7話
そしてあっという間に時は流れていきます。
わたくしに、とっては生まれて初めてのお正月です。
父様の元には朝から沢山の人々が新年の挨拶に来ていましたよ。
その頃、わたくしはカヤメとサラから新年の挨拶を受けたり、贈り物を貰って幸せ一杯です。
お昼の忙しい中、会いに来てくれた父様にも、わたくしは、ちゃんとご挨拶です。
「とーたま、あけおめと」
「明けましておめでとう、セリ。ずいぶんと、良く喋るようになったね」
その後は、お昼寝して、いつも通りだったけど、夕方になって宴に行く支度です。
着付けが終りをカヤメが教えてくれます。
「さぁ、姫様。支度が終わりましたよ」
「姫様かわいい♡」
そう言って、サラが用意してくれた、鏡を見れば、そこには、父様と同じ、海のような青い髪紅い珊瑚の様な瞳の、わたくしの姿があったのです。
(うん///わたくし可愛いかも♡)
そんな事を考えながら鏡を見ていたら、サラに図星を突かれます。
「まあ、姫様が、ご自分の姿を見て鏡で見てうっとりされてますわ。今日姫様可愛いですものね」
(違いますよー!サラ、ちょっと初めて見る自分の姿に、びっくりしただけですよ)
そうして準備万端、支度を調えた頃、父様がやって来ました。
「セリの支度はできてるかい?」
おお、流石にお正月、父様も着飾っている、いつもは、着けていない装飾品つけていて、さらに美しさが際立ちます。
って!?父様の着物!!わたくしと同じ色の着物、無地で紺色です!!
これは、もしかして、親子お揃いってですか!?
それで、わたくしの着物も紺色を選んだんですか!
(お揃いの色の着物で宴に出るなんて、イタい親子だと思われますよ~。恥ずかしいですよ~)
ここに来て抵抗を試みるも、所詮赤子、抵抗虚しく、父様に抱っこされて宴の間へ。
最早、潔く諦めるしかアリマセン。
そして、今年のわたくしの目標があっさりと決まります。
(来年までに、しっかり喋れる子になる事ですね!)
(もう、去年の様な着物騒動も、痛い親子もごめんですよ)
廊下に行くと、白尾様とガクサン様が待っていました。
「おお、今日もセリは、可愛いのぅ~♡挨拶がしたいから、こっちに向けてくれて」
「……いいよ…」
そう返事をしてわたくしを両手で支え、白尾様の目の前に…。
「明けましておめでとう。セリ」
「おめとー」
ニコニコして挨拶を返した、わたくしに気を良くしたらしく、わたくしの頭を撫でようした時…。
サッと父様は、わたくしを高く持ち上げます。
「さわるのは…ダメ!」
「その犯罪者を見る様な目は、やめろ~!」
わたくしを、『嫁にくれ』発言以来、すっかり、父様からアブナイ人に認定されてしまって、ちょっとお気の毒ですね…。
年が明けても、2人は相変わらずですね…。
「明けましておめでとう」
おお、今度はガクサン様が話し掛けて来ました。
珍しですね。
「おめとー」
ガクサン様は、わたくしを物珍しそうに見てます。
「子と言うのは本当に成長が速いものだな…」
おやおや、何か今の口振りだと、ガクサン様は、人で無いのかなぁって感じですね。
「そうかぁ?狐は、もっと成長が速いぞ!!」
うーん、何でここに狐の話しですか??
(この会話からしても、やっぱり、この2人は人では無いのかな?)
そんな、疑問は今は置いていよいよ宴の初まりです。