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神の娘  作者: アイ氏
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243話

 八寒地獄に繋がるという大きな門の前に、やって来ましたよ。


エンラ様が、手形の様な物を門の扉に押し当てると門が開きます。


門の向こう側は一面に広がる真っ白な氷の世界です。


その光景は正に別の世界で、わたくしはビックリしてしまいましたよ。


そして、わたくし達が門を通り終わると同時に自然に門が閉じます。


「ふぁ!門が!?」


わたくしが振り返って驚くとエンラ様が、声を掛けてくれます。


「セリさん。大丈夫です。ハ寒地獄も罪を犯した人間の刑場ですので自動で門が閉じる仕様なのです。私達が帰る時には、また、この手形を使えば再び門は開きます」


「そうなんですね。良かった」


そうして八寒地獄に入り、わたくしは、エンラ様に聞きます。


「あ?!それでエンラ様、ここで『慈雨』を撃てばいいんですか?」



八寒に入って直ぐにって約束ですし、もうここで撃って、わたくしは目立たずに終わりにしたいのですが…。


ですが目立ちたく無い、わたくしの心を察した様に残念な返事が返って来ます。


「いえ。八寒地獄の集落に入ってからお願いします」

(そう言われれば、わたくし何も言えません)


「あ…。はい。分かりました」


そうして真っ白な道を、どんどんと進みますが途中で何故か皆の動きが急に止まります。


わたくしは、その不自然な動きに不安を感じて皆の様子を見ながら声を掛けます。


「急に止まってどうしたの?大丈夫?」


そう呼び掛けると、エンラ様も、ユジンも、母様も、不思議そうな表情になり返事が帰って来ます


「えっ?何の事ですか?」


「姫様?どうしました?もしやお疲れですか?!」


「セリ?私達は普通に歩いているわよ?」


「ふぁ。気のせいかな?ごめんなさい。変な事を言って…」


「ううん。大丈夫だよ。セリ疲れてるなら、ちゃんと言うのよ」


だけど、わたくしがこの時に感じた違和感は気のせいではなかったのです。


そして氷の道を進めば進む程に雪が、沢山降り視界が悪くなってしまいます。



そして余りの視界の悪さに、わたくしが一瞬目を閉じて、皆から目を放した瞬間の出来事でした。


周りには誰も居なくなっていたのです!


わたくしは置いて行かれたと思って慌て周囲を見渡し叫びます!


「エンラ様!ユジン!母様!何処?!何処に居るのー!」


どんなに呼んでも、誰も見当たらないし、返事もありません。


そして、わたくしの声に返事をしたのは、以外にも動く牢屋に入れられた氷姫様です!


「おい!小娘!いくら叫んでも無駄ぞ!あ奴らは、恐らく呪術に掛けられたのだ。今頃は、八寒の何処で悪夢を見ながら眠って居るであろうからな」


「呪術?!しかも、こんな寒い場所で眠ってるんですかー?!」


「そうだ。この私を裏切った雪華(せっか)の、お得意技よ!本来は、この八寒に送られて来た人間共に掛ける呪術だがな!冥府の役人共も、それ位は当然、分かっていたであろうが自分達の力に過信して嘗めて掛かるから、足下を掬われるるのだ」


「そうなんですか?!」


「ああ。そう言う事だろう。私を売って雪華と組む予定だったのだろうからな。愚かな事よ。まんまと雪華に一杯食わされたのだ」


つまり、雪華って神様も、冥府と仲良くするつもりは無いって事ですね。


「そんな?!」


「だか小娘。お前は何故ここにいる?何故、お前は呪術に掛からなかった?!正直、驚いたぞ」


突然、わたくしの事に話が変わったので、わたくしは、ちょっと戸惑いましたよ。


そして思い当たる事を話します。


「えっと…。それはですね。多分わたくしには浄化の力と、後は解呪の力があるらしいんですよね」


「『あるらしい?』とは、どう言う事だ?!」


「なんて言うか無自覚なんです。わたくし的には力を使っている意識か無くて。でも最近は浄化の力は自在に使える様になったんですよ」


ええ。そこは、わたくし自信を持って言えますよ。


だけど氷姫様は手厳し指摘をします。


「ほう。自分の神通力も、まともに操れぬとはな。情けない事だ」


(ウウッ。そんなにハッキリ言わなくても…。わたくしだって自在に使える様に頑張ってるのに…)


だけど、氷姫様が言った事は真実なので、何も言えません。


だから、わたくしは話を変える事にしましたよ。


「あの、それで、どうしたら良いですか?皆を助けるには?!」


「うむ。…そうだな。私に協力するのなら助けてやろう。先ずは私をここら出せ」


「えっ?協力ですか?!そ、それは…」


まあ、予想は付きましたが、やはり牢屋から出る事を望みましたね。


でも牢屋に入ったままでは、何も出来ないのも事実です。


だから、わたくしは氷姫様を牢から出す事にしましたよ。


幸い牢屋は鍵では無くて呪術で封印されているらしく、呪術を解く力がある、わたくしなら開けられます。


「分かりました。その代わり、絶対に皆を助けて下さいね」


そうして、わたくしは氷姫様の牢の封印を解きます。


封印が解けて牢が開き氷姫様が外に出ましたよ。


ちょっと心配ですが皆を助ける為に、ここは氷姫様が協力してくれる事を信じるしか無いですよね…。

今週もお読み頂きありがとうございました。


今日は、お出掛けの予定があって、本当は連載を休む予定でしたが、先週、告知を忘れていて、出先で必死に書きましたw


広告下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして応援いただけると書くモチベーションに繋がります。


よろしくお願い致します。

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