84話
持って来て貰った包丁でエンラ様が器用に桃の皮を剥いたり、実を切り分けてくれます。
(包丁を用意させた時は、父様がやるのかかなと思ったけど、父様がやるわけありませんでしたね…)
父様も、わたくしと同じで食べるの専門ですからね♡
黄金の桃の果肉は、鮮やかな黄色いの果肉で、綺麗にお皿に盛られます。
「桃を食べ易い様にしてくれてありがとうございます。エンラ様は器用ですね」
「ありがとうございます。料理は趣味の一つなんですよ」
ふぁ~!料理が趣味ですか!
見た目からは、ちょっと以外で想像もつきませんよ。
そして切り分けられた桃を口にします。
桃の甘い香りと、甘い果肉が口に一杯に広がります。
「美味し♡」
「こんな美味し物が神様だけしか食べられないってなんて、もったえないね」
「姫様。神以外が口にできなのには理由があるんですよ。天界の林檎も天国の桃も造化の力で生まれたのではない為、神通力が宿ってます。
強い力は毒と同じです。ですから神以外は食べられ無いんです」
」
「へぇ~。そうなんだ。ユジンは物知りなんだね」
「アマテルもエンマも、その実を一人占めしないでこうして、僕達にも分けてくれるんだから、ありがたいね」
「父様、地上には果実の成る神木はないの?」
「ん?林檎や桃も元々は全部、地上の神木だったんだ。ただ色々あって天界や冥府に植え替えてしたんだ。梅の神木なら竜宮にあるよ。小さいし実も付けないけどね。地上にいた時は、大きな梅だっただけと僕がダメにしてしまってね…」
ダメにした!!
それは父様こそ、ダメな神様ですね。
「え~!!」
「その小さな神木はキシルが世話をしてるけど機嫌を直して実をつける気配は無いね」
「竜宮に行った時、ご神木なんて見たかな??」
「小さいから見落としたんだね」
「そっか~。今度、行った時は、よく見てみるね」
父様は懐かしいそうに思い出話をします。
「昔。その梅から作った梅酒はとても美味しくて好きだったなぁ~。キシルには神木の復活を頑張っもらわないとね」
梅酒…。
お子ちゃまのわたくしには飲めませんね……。
「父様は他力本願なの?自分でお世話しないの?」
「うん。僕に世話とか絶体に無理!!別に僕だけじゃなくてアマテルだって、エンマだって、神木を自ら世話してる訳では無いよ」
そう言うとエンラ様が頷きます。
「そうですね。冥界では。世話は鬼達が行っています。冥界のご神木は、とても巨大で一年中、沢山の実が成ります。冥界の神、全員で毎日食べても余りますし。いくら美味しくても、毎日食べるのはちょっと……。とにかく食べきれない程、沢山あるんです。
それでこうして贈り物にしたり、神々が居る天界に輸出しているわけです」
へぇ~。鬼さん達は食べられないのにお世話とか気の毒ですね~。
でも豊作のお陰で、わたくしは美味しい桃を食べられるんだから、鬼さんに感謝ですね。
「じゃあ、神様以外が、この実を食べたらどうなるの?」
「もしも食べたら、その者は永遠の眠りに付いてしまうと言われています」
ふぁー!それは、ユジンの自称『不幸を呼ぶ存在』より危ない果実ですね!
「へぇ~。それじゃあ、神様以外は誰も食べれないね。ユジンは色々、知っていて凄いね」
「そ、そんなことは//」
ふふふ。ユジンって褒めたりすると、すぐ照れて赤くなるから、かわいいんですよね~♡
だから止められない。
「そうですね。ユジンさんは博識でお強いですし、まさに文武両道です。私も子供の頃は、色々教えて頂きました」
「エ、エンラ様//」
「エンラ様は、ユジンと知り合いなの?」
「はい。ユジンさんは、冥府の初代副官で、私の元上司です。それに私が、子供の頃には遊んで頂いたり、勉強を、教え頂いきました。まさに、私にとっては、良き兄の様な存在です」
「へぇ~。お兄様かぁ」
「あ、兄なんて、と、とんでもない、それに今は、エンラ様が、立派に副官を、勤められ冥府も色々と改革されたと聞きます。
私には、出来なかった事をなし得たのです。本当にご立派です」
ユジンは、冥府の改革に失敗して、エンマ様と喧嘩して、冥府の副官を辞めて冥界を家出したんですもんね。
「その改革もユジンさんが、父上に上奏した政策が、あればこそです。私はその政策を元に実行しただけですよ」
「へぇ~。ユジンは、色々できるんだね。すご~い!」
「そ、そんなことは///」
ユジンは耳まで真っ赤で、すごく照れている。
「エ、エンラ様は、陛下に冥府の事を報告にこられたのでしょ。私の事より、ほ、報告の方を///」
そういえば、冥府はあれからどうなりましたかね?
少しは、お落ち着いていると良いのですが…。
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