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神の娘  作者: アイ氏
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252話

なんて話を知らない、わたくし達はしっかりと雪の嵐に巻き込まれてしまいましたよ。


外は、一面真っ白!!冷吹きすさぶ風は冷たく視界も最悪です!


正直、わたくしにはもう何処に向かって歩いているのかも分かりません。



わたくしは、今の状況が心配になりエンラ様に尋ねます。


「エンラ様。大丈夫ですか?あの迷子とかにならないですよね?」


「はい。遭難です」 


「は?遭難??それって、もう既に迷子って事ですか?!」


「はい。実はこんな吹雪の中を歩くのは、これが神生で初めてで、迷子になりました。しかし、それを余り深刻に言うのも、何ですから軽く冗談を交えて告白してみました…」


(いや〜。この状況で…そんな冗談を言われても、わたくしは笑えませんよ!)


『にゃ~。アホにゃ!』

けんちゃんは、横で本音を漏らすし困りましたよ。


エンラ様の気遣いを無駄にして申し訳ありませんが、残念ながら事態は深刻です…。


このまま歩き続けても、体力を消耗するだけですから…。


「………」


皆も遭難と言う事態を把握して暗い表情になって行きます。


そこへ、この状況を見かねた母様が提案をします。


「えっと!ああ!そうだ!吹雪が止むまで、かまくらを作って避難するのはどうでしょう?」


「かまくら??」


「雪で作った小さなおウチのことよ!」


かまくらを知らない、わたくしに母様は簡単に説明してくれましたよ。


「ふぁ?雪のおウチですか?」


「良いですね!私、一度で良いから、かまくら作ってみたかったんです。八寒地獄を調べて居る際に、作り方も学びましたので、早速それを元に作りましょう」


こうして、エンラ様の指揮の元、かまくらを作る事になったのです。


再び、わたくし達は、大きな雪玉を作ります。


それをエンラ様が粉砕!あっという間に、雪山が完成です。


そしてユジンが小さな炎で、雪山の中を炙ります。



中に穴が出来て、完成です。


わたくし達は完成した、かまくらの中に早速入ります。


確かに冷たい風や雪は防げますが寒いですね。


そこで、わたくしは以前に火炎様から貰った、『竜宮石』の存在を思い出し、かまくらの中で使ったのです。


八寒地獄では、効果が余り無いかな?って思ったけど、流石は『夏の神様』の神通力が込められ石ですね。


かまくらの中は、ポカポカ快適です。


後は吹雪が止んで、無事に冥府に帰るだけですね。


そんな風に思っていた、わたくしでしたが、突然かまくらの入口に真っ黒な巨大な生き物が近づき入口が塞がれましたよ!


その巨体を見た母様の表情が真っ青になり驚きの声を上げます。


「くっ!熊だわ!」


「熊???」

わたくしはその動物が分からず尋ねますが、母様は驚いの余り固まり返事がありません。


変わりに、エンラ様がやたら興奮してます!


「なんですって?ヒグマ?ですか!それともツキノワグマ?!」


いや〜そこで熊さんの種類を聞かれても、わたくしには分かりませんよ。


直ぐに我に返った母様がわたくしを守ろうと抱きしめ、キャラさんは横で怯えす。


そしてかまくらの入口から熊さんの顔が、わたくし達をのぞき込む様に入って来ます!!!


大ピンチですよ!!


「あーやっぱり吹雪で遭難したべ」


だけど、熊さんはわたくし達に襲い掛かる事はなく、しかも熊さんが喋ったのです!


「オイラ、八寒地獄の獄卒、熊八だべ。ユジン様。お久しぶりだべ」


そう挨拶され、ユジンは驚きながら返事をします。


「!熊八か?!久しぶりだな。どうして、ここに?」


「八寒地獄の吹雪さん達に頼まれべ」


「そうか…」


「ユジン、知り合いなの?」


「はい。熊八は、エンマ王が、その昔八寒地獄に送った人間に罰を与える為に作った『人喰い熊』です。地上の熊を参考にしましたが、地上の熊ではありません。強いて種類を上げるなら『地獄熊』ですね」


「ひぇ!人喰い熊?!!」


ユジンの話を聞いて、わたくしびっくりしましたよ!しかもエンラ様の為に熊の種類の説明とか、ユジンは余裕ですね~。


「あっ!はい。でも姫様、熊八は言葉も話せますし、誰でも無差別に襲ったりはしませんのでご安心下さい」


「そうなんですね。良かった」


それから暫くして吹雪が収まって来たので、わたくし達はかまくらを出で熊八さんの案内で冥府へ繋がる門まで向います。


(途中で恐る恐る熊八さんを撫でましたが結構、毛が固くてゴワゴワしてますね)


危害を加えられる心配は無くなりましたが、見た目が恐い事もあって、母様もキャラさんも無言で歩きます。

わたくしもその雰囲気につられ、話し辛いですよ。


そこへ熊八さんが、懐かしそうに昔話を初めます。


「いや〜。エンラ坊っちゃんも、すっかり大きくなって見違えましただ」


「はい。その節はお世話になりました」


「お世話?」


「セリさん。子供の頃の話です。私、父上が地上の熊を参考に、熊を作ったと聞いて合いに行ったんです。まだ熊八さんが八寒地獄の行く前の事ですね」


「へぇ」


「そして3日程、熊八さんの小屋で寝食を共にしまた。地上には簡単に行け無いし、八寒地獄に熊八さんが行ってしまったら、こちらも簡単には会えませんから…」


「ふぁ!動物の小屋で暮らしたんですか?」


「はい。実に楽しかった3日でした」


エンラ様の子供の頃の動物との触れ合い話はちょっと驚いましたが、その後も熊八さんとエンラ様の同居生活の話は面白かったので、段々、母様もキャラさんも熊八さんと打ち解けて行ったのです。


そうして、楽しい話している内に門に着きます。


エンラ様が熊八さんにお礼を言います。


「熊八さん。ありがとう御座いました」


「いや。お役に立てて何より」


「冥府は、八寒地獄と和解しました。今度は、八寒地獄の巣穴にお邪魔しますね」

「いや〜それはちょっと」


熊八さんが困っていますね。


でも、まぁエンラ様は行動力ありますからね。絶対に遊びに行くんでしょうね。



こうして熊八さんに見送られて、わたくし達は無事に冥府へと戻ったのです。

あけましておめでとうございます。

少し書き上げるのに、時間が掛かり投稿時間が遅れてしまい申し訳ありません。


また、時間がある時に少しづつ書き溜めている、『新小説』や『万年悪戦苦闘2024年版』を書いたエッセイを投稿していきたいたい思ってます。


今年も頑張って色々と更新していきますので、よろしくお願い致します。

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