3話
暫く泣いていた、わたくしを優しく抱きしめていてくれた父様でしたが、人に会う予定があるらしく、わたくし優しく寝かせて部屋を出て行ってしまいましたよ。
「すぐ戻ってくるから大人して待ってるんだよ。セリ」
(寝っ転がっているのも退屈ですね~)
退屈をしていたら、今度はけんちゃんが帰ってきましたよ。
「主、ただいまにゃん」
(けんちゃん、おかえりなさい。どこ行ってたの?)
「城をあっちこっち見て回ってたにゃ。この城とても広いにゃ〜」
(ふ〜ん。けんちゃんは、自由に歩けて良いですよね~)
「主も、もう少し大きくなったら歩けるにゃ。そしたら、色々と案内するにゃ」
わたくしは、けんちゃんに先程の話をしてみました。
「子供と老人にゃ?そいつらは、おそらくは隠密頭の白尾と宰相のガクサンにゃん。あいつら人じゃないにゃ〜」
流石は情報通のけんちゃんですね。
けんちゃんの話によると、この国は、父様を頂点として下には、隠密頭、宰相、将軍と呼ばれる人?がいるらしく、父様の指示の元に統治が行われいるんですね。
そして以外にも、この地は自然が豊で、作物も他の土地より沢山収穫が出来て人々は、裕福な暮らしをしているとの事。
まさに、人々にとっては神が創った楽園と言った感じらしいですね。
(チョットイガイ)
そんな豊かな国だからこそ手に入れようする者が後を絶たないらしく、戦争続きと言うのがこの国一番の問題点ですかね?
でも、建国以来、負けなしの常勝不敗の神話はこの国の人々の誇りであり、自慢になって戦で倒した相手の領地を占領するから、この国は段々と大きくなっていったとも言えます。
って事は父様はとても有能な王様ですね~。
母様のお家で、父様の恐い話を沢山聞いていたのでちょと以外で……。
暴君とか、怖い人とか、悪い人とかずっと思ってましたよ。
でも、敵対していたから良く言う訳ないですよね~。
(今更、父様の事知っても、もうすぐ、お別れなんだし…)
「主、元気だすにゃ。あたいは、何かあっても一緒いるにゃ〜。主は、あたいが守るにゃん」
(けんちゃん、ありがとう)
ん?今物音がした?ああ、父様が帰って来たんですね。
「ただいま。セリ、いい子してたかい?」
「あ〜い」
取り敢えず、ここに居る間はニコニコ愛想を振り撒きましょうかね~。
その後も、カヤメが姿を見せる事はなかったけど、夕飯を父様と一緒に食べて、サラや他の侍女さん達がお世話をしてくれたからいつもと同じです。
(う〜ん♡お風呂気持ち良かったし、お寝間着に着替てねんねの準備も万端♡)
(あらら、わたくしがいつも寝てる部屋に行くんじゃ?ないの……?どうして、まだこの部屋に?そこには父様がいてお寝間着着ているし!!)
ふぁー!この部屋は、父様のお部屋ですか…!?
上手く喋れ無いわたくしに代わりけんちゃんが聞いてくれました。
「ここは、お前の部屋かにゃ?!」
「そうだよ」
「にゃにゃ!!!冗談じゃないにゃ!退散にゃう!」
けんちゃんは、わたくしを置いてあっさりと逃げて行きます!!
(さっきは、わたくしのそばにずっといるって、守ってくれるって言ったのに…)
なぜ、わたくしだけ、こんな目合うのでしょうか?。
わたくしは、必死に抵抗します。
「やあ、やあ」(父様と一緒にねんねとか無理ですよー!)
しかし、所詮は無力な赤子のわたくし。
抵抗虚しく、父様に抱っこされ再び寝床へ。
「あううぅ〜」
「今日のセリは、本当に泣いてばかりだね。大丈夫、大丈夫」
そう言って、優しく頭を撫でてくれます。
(わたくしの安らぎの時間までも奪われましたね…父様、寝相な大丈夫ですかね??絶対に押し潰したりしないで下さいね…)
こうして、一日は終わったのでした。