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神の娘  作者: アイ氏
248/269

247話

わたくしは必死で逃げます。


幸い、ここは氷の木が沢山生える森。


そっと陰に隠れれば、簡単には見つけられません。その隙に、わたくしは、けんちゃんを元の姿に戻します。


「錬成解除」


そうすると刀の姿から、子猫の姿に戻ります。


「にゃー!寒にやー!」


けんちゃんが猫の姿に戻るとや、防寒具を何も身に着けていないので、寒いと叫びます。


状況が状況だけに、わたくしは慌てます。


「ひぁ!けんちゃん、静かにして、今、凄く危険なんだから!」



そう言ってから、直ぐに、わたくしの身につけいた、外套の中に入れます。


外套から、けんちゃんは顔を出すと分けが変わらないって表情になります。


「にゃにゃ??」


わたくしは、けんちゃんに簡単に状況の説明をしましたよ。


「雪華って、神様に追われてるの…」


すると、わたくしの話を聞いて、けんちゃんが何が作戦を思い付いてくれましたよ。


「にゃ〜。それなら、あたいに良い考えがあるにゃ!」


そうして、けんちゃんは考えた作戦を、わたくしに話します。


「えー?!でも、あれはユジンが使ったらダメだって」


話を聞いて、わたくしは戸惑いますが、けんちゃんは強くその作戦を進めます。


「今は緊急事態だにゃ!今使うにゃ!いにゃ今使わなくていつそれを使うにゃ?」

そう言われ、わたくしも決めます。


「う〜ん。分かった」

そうして、けんちゃんは、寒いのを我慢して、外套から出で氷の木に登ります。


「にゃー。あたいが気をそらすから、その隙を狙うにゃ!主、準備はいい?」


「う、うん」


そうして、わたくしは大きく息を吸って大声でわざと叫びます。


「きゃー!転んじゃったー!」


その声に反応して、雪華がやって来ます!


そして、けんちゃん登った木の下を通った

時、けんちゃんが勢い良く、飛び出して来ましたよ。

流石、けんちゃん!昔、王宮で危険な獣さんをしていただけあります。


「にゃーー!!」


雪華の頭の上で爪を立てて離れません!


「なっ!!なんだこの猫はこのー!」


「にゃー!」


「止めて、えい!」

わたくしは、雪華に向かって、赤紫の竜宮石を投げましてよ。


なげっ竜宮石から、ムクロさんの『魅了香』の甘い香が漂います。

 

その香を嗅いだの動からなのか、動きがピタリと止まりましたよ。


けんちゃんが頭の上に乗っているので、なんかマヌケな姿ですが…。


「主。もう大丈夫かにゃ?」


「うん。多分だけど…」


そう答えると、けんちゃんは、頭の上から、わたくしの方に飛び着いて来ます。


「にゃー!寒かったにゃー」


飛び込んできた、けんちゃんを直ぐに外套に入れてから、わたくしは勇気を出して話し掛けます。


「あの!母様やユジン、エンラ様に掛けた呪術を直ぐに解いて下さい」


そうわたくしが言うと雪華は頭を下げて言います。


「はい。勿論です。直ぐに」

素直に解くと言ってくれた事に、わたくしは聞き間違いかと確認しましたよ。


「ふぇ??本当にいいの?」


「はい。直ぐに」


そう言うと、何かの呪文を唱えます。


「これで、解呪された筈です」


更には、次の命令まで聞いてきて、更にびっくりですよ!


「次のご命令は無いでしょうか?」


(でも、わたくし特にもうお願いは無いんですが…。あ!)


そこで、ダメ元で、そもそもの原因を解決するお願いをします。


「えっと…。あ、そうだ。氷姫様と仲良くして欲しいんだけど…」


「分かりました。本当?良かった!」


これでなんかもう全て解決ですかね?改めて、ムクロさんの神通力の凄さが分かりましたよ。


そして、遠くからユジンの声がします。


「姫様?!姫様、ご無事ですか?!」


「ユジン。わたくしはここだよ。ここ!!」


ユジンの声に答えて、わたくしが叫ぶユジンが凄い速さで走って、わたくしの所にやって来ましたよ。


そして、雪華の姿を見るなり、わたくしの前に立ち塞がり、刀を抜きます。


「お前は?!雪華!姫様。お下がりくだい!」


先ほどまで、敵対していたから仕方ありませんが、わたくしは安全であることをユジンに説明します。


「あー大丈夫だよ。ユジン。その……ごめん。ユジン。わたくしね。以前、竜宮で、ムクロさんに神通力を込めて貰った、竜宮石を使っちゃったの…」


勿論、何故こうなったのかを、説明する為には、約束を破った事も話さないといけません。


「なんですって?!それで?!」



「うん。取り敢えず、もう大丈夫だと思うから」


ユジンも雪華が大人しくしている、理由が分かったのか、刀を鞘に収めます。


「それで母様は?どこ?!無事なの?」


「エンラ様が救出に行かれました。ご安心くだい」


「そっか良かった〜」


きっとエンラ様なら、母様を助けてくれますよね。

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