245話
無事に呪術が解けて起き上がれば、そこは一面が氷の世界なので、今、自分が何処に居るか検討もつきません。
(万が一に備えて地獄から持ってきたものが役に立ちそうです)
私は懐から、それを取り出します。
『地獄のスズメ蜂の巣』
一見すると手のひらに乗る位の小さな巣だが、この巣は地獄のスズメ蜂の生息地と繋がっていて、召喚すれば何百匹ものスズメ蜂を呼び出す事が可能だ。
この巣から、スズメ蜂を呼び出す方法も実に簡単。
巣に震度と言う刺激を与えればいいだけのこと。
そうして、私は巣を氷の地面に叩きつけた。
すると巣から、何百匹ものスズメ蜂達が出できた。
地獄のスズメ蜂は、はっきり言って地上のスズメ蜂を模して父上が造ったが、はっきり言って、その大きさは断然、地獄のスズメ蜂の方が大きい。
その上、我々の言葉も理解出来る知能を持っている。
「ユジンさんとリアさんとセリさんを探して下さい」
私がそう言うと、蜂達は散り散りな飛んで行く。
暫くすると私の元に一匹のスズメ蜂が報告に戻ってきた。
スズメ蜂達は言葉を話す事は出来ないが、思念を送くる事によって蜂同士やまたは私とも意志の疎通ができる。
スズメ蜂達が目にした思念が、私の頭の中に流れ込んでくる。
その情報方によれば、ユジンさんとリアさんは、呪術に掛かり凍土で眠って居る。
セリさんは、氷姫さんを牢屋から解放して一緒に行動している様ですね。
先ずは、ユジンさんから助けに行きましょう。
ユジンさんに目覚めさせて、セリさんの所に向かって貰い、それから私がリアさんを助けに行く事にしましょう。
そう決めてから、私はスズメ蜂に命令を出す。
「ユジンさんの所に案内てください」
私がスズメ蜂に、そう命じるとスズメ蜂は再び私が着いて行ける速さで飛んで案内をする。
そうしてユジンが眠って居る場所に着いた。
どうやら悪夢を見ているのか、ユジンさんは、うなされていた。
そして私は、ユジンさんを起こすべく、ユジンさんの胸ぐらを摑むみユジンさんの上半身を持ち上げた。
「すみません。ユジンさん」
そう先にユジンさんに謝ってから、私はユジンさんの頬を思いっきり平手打ちする。
しかし一回では残念ながら目覚めてもらえず、仕方ないので更に数回に渡り頬を叩いた。
そうすると流石にユジンも声を上げて目覚めてくれた。
「痛い!!」
呪術が解けて意識が覚醒したと思い、私は、ユジンさんに話しかける。
「ユジンさん。目覚めましたか?」
「こ、ここは…」
だけど、返って来た答えは余りにも寝ぼけていた。
(まだ完全に意識が回復して居ないのか、ユジンさんには何が起こったか、良く認識出来て居ない様ですね)
緊急事態なので、ユジンに完全にに目覚め貰うべく頬を叩こうと構えたら、そこでユジンさんが慌てて言葉を放ちます。
「エ、エンラ様!!待って下さい。目覚めました!!起きてます!」
そう言われたので、私は叩こうとしていた手を寸前で止めて、ユジンさんを放した。
「無事に目覚め呪術から抜け出せたのならなによりです。では改めて今の状況を軽く説明しますね」
そう言って、私はユジンさんにスズメ蜂から得た情報を説明します。
「そうですか…。分かりました。今、直ぐに姫様の元に参ります」
「はい。よろしくお願いします。ユジンさん」
ユジンさんは情報を把握すると、直ぐにセリさんの元に向かってくれた。
◇◇◇
さて、わたくしは氷姫様を牢から解き放ち一緒に行動する事になりましたよ。
氷姫様曰く、わたくしがこの場で雪華の呪術を解けないならば、皆を助けるためには、雪華の呪術を起こなって居る現場に行って呪術を解くしかないとの事です。
だから、わたくしは、今、氷姫様と共に呪術者の元に向かって歩いてます。
そこは氷の様な木で覆われた森の中だったのです。
わたくしは正直、何処かの宮殿にでも行くのかと思っていたので、ちょっとびっくりしましたよ。
氷の森はちょっと険しい道のりですが、皆を助ける為に行くしかないですね。
お読み頂きありがとうございました。
先週は、突然、仕事が入って更新出来なくて申し訳ありません。
働かないと生活出来ないので、どうしても、仕事優先になってしまいますが、小説の更新もなるべく頑張ります。
よろしくお願いします。