240話
私が席に付くなり、氷姫さんは今回の冥府への訪問の理由を話出します。
「単刀直入に言おう。冥界の浄化を大々的にやるそうだな?その浄化、我が八寒からやって貰いたい」
「………」
(本来なら、腹の探り合いが初じまってもおかしくは無い状況なのですが…)
氷姫さんの性格では無理と言う事でしょう。
「何故答えぬ?!」
「既に、浄化の予定場所は決まっています。申し訳ありませんが、変更は出来ません…」
「我が八寒地獄は、穢によって住む者達が蝕むまれている…!そもそもこの冥界に穢を持ち込んだのはお前の父親が冥界に乗り込んで来て勝手に統治神を人間の魂を受け入れたからだ!ならば、その責任を取り速やかに八寒を浄化するのが当前であろう!」
「八寒地獄の状態に付いては私も把握しています。
浄化をしないとは言っていません。冥界は、何処も、穢が溜まっているのは一緒です。そして一番、重要な場所から浄化作業をします。八寒地獄の浄化が目的ですか?それでウチの従業員を拐いましたか?一応は言って起きますが、従業員を拐って脅してても無駄です。順番は変わりません!速やかに拐った従業員の返還願います」
「従業員を拐う?何の事だ!まあそんな事はどうでも良い!直ぐに浄化が出来ぬと言うなら力ずくで言う事をきかせるまでだ!」
そう言うと刀を私に向けて来た。
(…やれやれ本当に困った方ですね)
その騒ぎに気が付いた、鬼達も混ざり部屋は乱闘場になってしまった。
◇◇
わたくしの部屋に戻り中に入ろうとした時、少し離れた場所から『ガシャン!』って凄い物音がしましたよ!
わたくしもユジンも咄嗟にに音のした方を向きます。
「ユジン?!凄い音がした。絶対に何かあったよね?」
「はい。凄い物音が聞こえました…」
わたくしとユジンが廊下で話して居ると、部屋の扉が開き、母様が部屋から出てきましたよ。
「まあ!セリ。廊下に居たの?物音がして目覚めたら姿が見えないから心配したのよ?」
「ふぁ!母様!?起きてたの?」
「ええ。今、大きな音が聞こえてから目が覚めてしまって…。そしてら隣に寝て居た筈の貴方の姿も見えないから、もしかして、さっきの音は、セリに何か合ったのかと思って慌てて飛び起きたのよ」
「勝手に部屋を出でごめんなさい。でもね今の物音は、わたくしじゃないよ。わたくしちょっと目が覚めちゃって、ユジンとお散歩してたの」
その前にも色々と騒ぎが合たから、抜けて出したなんて心配掛けるから言えません。
「そうだったの」
「うん。それでね。凄い物音がしたから、今ユジンと何だろうねって話して、見に行こうと思ったの!」
「そう言う事なら、私も一緒に行くわ!気になるしね!」
「うん。そうですよね。気になりますよね!行きましょう。母様!」
わたくしの性格は、もしかしたら、母様に似たのかも知れません。
わたくしと、母様が手を繋いで歩き初めてると、ユジンが慌てます。
「お、お待ち下さい!」
「ふふふ。ユジンも早くおいで」
わたくしと母様がユジンの静止も無視して物音がした方に歩き出したので、ユジンは止めるのを諦めてくれましたよ。
「はぁー。分かりました。でしたら、私が先に行きます。私の後に着いて来て下さい」
物音がした部屋には、鬼さん達も集まっています。
そして金属が打つかり合う音が聞こえてきます。
部屋の中では男装の麗人みたい方が刀を振るって暴れいます。
(いや〜戦っている姿がカッコいいですね)
あれが八寒地獄の長神の氷姫様って方でしょうか?
エンラ様を守る様に、鬼さん達が立ち塞がりますが、残念ながら防戦一方です!
とにかく相手が強い!強いですよ!
そんな状況に、ユジンが前に進み出で行きます。
「皆、下がれ!」
ユジンが、そう言った次の瞬間には黒い炎を放ちます!
ユジンの黒い炎が、氷姫さんを囲む様に立ち昇り動きを止めます。
「くっ!地獄の炎か!小癪な!」
更に、ユジンの黒い炎は、氷姫様の刀を焼き刃は炎の熱で溶けて折れてしまいます!
そしてユジンは神器を抜き氷姫様の首元に突き付けます。
「どうやら勝負あった様ですね。どんな理由があるかは知りませんが冥府に弓引く事は、私が許しません!」
(ユジン。カッコいいですよ)
それにしても色々と大変な事が起きてしまいましたよ!