269話
竜宮の宮殿の客間では、父様とエンラ様とユジンで話をしています。
わたくしは父様から、やっと解放されて、ジェノが用意してくれた、お菓子を食べてます。
(冥界の、お菓子も美味しいけど、やっぱり竜宮のお菓子が一番ですね~♡)
隣りに座っている父様はエンラ様とユジンで色々と話をしていますね。
わたくしは、お菓子を食べながら、その話に耳を傾けます。
そして父様がエンラ様から話を聞いて呟きます。
「地上で、妖力を持った動物達の回収か…。確かに、それをやれば地上は少しは平穏になるな」
「はい。まぁ回収と言うとか保護ですね。今まで冥府は人間の魂の回収に総力をあげて来ましたから、どうしても天界を追われた神獣や穢に侵されて妖化した獣達を放置していました。ですが、漸く、烏天狗の異空間転移の力で、地上から、肉体を持ったまま冥界への道を作る事が出来るのです。彼と人間達を切り離せば、穢の発生も少しは違う筈です。四星の復活も近い事ですから、なるべく穢を抑えたいと父も申しておりました」
「そうだね。手始めに、うちに居る白尾と山奥の隠れ里に居ると言う白尾のキツネ仲間達をまとめて冥界に送る事から、初めようか?」
父様は、あっさりとそう言います。
わたくしは父様の思っても無い発言に驚きます。
「父様!白尾を冥界に送るって?!どうして?!」
「ああ。セリも白尾が普通の狐でない事は分かるでしょう?簡単に言えは、冥界に送るのは白尾の様な霊力を持っていて、人の言葉を話したり、人に化けたりと、人との距離が近い動物だよ。当然、白尾も対象でしょう?」
「それは分かるけど白尾は父様と、お友達なのに?それを、あっさりと冥界に送るとか、ちょっと薄情じゃ無い?白尾が可哀想だよ」
「いや。別に友達じゃないし…。それに元々、白尾を側に置いて居るのは監視と云う意味もあるから…。冥府が引き取ってくれるなら、僕としては楽が出来てありがたいよ。
セリは知らないと思うけど、地上に居る霊力を持った動物は色々と厄介なんだ。
彼らは何故か、長く生きて修行を積めば、神獣になれると信じているが、実際には地上で暮らして多少だけど穢を持っているから神獣なんてなれない。その上、根は純粋で、ちょっと人間達の悪意に晒されると、容易に人間を恨み妖化して、危険な妖獣に変化する。極めて不安定な存在なんだ。このまま地上に居て白尾が妖化したら、それこそ可哀想でしょう?だから、冥府の申し出は助かるし、さっさと冥界に送る事が白尾の為にもなるんだよ」
わたくしは、父様の話を聞いて、ちょっとびっくりですよ!
「えー!白尾が?!凶暴になっちゃうの?冗談でしょう?!」
(どう見てもヘタレなキツネさんですよね~)
「セリさん。冗談ではありません。その可能性は多いにあります。一応、今まで問題が無かったのは、叔父上やセリさんの元に居たからでしょう」
そうエンラ様は言います。
「でも白尾は冥界に素直に行くのかな?嫌がるかも知れないよ?」
「その時は強制的に送るよ。白尾は元々は霊力を持った狐だ。さっきも言ったけど、地上に暮らすよりも、冥界で暮らした方が安全だ」
「そうですわね。それに烏天狗の移転術があれば、短期的に地上に行く事も可能ですから、ずっと冥界に閉じ込める訳では無いんです。冥府の方に申請頂ければ、地上に遊びに行けます。白尾さんも、いつでも地上に遊びに行けますよ。そして、その許可を起こなう役目をユジンさんにお願いする事になりました。改めて叔父上とユジンさんに感謝します。お陰で沢山の動物達を救えます」
今回の計画って、動物大好きなエンラ様が、動物保護の為に立てた計画なんですかね?
四星とかは建前で…。
わたくし、そんな気がして来ましたよ。
「でも、それなら、もっと速く冥界に迎えたら良かったんじゃない?わたくし見たいに特別に冥界の扉を開くとか?」
「セリさんを冥界に招待したのは本当に例外です。それに1人位なら、その例外も可能ですが大量に動物を冥界に迎えるのは難しいですし、父の神通力にも限りがあります」
「そっか。だから烏天狗さんの力が必要不可欠だったんですね」
「はい」
「まぁ地上で凶暴化したら、ぼくがサクッと氷に閉じ込めて封印するか、以前エンマから貰って術具を使って直接地獄に送る事も出来るけどね」
その方法での冥界行きは嫌ですね~。わたくしがそんな事を考えてたら、父様は、もう地上に戻る気になります。
「取り敢えず、これから地上に戻って白尾を捕まえよう」
はぁ~白尾の気持ちは無視なんですね。でも、話を聞いていると、仕方ないんですかね。
ここに来てユジンと白尾とお別れとは思ってませんでしたよ。
父様がそう言うと、エンマ様も立ち上って、どうやらもう出発する気マンマンですね~。
「そうして頂けると助かります。狐は特に霊力が良く現れる動物ですから、早めに冥界に呼びたいですね」
「では、今から、地上に戻ってろう」
そう言うと父様も立ち上り、ユジンも続いて立ち上ります。
「はい。かしこまりました」
そうして、わたくし達は久ぶりに地上に戻ったのです。
お読み頂きありがとうございます。
家族が入院するなどプライベート色々と有忙しくて、なかなか更新が出来ずに申し訳ありません。
少し落ち着いてきたので、またぼちぼち更新していきます。
よろしくお願いします。




