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神の娘  作者: アイ氏
234/269

233話

 朝食も食べていよいよ冥界へ出発ですよ。

 

竜宮の屋敷を出て、冥界へと繋がる門まで舟で移動です。


ムクロさん達も、一緒に冥界に行くので、今回は3隻の船で移動ですよ。


冥界に繋がる門が有る島に着くと、既に門は開いた状態です。


わたくし達は船から下りて門の前に来ます。


前に冥界に行った時は、真っ暗でしたが今回は明るいですね。


はっきりと道が見えます。


ただ、その灯りは、何と火が浮遊して灯されているから、わたくしびっくりしましたよ。


でも怪談の本に出てくる人魂の様で少し不気味ですねとは言えません!


「明かりが付いてるんですね?」


「はい。冥界の者は、夜目が聞くので、暗くても問題ありませんが、セリさんには、暗いでしょうから、ご用意致しました」


「わたくしの為に?ありがとうございます」


エンラ様と話ていたら、ムクロさんが、この灯りの趣向を気に入ったのか、眺めています。


「鬼火とは、なかなか良い趣向じゃな」


人魂では無くて鬼火なんですね…。


そうして、鬼火を見て居ると、ユジンが話掛けて来ます。


「姫様。ここでずっと話して居ても仕方ありません。出発しましょう」


「あ、うん。そうだよね。ユジン」


わたくしは振り返って、父様に別れを告げます。


「じゃあ。父様。いってくるね」


「うん。気を付け…。寂しいくなったら、いつでも帰っておいで、待ってるから…」


(…わたくしは大丈夫なんですけどね)


まぁ一応、返事をしておきましょうかね!


「は〜い。じゃあ。いって来ます」


わたくし達が門へ入ると少ししてから門が閉じてしまいます。


歩き初めれば、あいかわらず、ユジンが心配して来ます。


「姫様。下り坂ですから、足元に気を付けて、歩き疲れたら無理せずに直ぐに私に言って下さい」


「うん。ありがとう。ユジン」


そうして長い坂道を下って行くと、光る宮殿が見えて来ます。


宮殿の入口の門の前にには、沢山の方が待っていてお出迎えをしてくれている様にですよ。


(皆さん仕事は大丈夫何ですかね?)



そのお出迎えの中から綺麗な女の人が走って、こちらにやって来ると、突然わたくしを抱きしめてます。


「セリ。会いたかったわ」


「え?あの…」


「こちらは、リアさんです。セリさんのお母様です」


わたくしが、抱きしめられて戸惑っていたら、そうエンラ様が教えてくれます。


「ふぁー!母様…?!本当に!?母様なの?!」


「ええ。そうよ。あんなに小さな赤ちゃんだったのに、本当に大きくなって…」


そう言って、更に、わたくしを強く抱きしめます。


わたくしを一番に抱きしめてくれた母様の温もりと共に会えた実感が湧きます。


「ふぇ〜。母様…。会いたかったですよ〜」


わたくし、もう嬉しくて泣いてしまいましたよ。


それからずっと泣いてしまい、恥ずかしいながら、その後は泣きながら部屋に移動します。


案内された部屋では、皆さんが席を外してくれて母様と2人っきりです。


そしてようやく落ち着きましたよ。


そんな、わたくしの様子を母様は気遣ってくれます。


「セリ。目が赤いわ。痛くない?大丈夫かしら?」


母様の手は温かくて、優しいくて何だか懐かし感じがして落ち着きますね。


「うん。大丈夫。母様だって目が赤いですよ。ちょっと泣き過ぎちゃっいましたね」


「ふふふ。そうね。お互い様ね」


お互い、笑って話して居ると、けんちゃんがカゴから出て来て話し掛けて来ます。


「主。良かったにゃ〜」


母様は、けんちゃんに驚います。


「まぁ!?猫が喋るのね…」


「違うにゃ!あたいは神器にゃ!」


けんちゃんは、ただの猫ちゃん呼ばわりすると怒るんですよね〜。


「え!?それは何かしら?」

 

母様に思ってもみない質問を受けて、わたくし困ってしまいましたよ。


「えっと。何ていうか…そう!わたくしの大事なお友達!うん相棒なんだよ」


ええ。もうこれしか説明できません。 


(分かり辛らくて、ごめんなさい。母様)


そこへ、ちょうど良くエンラ様がお茶を運んで来てくれましたよ。


「失礼します。お茶を、お持ちしました」


そうすると母様は慌てて、エンラ様にお礼を言います。


「まぁ。申し訳ありませんわ。言ってくだされば、私が運んだのに」


「いえ。大丈夫です。これも私の仕事内ですので。そして、セリさんには早速で申し訳ありませんが、これからの事を説明致します」


「はい」


「今日はらセリさんも移動で、お疲れでしょうから冥府の宮殿にリアさんやユジンさんと泊まって頂きます。そして明日からは、先ずは冥府の浄化作業をの願いします。それが終わりましたら天国、次に地獄の順番で浄化作業をお願いします」


「はい。分かりました」


「また冥界総合案内役は私ですので、浄化作業中は、ユジンさん共に、セリさんにご一緒致します。ただ地獄は色々と危険も多いので、一応念の為に括部署の者が交代で案内しますので、よろしくお願いします」


「ふぁ!そうなんですね。エンラ様はお仕事は大丈夫何ですか?!」


「はい。問題ありません。仕事は調整済みです。

また、せっかく冥界に来て頂いたので、冥界のあちらこちら観光もと考えています。そちらも楽しみにしていて下さい。これが、その予定表です!」


渡された観光予定の書かれた書類には、かなり綿密な予定が書かれています。


その予定の多さに、わたくしは体力が持つか不安ですよ…。



「それから、セリさんの神器、賢妙連さんには、変申し訳ありませんが、自由に出歩くのを禁止させて頂きます。冥府も地獄も危険な場所ですから」


「あ、はい。分かりました…」


わたくしは、了承しますが、いつも自由に歩いて居る、けんちゃんは抵抗します。


「にゃ?嫌にゃ!あたいは自由がいいにゃ!」

そう抗議しますが、エンラ様は聞き入れてくれません。


「ダメです。申し訳ありませが、カゴに入って頂きます」


そう言って、エンラ様が、けんちゃんを入れて来たカゴの蓋を開けると、何とけんちゃんが吸い込まれたのです。


「ふにゃー!!出られないにゃ!にゃー!」


「このカゴには、父の呪術が仕込んて有りまして、閉じ込める事が出来るんです。一応、神器は生き物の姿をしていると、自由に出歩く事が多いので、神器の安全を考慮して作ったのです」


「ふぁ!そうだったですね~」


ただの贈り物では無かったんですね…。今日の為に作ったのだとしたら、かなり用意周到ですね~。


こうして、けんちゃんはカゴに閉じ込められてしまったのです。


いや〜。母様に会えたのは嬉しいですが、なんだか大変な事を引き受けてしまいましたよ。





今週もありがとうございました。


また来週の更新予定です。


よろしくお願い致します。

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