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神の娘  作者: アイ氏
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256話

船から、子供達の声が聞こえる方に目を向けると、何やら沢山の子供達が遊んいる様です。


「ふぁ~。子供がいる」


「そう言う、セリさんも子供ですよ」


「え?あ!まぁそうですね」


「ここは『賽の河原』です。ここには現世で亡くなった子供達の魂が集められる場所です」


「そうなの?亡くなった人は、冥府で裁判するんじゃ無いの?」


「はい。幼いですから、現世で犯さした罪は重くありません。その為、地獄では厳し過ぎるので、三途の川のほとりの場所で、しっかりと修行を積む事で現世の罪を許し転生になります」


「そっか~」


その話を聞いて、わたくしは悲しい気持ちで『賽の河原』の様子を見ます。


そして目に入ったのは鬼さんが縄でグルグルに縛られ子供達に囲まれた姿です!


オニサンイジメラレテマセン?


わたくしは想像した修行との違いに驚いて、エンラ様に尋ねます。


「……えっと!修行ってアレが修行なんですか?」


「違います。どうやら子供だからと性格が甘い鬼を配置したのが裏目に出た様です…」



やっぱり、あれは修行じゃ無いんですね…。


「獄卒が子供に舐められ醜態を晒すとは。仕方ありません。セリさん。ちょっと寄り道をします」



そう言うと、エンラ様は『賽の河原』に船を着ける様に命じます。


いや〜。幼くして死んだとは思えない位に、皆さん、わんぱくですね。


そして、子供達にやられて居る鬼さん達が気の毒ですよ。


連携して、鬼さん一人を袋叩きですからね!


びっくりしましたよ!!


船からエンラ様が降りたので、子供達もエンラ様の存在に気が付きます。


「鬼だ!また鬼が来たぞやっちまえ!囲い込め」


そしてエンラ様はあっという間に子供達に囲まれます。


ですが、エンラ様は至って冷静ですね。


「貴方達、鬼を舐めると痛い目に合いますよ」


そう言うと、近くに合った巨大な大岩を金棒で粉々に粉砕します。


「子供だからと言って手加減はしません。この岩の様になりたい者から掛かって来なさい!」


エンラ様の気迫に押され恐怖の余り子供達は大泣きしたり、逃げたり漏らしたり本当に大変ですね。


そこへユジンが、優しい笑顔で止めに入ります。


「まぁ、エンラ様落ち着いて下さい。相手は、まだ子供ですから、良く言って聞かせれば分かってくれますよ」


ユジンがエンラ様を止め、優し笑顔で子供達の方に向くと、子供達も安心したのか泣き止みます。


「救いの神だ…。もしかしてオレ達を助けに来てくれたのか?転生させてくれるのか?」


誰かが、ユジンをそう言います。


優しい、ユジンの笑顔を見たらそう思う気持は分かります。


でも、それを聞いていた、エンラ様が訂正します。


「ユジンさんは確かに神族ですが、正しくは死神ですよ。貴方達を、ここから出すのは別な神です。ですから救いはありません」


あっさりとそう言うと、子供達は動揺します。


「え!!死神」


そしてユジンも自ら言います。


「そうです。私は死神です。一応、現世で、私のお使えしている方に逆らった生きた人間で有ろうとを容赦なく屠りますし…。あるいは成仏せずに迷える魂を狩り、地獄に送ったりしています」


まぁ、確かに、ユジンは、父様の国の将軍様ですからねぇ~。


戦争とかになったら、そうなりますよね…。


そして、その話を聞いた、子供達は真っ青になり、先程までの騒ぎが嘘の様に、静かになります。


ユジンは真面目な天然さんですからねぇ~。


そして静かになってから、再びユジンが子供達に話を切り出します。


「今は、私の事は置いておいて貴方達の、このおこない付いて話をしたいです」


そう真剣な顔で言います。


更にユジンの話は続きます。


「そこに正座して良く私の話を聞いて下さい。大事な事です」


有無も言わせぬ、怖さが何と無くユジンから漂います。


更に被害は広がり、縄で縛られていた鬼さんの縄を刀で切って助けると鬼さんも容赦なく正座させます。


「後、獄卒の貴方もです!あなたが、しっかり子供達を制していたら、こんな騒ぎは起きないのです。良いですか?

これで子供達の『賽の河原』での修行期間は更に延びてしまいました。私がこれから子供達にする話を一緒に聞いて、しっかりと反省しなさい」


そう言って子供達から、鬼さんまで全員を正座させてクドクドとユジンは説教を初めたのです。


エンラ様もユジンも怒らせると恐いですね〜。

わたくしも気をつけて無いとですね。


「セリさん、ここはユジンさんに任せて、私達は一度船に戻りましょう」


「え?良いの?ユジンをあのままにして…」


「はい。ああなると、ユジンさんは1時間は止まりません」


「ひぇー!そうなんですか?」


「はい。私も幼い時に、ユジンさんから説教貰いましたから。経験済みです」


エンラ様は経験済みなんですね。


(何をして、お説教になったんですかね?)


そうして、わたくし達は船に戻ったのです。



お読み頂きありがとうございます。


職場はインフルエンザの連鎖で人が足りず、また3月で退職される方が出る一方で、新たに入る方は決まっていません。繁忙期が過ぎても日々色々と忙しいです。


そんな状態にもが関わらず、2月14日から新連載初めます。


また『万年悪戦苦闘』も更新予定です。


こちらも併せて読んで頂けたら嬉しいです。よろしくお願いします。


まだまだ寒い日が続きます。皆様もご自愛下さいませ。


広告下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして応援いただけると書くモチベーションに繋がります。

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