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神の娘  作者: アイ氏
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264話

 ユジンも烏天狗達も皆が残念ながら土の中で生き埋めにされたままです。


だから、わたくしは、エンマ様にお願いして、ユジンだけでも土の中から出して貰える様に頼みます。


「エンマ様。お願いします。ユジンを土の中から出して欲しいの」


「いくらセリの頼みでも無理な相談だな。もう少ししてから考えよう」


「そこを何とか。だって、エンマ様は時間が経ったら、ユジンを埋めた事を忘れそうで…怖いんですよ」


なんかエンマ様も父様と同じで時間が立つと忘れそうですよね。


そう伝えると、少し考えてから返事が来ます。


「…ふむ。……そうだな。土から出しておくか…」


やっぱり、忘れる可能性があるんですね…。


血の繋がりは無いって聞いてるけど自称兄弟なので、父様と思考が似てるんですかね?


わたくしが言わなければ高い確率でユジン達は暫く忘れられてましたね。


そうして、ユジンも無事に土の中から救い出されます。


わたくしは、ユジンの側に駆け寄って声を掛けます。


「ユジン大丈夫?」


「はい。なんとか」


「良かった」


「烏天狗達は暫くは土の中で反省して貰うが、取り敢えず、これで一件落着で良いな?ユジン?」


そうエンマ様はユジンに聞きます。先程の戦いでの約束があるので、ユジンは素直に返事をします。


「約束は守ります。再び冥府に戻ります」


ユジンの決断を、わたくしは尊重して何も言えませんし、ユジンも、わたくしに何も言ってくれません。


「良かろう。では冥府に戻るか?」


「はい」


そう返事をして、わたくし達は歩き出しますが赤兎ちゃんは、ずっと止まったまま、わたくしに話します。


「あのさ。今更かも知れんが、オレが冥府に行っても本当に良いのか?」


その問にエンマ様が答えます。


「ああ。無論だ。これからは余の元で働くのだろう?これから冥府は忙しくなる、ユジンやセリ、そしてセトにも地上でやって貰わねばならん事も色々とある」


これから忙しいなりそうですね。そして父様も協力すると事になるのは、わたくしびっくりですよ。


「ふぁ。父様もですか?」


「ああ。地上の妖獣を冥界に送って貰わねばならんからな。ユジンも暫くは、その作業に従事して貰う」


「そうなんですね?それなら、もう暫くユジンと一緒に居られるんですよね?そっか〜。良かった」


わたくしの本音が漏れるとユジンは、困った顔をします。

「姫様…。申し訳ありません。ずっとお側に居ると約束したのに…」


「ううん。ユジンが戻ると決めた事なら、わたくしは良いの…。あ、でも、もし、辛い事が合ったなら、いつでも地上に戻って来てね。これが、わたくしとの新しい約束だよ。ユジンは、いつも無理して頑張り過ぎるから!」


「はい。ありがとうございます。姫様」


いや~これで無事に解決ですかね?っと思ったら、再び赤兎ちゃんが慌てた様子で、わたくしに言います。


「おい!ちょと待て小娘。セトを父様とか言ったか?お前は、大海の神の娘なのか?!そうなのか?!」


その言葉に、わたくしは、今更感を感じながらも答えます。


「ふぇ?!そうだよ。わたくしの父様の名前はセトで、大海の神って皆から言われる、海の神様だよ。あれ?まさか赤兎ちゃん知らなかったの?」


「ぎょーえー!初耳だぁー!」


「えぇ~?今更ですよね~。日月星様から聞いてなかった?」


「何も聞いてねぇー!!そんで、まさかオ、オレは消されるのか?!」


いや〜。いきなりなんで、そんな話になるんですかね?


(デモ、ソレハトウサマダカラ、シカタアリマサン)


だから、わたくしは赤兎ちゃんを安心させる様に言います。


「大丈夫。父様は、わたくしにメロメロだから、わたくしと仲良しな赤兎ちゃんを虐めたりしないよ」


そう言うと、赤兎ちゃんは少し呆れた様子なります。


「…それ…マジで言ってんのか?」


「うん」


わたくしは自信を持って答えます。


その後、赤兎ちゃんは何かを考えいる様子ですよ。


(あの大海の神セトが?でも小娘が関わると日月星の旦那も、いつもと様子が違ってたしな…小娘に甘々だった…。それにエンマや、あの副官のユジンも、小娘に好意的だ。もしかして、本当に小娘の言う通りなのか?)


それから安心した様に返事をします。


「そっか。ならまぁ良い!あ、でもな。一応、オレは、強いんだからな!大海の神を怖がってる訳じゃ無いからな!」



 そうガタガタ震えながら言うから説得力がありませんが…。ここは、そう言う事にして置きます。


「うん。赤兎ちゃんは強いもんね」


いつか赤兎ちゃんが地上に遊びに来てくたらなぁー。なんて思って居たのですが、父様が居るから無理ですかね?


そんな事を考えて居たら、エンマ様が再び、わたくし達に声を掛けます。


「では、これからの事は冥府で話し合うとするか。冥府に戻るぞ」


「は~い」


エンマ様の言葉に従って、わたくし達は冥府に戻ったのです。




お読みいただきありがとうございます。書いている内に話が少し長くなってしまったので、2話に分けました。明日も更新予定です。


よろしくお願いします。

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