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神の娘  作者: アイ氏
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248話

 地獄のスズメ蜂の案内で、急いでリアさんの眠る場所に向かう。


人間であるリアさんが、一番危ないからだ。


そしてリアさんの元に辿り着けば、体の一分は、氷危険な状態だった。


流石に、私もリアさんに往復ビンタわする分けにはいかないので、そっと状態を起こして、声を掛けたり、体を揺すって見たが、起きる気配は無かった。


そこで仕方ないから、そのままリアさんを背に抱えて、今度は、キャラさんの救出に向かう。


こちらも事前に蜂達が見つけ出していた。


そこは八寒地獄の宮殿。


ここの主は、一応、氷姫さんだから、キャラさんを拐ったのは氷姫さんの可能性もあるが、謀反を起こした雪華さんが、こっそりとキャラさんを幽閉した可能性もある。


その辺も、明らかにしないといけない。


この後の処理次第で、色々と後に面倒が起きては、困まります。

副官の仕事は、そうした事にも気を配らないとやっていけないのだから、大変ですね。


そうして、氷姫さんの宮殿にやって来て、正々堂々と正門から、入ろすれば、八寒地獄の雪鬼達に囲まれた。


この八寒地獄の雪鬼は、八大地獄や冥府で、働く、父の造った鬼達とは違い、正真正銘、冥界に古くから存在する種族だ。


父は、この雪鬼達を見本に鬼達を造ったと、聞く。


雪鬼達は、私の姿を見るなり取り囲み大きな声で怒鳴る。



「貴様は、冥府の副官?!何故ここに?!」


そう問われて、私は簡潔に答えた。


「はい。こちらにウチの従業員がお邪魔してるので、迎えに来ました」


その答えを挑発と取ったのか、氷鬼達は更に怒りだした。


「ふざけるな!だが調度良い、貴様を捕らえて、それを、交渉の材料な冥府から独立だ!捕らえろ!」


そう言うと、雪鬼達が一斉に襲いかかって来た。


「やれやれ。仕方ないですね。」


そうして、私は時間を止める呪術を発動させた。


呪術の発動と共に、この宮殿に居た鬼達は全員が動かなくなった。


私は皆が動きを止めた宮殿の中に勝手に入る。


そしてスズメ蜂に案内されて、キャラさんの元に向かうのだった。



◇◇


宮殿の様子が突然おかしくなったわ。


外が騒がしいと思ったら、今度は人の気配も物音も感じ無い。


私が、ここに無理矢理に連れてこられて、どの位の時間が経ったのかしら?


きっとお母様も心配している。


自力で帰れてら良いのだけれど、私を見張る八寒地獄の鬼が部屋の外にずっと立って居るから逃げる事は出来ない。


そして囚われている私を誰かが助けに来てくれるか。それを考えると、とても不安になる。


何故なら私は生前は沢山の人を殺めた罪人だから。


そんな私が運良く、今は冥府で働きながら暮らしていられるのはセリさんという、女の子のおかげ。


後は神の血を引いているからかしら。


でもそれだけなら、今も地獄で罪を償っていると思う。


本来なら罪の償いが終わったら転生できる。


でも地獄から出されて、エンマ様に聞かされた話では、転生とは、天界に、ただの生命力になって戻り、同じ天界に戻った他の生命力と複雑に交ざった後に、また新たな魂となって地上に戻る事になるらしく、神の血が交ざった私の生命力は、普通の人間とは違うから、新たな魂に強く影響を及ぼすらしく、転生は諦める様にいわれた。


もし転生したら地上には異能者が、複数人生まれて、その魂が、その力で地上で悪さをすれば、地上は大変な事になってしまうからだ。

 

だから、私は地上を混乱させない為にも永遠に冥府で暮らさなければならないい。


でも私に取って冥府は地上よりも良い所だ。


鬼の皆さんは親切だし、お給料も沢山貰えるから、食べる事にも暮らしにも困らない。


地上の生活に比べてもまさに天国だった。


そして大好きなお母様とも一緒に暮らせる。


本来なら普通の人間のお母様は転生も出来るけど、私の側に居る為に転生を望まなかった。


そしてお母様と暮らす事をエンマ様が許してくれた。


だけど、こうして拐われてしまう私は不安になる。


私は、ただの冥府の従業員に過ぎない。いいえ元罪人でもある。


そんな私を危険を冒してまで助ける価値なんてきっとない。


見捨てられても仕方ない立場だから。


拐われてから、そんな風に悪い方にばかり考えてしまう…。


その時、突然、凄い音と共に部屋の戸が壊された。


そして部屋に入って来たのはエンラ様だった。


私の姿を見るなり優しく声を掛けたくれた。


「キャラさんご無事ですか!?」


私は、それが夢の様で上手く返事が出来ない。


「エ、エンラ様…」

(本当は無事です。助けに来てくれてありがとうございますってお礼が言いたいのに…)


「無事で安心しました。」


そんなダメな私にエンラ様は、気にする様子も無くいつもと変わらない態度で接してくれる。


わざわざ危険を顧みず私のなんかを助けに来てくれた。


それが私には本当に嬉しかった。

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