236話
ユジンの驚きの告白で、母様が、ユジンに、なんて思うか、とても気になります。
(母様。ユジンの事を嫌いになっちゃうかな?)
わたくしの心配を他所に、母様はニコニコ笑顔で返します。
「まぁ。そうでしたか?貴方が。私の故国をいえ。継母と、弟をやっけて故国を救ってくれたんですね。ありがとうございます!改めてお礼を申し上げますわ。それに、私の死後、セリを救って下さって本当にありがとうございます」
そう言って頭を下げます。
更にユジンも、お礼を言われて照れているのかとはちょっと焦った、様に言います。
「い、いえ。陛下の命令でしたし、私は将軍として、当たり前の事をしたまでです」
う〜ん。赤ちゃんだった、わたくし。父様達が攻めてきて、正直怖い思いをしたのですが…。
そう考えると、ちょっとわたくしの方が複雑な気分ですよ。
更に母様は、故国の事が気になるのか、色々とユジンにその後の事を尋ねます。
ユジンも色々と母様の国の事を話して中々会話が盛りがってますね。
わたくしは、ちょっとのけ者にされて退屈ですよ。
母様とユジンが、わたくしの相手をしてくれなくて、退屈していたら、わたくしに話し掛け来た人が居ます。
「セリさん。お久しぶりです。疫病に罹ったて聞いていましたが、その後のお加減はいかがですか?」
「キャラさん!!」
それは四星に取り憑かれて亡くなったキャラさんだったのです。
わたくしは、ここで再び会えて嬉しかったですよ。それに、どうして、わたくしが病気になった事を知っているんでしょうか?
「うん。元気だよ。でもどうして、わたくしが病気になったて知っているの?」
「はい。エンマ様から天国の桃を沢山収穫して、セリさんに送るって話を伺いまして、私もお手伝いしましたので。けれどまさか、こうして再び会えるとは、思いませんでしたけど、元気な顔が見れて良かった」
ふぁ!まさかキャラさんにも迷惑を掛けていたなんて驚きですね!
「そうだったですね!まさかキャラさんにまで迷惑を掛けていたなんて…。わたくし、びっくりですよ」
「いいえ。少しでもセリさんの病気を治すお手伝いが出来たのなら、嬉しいです」
そう笑顔で言われて、わたくし達が桃を食べるのに大変苦労したとは言えません。
わたくしは、余り桃の事を聞かれたくないので、急いで話題を変えます。
「わたくしも、キャラさんの事が気になってたの。ここで会えて良かった。地獄に落ちるって聞いていたから、辛い思いをしてるんじゃないかって…心配で…」
「あの後、冥府に着いて、すぐに裁判を受けました。そして地獄に送られたんですけど…」
「けど…」
「ふふふ。地獄で待っていたのは、鬼さんからのお説教とハリセンで少し叩かれただけだったんですよ」
「えー!!」
その話には、わたくしもびっくりですよ。
そんな地獄が有るんでかー?
「私、きっと痛い思いをするものと思っていて。覚悟していたとは言え正直、怖かったんですけど…。実在には想像と違って居たので拍子抜けしました」
そう笑顔で話してくれたので、わたくしも安心しましたよ。
そうすると、いつの間にか横に居たエンラ様がキャラさんの事を教えてくれます。
「キャラさんの場合は、本人の反省と、周りの環境の悪さ等、情状酌量の余地が在りましたから。地獄の中でも最も軽く地獄に落ちて頂きました」
「そうなですね。それならあの時に教えてくれれば良かったのに。わたくしあの時は本当に辛かったんですよ」
「申し訳ありません。ですが判決を決めるのは、父ですから、まだ裁判も開いていない段階で、適当な事を私の口から言えません。それにキャラさんの落ちた地獄は『分別苦処』と言う地獄で、等活地獄で一番優しい地獄ですが、本来は殴られ蹴られ説教なのですが、一応そこは配慮しました。今は罪を償い終わったので、普通の人間なら転生なのですが、キャラさんの魂は、普通の人間の魂よりも強いんです。そんな魂が天界で混ざり、再び地上に生まれて変わると、色々と地上の影響が有りますから、天国で暮らして頂いてます。そして冥府の職員として働いて頂いてます」
(あー!やっぱり働かせてたんですね!)
「はい。天国では、母と一緒に暮らせますし、皆さんに良くして頂いて仕事も楽しいんで、毎日が充実してます」
「へぇ~。それなら良かった」
まぁ本人が幸せならそれが一番ですよ。わたくしがキャラさん達と話して入れば、また、わたくしに話掛けてくれる方がいます。
「あ!セリ様ニャロメ」
「こんばんはですニャロメ〜」
「ふぁ!縞獅子さん、玉ちゃん!ユキちゃん!」
「であります!」
(3匹のモフモフにに癒されますね〜)
今度は、火車族の縞獅子さんと玉ちゃん、そして誰もいなくなったユキちゃんが、わたくしの所に来てくれましたよ。
考えてみると、以外と冥界には知り合いが居たんですね。
皆さんに、また再び会えて本当に良かったですよ。