表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神の娘  作者: アイ氏
6/268

5話

あれから、わたくしは何事もなく1ヶ月が過ぎようとしています。


季節は、巡り今は冬です。


(今日も、寒いですね~)


その後も、ずっと父様と一緒に寝ていますよ。


最初は、ドキドキだったけど、今ではすっかり慣れてしまって、こうして誰かが側に居てくれると何だか、とても安心しますね。




それに、父様と一緒だと暖かいんですよね〜。



そんな平和を満喫していた日の夜のことです。


話し声が聞こえてきて起こされましたよ。


「セト、お前いい加減しろよ!!」


なにやら父様と誰かが口喧嘩でもしているみたい…。


そっと気が付かれ無いように、声の方に顔を向けて見れば、以前も父様と話していた、白尾様とガクサン様だった。


「左様、この1ヶ月余り、我々が、紹介した里親を見な断り続けて。皆、良き夫婦だと思うがな」


父様が全部、断ってたんですか?!


まあ、それは、2人が怒るのも無理ないですね~。


「それは、色々と問題が紹介した人間に問題があるから…」


「この世に、お前が求める完璧な人間は、残念ながらおらん。それに居たとしても、どうせ娘をやる気は、無いだろう」


あらら、父様は、なんか、図星を突かれた様な慌てよう。


「そんな事は!」


「ある!毎日、毎日、いそいそ娘に会いに行って、今や一緒に寝て、愛情が芽生え、最早、手放せる訳あるまい」


え~?そうなですか?!


「大体、手放す気なら、とっく手放ていよう。これ以上、お前のの下らぬ戯れ言には付き合えぬ。探すなら、自分で探せ。我々とて暇では無い」


「そうじゃ。そうじゃ。やってられるか…やっている事と言動がまるで一致しておらん。頭を冷やすんじゃな」


「もういい。里親の話は無しだ」


あら?わたくしここに居られるんですか!


「分かれば良い」


「これからは、心入れ替えて良い父親になるんじゃぞ」


「…………」


2人は出て行ってしまいました。


う~ん、これは思ってもいない展開になってしまいましたね。


まあ、父様が構ってくれなくても、基本的に命と衣食住さえ保証して貰えれば、わたくし幸せでを感じる性格ですからね~。


どこでもやって行けますが……。


(でも、ここに居るのが一番いいので良かったですね~)


そんな事を考えていたら、父様がこっちにやって来ました!


(ふぁ~寝たフリが、ばれません様に…)


◇◇◇◇


そんな、こんなで、色々ありましたが、もうすぐ年末ですね。


わたくしにとって、初めてのお正月を迎えます。


新年の祝いは、王宮でも一大行事らしく、その準備で皆さん忙しいみたい。


赤ちゃんの、わたくしは、まぁいつも通りかと思いきや、その準備に巻き込まれてしまいましたよー!


「姫様、お正月の晴れ着を選びましょうね」


そう言われ、大量の着物が、置かれた部屋へとつれて行かれました。


カヤメもサラも、楽しそうに着物を選んでますね~。


「姫様には、こちらの淡い黄色が、きっと良くお似合いです。明るい印象で、姫様の美しい青い髪にも良く映えますし!」


そう言って、サラが、広げて見せた着物は、淡い黄色生地に、白いウサギさん模様が入った、かわいい着物だった。


うん。確かに明るく爽やかな印象、かわいいウサギさんの柄も悪くないですよ♡


「あら、私はこちらの方が良いと思うわ」


そう言って、今度はカヤメが、着物を手にとり広げた物は、薄い紫地、色とりどりの小花が刺繍され着物。


「落ち着いた色あいと、気品溢れる地色、それでいて、この小花が可愛らしさと豪華さを演出してて。姫様にきっとお似合いになるわ」


うん、確かに落ち着いた色だけど、刺繍された小花が、立体的だから、豪華で素敵ね♡


「カヤメ様、失礼ながら、そちらのお着物は、やや、年寄り臭い……いえ、赤ちゃんの姫様には、少々早いかと」


あら、サラそこまで言わなくても…。


それが本音ですか?


「ふぅ~。いいことサラ。まだ年若い18歳の、貴方には、まだわからないかも知れませんが、新年には、沢山のお客様が、お城にいらっしゃいます。姫様のお召し物は、豪華で気品ある事が大事なのですよ」


カヤメの言う事も一理ありますね。


でも、2人は、それぞれ選んだ着物を持ったまま、お互い一歩も引く気配はありません。


この雰囲気はあまり良くありませんね。


そんな時、けんちゃんが開いていた窓から入って来ましたよ。


最近、父様と一緒にいる事か多くなったせいか、けんちゃんは、わたくしの側に余り居てくれ無くなってしまったんですよね。


けんちゃんは、父様が苦手みたいで姿を見ると逃げてしまう。


まあ、仕方ありませんね。

第一印象が悪過ぎですから…。



でも、父様のいない隙に、わたくしの所に戻って来てくれます。


そして今日は、本当に良い時に戻って来てくれてましたね!


上手く喋れない、わたくしに変わって、けんちゃんが2人を止めてくれるハズです!


以心伝心わたくしの気持ちが伝わったのか、けんちゃんは、2人の喧嘩を止めに入ります。



「主、まかせるにゃ~ん」


(うん、任せましたよ)


こうして、2人の仲裁をけんちゃんに託したのです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ