして皆と新年を、祝える事を嬉しく思う。本日は無礼講だよ。皆、存分に飲み楽しんでくれ」
そう、父様が言うと、みんなが、わぁぁぁーと盛り上がりました。
いよいよ、宴の初まりです。
宴の間には、美味しい料理が次々に運ばれ、着飾った、侍女達がお酒をお酌して回ったりしている。
庭には、踊り子などが呼ばれ、舞いを舞っていて素敵ですね♡
(あ~あ。わたくしも歩けたら、もっと近くで踊りを見たり、綺麗なお庭を見て回るのになぁ)
(何が悲しくて、父様のお膝の上……シクシクシク)
でもこうして、父様に、美味しいお食事を食べさせて貰っているので、まあ良いですけどね♡
そんな事を、考えていたら、父様の所に、ガクサン様と白尾様が来て話しを初めた。
「ユジンは、正月に帰って来れなくて残念だったのぅ」
ユジン様は、この国の将軍で、最強の戦士と名高い人ね!
お正月でも、戦地に居るなんて、とてもお気の毒ですね…。
「ユジンにしては、手間取っている見たいだね。なんなら僕が、出陣しようか?」
父様の目が輝きましたよ。
流石、百戦錬磨の王様ですね…。
「い、嫌、必要無い!そなたが、出陣すると色々と大変だから…」
ガクサン様にしては、珍しく焦ってますね…。
父様、戦地で、なにヤラカシタンデスか?
「おお、そう言えば、もうすぐセリは、1歳じゃな。誕生日の祝いの宴でも開いたらどうか?」
ええっ?わたくしの誕生日の宴ですか??
父様を引き留める為、話題を変えたり、わたくしの誕生日を持ち出して必死ですね…。
「うーん。この国では誕生日を、祝う習慣はないけど……」
「まあ、そうだか…良いでは無いか。何せ、たった一人の王女が1歳を迎える、めでたい事なのだから、それに、他国の者も、招き盛大な宴を、ひらければ、他国にも国力を示すのに絶好の機会だ」
他国…………。ちょっと……。そこまでしなくてもヨクアリマセンカ???
「そうだね~。ひらこうか宴…」
父様もいとも簡単に許可をだました。
ひぇ~本当にやるんですか?!
「うむ。その宴に父親である、そなたも居らねば、話しになまい。しばらくは、ここにに留まってくれ」
「わかったよ」
父様は、諦めた様に答えてます。
余程、戦地に行きたかったのでしょうか?
「では、早速、準備に取りかかるとしよう」
そう言うと、ガクサン様は、宴の間を後にした。
早速、お正月から仕事ですか!?
国政を預かる者に、休み無し、まさに宰相の鏡ですね!
「楽しみじゃな。誕生日の宴。そう言う事なら、わしはセリに喜んで貰える、贈り物を用意しよう!」
ええっ?、白尾様までその気になって、贈り物ですか?!
う~ん、皆さま本気で、やる気ですか?!
決定事項ですか…?
そうですか………。
なんだか、とんでもない、展開になりしたが、宴はまだまだ続きます。