表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神の娘  作者: アイ氏
268/269

267話

キャラさんに案内されて天国へと来たましたよ。


 冥界の中では、一番明るい世界で、アシア様達が住んで居る桃源郷に似ていて、桃源郷へ来たのかと錯覚してしまいます。


そして、キャラさんと一緒に立派な木が有る場所へとやって来たましたよ


その近くには、大きな屋敷が建っていて、キャラさんによれば、ここに、お裁縫の先生が居るのだそうです。


どんな先生なんですかね?


会うのが楽しみですよ。


そして屋敷に入ると現れたのは、男の人?いや、でも、着物は女性物なので女の人なんですかね?!


(う〜ん。判断に困りますね)


そしてキャラさんは、臆する事も無く近くに行って挨拶をしてます。


「黄桃様。こんにちは。今日は、私のお友達も連れて来たんですよ。一緒にお裁縫をしたいと思うんですが大丈夫ですか?」


 わたくしは、キャラさんの言葉に驚きます。


それは、目の前に居るのが、天国の桃のご神木だからですよ。


噂では聞いてましたが、本当に男の人が女装してる見たいな姿ですね~。


白桃様とは真逆です。


「ふぁ!今、黄桃様って言いました?」


「ええ。黄桃様は桃の木のご神木なんですけど、人の姿の分身を造ってこうして人の姿に慣れるんです。黄桃様は、お裁縫が得意で、冥府の女性達にお裁縫教室を開いてくれて居るんですよ」



桃源郷の白桃様から聞いて知っていましたが、まぁ、不気味と云うが微妙ですね~。


「あら?キャラちゃんのお友達?」


そう言う、わたくしの顔を、ジーッと近くでじっくりと見ます。

(白桃様は子供が好きで、黄桃様は、男性が好きと聞いているので、わたくしは対象外だと思うのですが……)


「貴女、セトちゃんによく似てるわね!」


父様の名前が出できたので,わたくし少し驚きましたよ。


「父様を知ってるんですか?」


「勿論よ。彼、あたしのモロ好みなの。本当に綺麗でー!ずっと見ていても全然飽きないわ。彼が天界から地上に来た時、もうあたしは、その美しく姿に心奪われたわ。一目惚れだったわ…。

もう彼と親しく成りたくて、毎日、彼を追いかけて、美しく着飾った彼が見たいと思って一念発起してお裁縫を頑張って習得して着物とか贈ったんだけど…終に受け取ってくれる事は無かったわ…」


「はぁ」


わたくしはその話を聞いて、どう答えて良いか分からず、適当に相槌を打ちます。


「でも、ある日、いつもの様に、彼を物陰から眺めて居たら突然、あたしの

本体である木に海水を掛けられて…。横に生えていた白桃ちゃんも一緒に海水の巻き添えになったわ。だから白桃ちゃんからはもう、彼を追いかけ回すなと、散々、怒らて…。まぁ、あたしは、その後、エンマちゃんに口説かれて、冥界へやって来たし、セトちゃんは、リアちゃんと結婚してしまったし…。今、思えば青春の思い出でよね」


ここで父様の昔の話を聞けるとは思ってませんでしたよ。


父様も黄桃様に追い回されて大変でしたね…。


わたくしも白桃様に会った時は、とても怖かったから父様に同情しますよ。


(まぁ。父様が怖がる姿は想像出来ませが…)



「そ、そうなんですね。えっと父様が酷い事をしてごめんなさい」


「もう子供が変な気を使わないの。それで貴女のお名前は確かにセリちゃんだったかしら?貴女の事もリアちゃんから聞いてるわ」


「はい。セリです。よろしくお願いします。母様の事も知ってるんですか?」


「ええ。リアちゃんも、普段は天国に住んでるから、それに彼女とはお裁縫仲間なの。リアちゃんもお裁縫上手よね〜」


おお。そうなんですね。それなら母様の娘である、わたくしもお裁縫が上手かも知れませんね。


「それじゃあ、お裁縫の道具は貸してあげるから、これに刺繍してみましょう」


 そう言われて、わたくし、黄桃様や


「…………えっとセリちゃん。貴女不器用ね」


「ふぇ〜。手に針が…それに糸が絡まって、お裁縫って難し過ぎますよ!」


そう、わたくし、お掃除もダメなら、お裁縫もダメ……。そして多分、お料理もダメな可能性が大です。


(わたくしは、きっと、どこまでも父様に似なんでね…)


このままじゃあ良いお嫁さんになれません…。


「刺繍は、セリちゃんには、まだ少し早いかしら。そうだ!髪飾りなんて作るのどうかしら?」


折角の提案ですが、難易度上がってません?


「ふぁ。そっちの方が難しいそうですよ」


「大丈夫よ。結び方を書いた本もあるし、あたしがお手本を見せてあげる。」


「ありがとうございます!それなら出来そうです」


そうして、わたくしは紐を選びます。


「赤いお花が可愛いですよね」


「こうやって、こう結ぶのよ」


そう言ってお手本を見せてくれます。


最初は、少し難しくて、上手く出来ませんでしたが、結ぶ順番さえ覚えれば、比較的簡単に出来ますね。


(ふぅ〜。漸く完成ですね)


そして、完成した花飾りを簪に取り付けます。

上手に出来たのが嬉しくて、わたくしは、もう少し、作りたくなってしまいましたよ。


「あの、もう少し紐で飾りを作っても良いですか?」


「良いわよ。髪飾り以外にも色々と作れるわよ」


そう言って、他の材料も用意してくれます。


「ふぁ。ありがとうございます」


こうして、わたくしは夢中で作り続け結構な数が出来てしまいましたよ。


母様に、こんなに上げても困りますよね。


そこで、わたくしは他の人にも配る事を考えます。



そうして、キャラさんの刺繍も終わり、わたくし達は冥府に帰ります。


帰り道で歩きながらキャラさんが話し掛けて来ます。


「セリさん。あの、セリさんは、エンラ様の親戚なんですよね?」


「うん。そうだよ」


「あの、エンラ様は、どんな女性が好みとか知ってますか?///」



(ふぁ!?これって、もしかして恋バナですか?!)


そう考え、わたくしは、キャラさんに聞きます。


「キャラさんは、エンラ様が好きなんですか?!」


「え?///いえ。私なんて…。そんなただ少しでも、エンラ様の好みの女性に馴れたらって…」


そう恥ずかしそうに、顔を紅くして答えます。



キャラさんの力になりたいのですが残念ながら、わたくし、エンラ様と、そう云う話をした事は一度もありません。


「う〜ん。わたくしも聞いた事が無いですね…」


「………そうですか」

そう伝えると、がっかりしてしまったので、わたくしは困ってとでもない約束をしてしまいます。


「あ!えっと、その機会が有ったら聞いて見るよ!うん」


「ほ、本当ですか?」


「う、うん」

「ありがとうございます。よろしくお願いします」


こうして、わたくしは、キャラさんと分かれて母様が待つ部屋に帰りましたよ。


「母様。ただいま」


「まぁ。セリ!お風呂に入ったら、ちゃんと戻って来ないとダメじゃない。エンラ様が、キャラちゃんと、一緒に居る事を教えに来てくれたから、良かったけど、戻って来ないから、心配したわ!」


(ひぇ~。また怒られてしまいましたよ…)


「ごめんなさい。あのね。キャラさんと一緒に母様にあげる髪飾りを作ってて、これ、わたくしが作ったんだよ」


本当は、もう少し後に渡す予定でしたが、シカタアリマセン。


「でも、だからと言って、勝手に出歩いたり、危険な事に関わったらダメですからね!」

ああ。そうでですか…。


「はい。ごめんなさい」



「分かれば良いのよ。セリ。髪飾りありがとう。大切に使うわ。それにしても、月日が立つのはあっという間ね。赤ちゃんだったセリが、私に髪飾りを、作ってくれる様になるなて」


そう嬉しそうに言います。


「また作るよ」


母様のご機嫌も直ったので本当に良かったですよ。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ