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神の娘  作者: アイ氏
232/269

231話

元の時代に無事に帰れましたが、わたくしが飛ばられた時とは、どこか状況が違いますよ。


まず白梅さんの姿を無くて、父様もユジンも、わたくしが飛ばられ前は、慌ててましたが、今は静かにわたくしの側に立ています。


そんな変化に戸惑っていたら、父様が心配して話し掛けて来ます。


「セリ。どうしたの?疲れた?」


その声に気が付いて、慌てて返事をします。


「え?あ!大丈夫だよ?」


咄嗟にそう答えたら、心配性のユジンも、わたくしの様子を気遣ってくれます。


「姫様。ぼっとして、どうされたのです?お加減が悪いなら、ムクロの薬取りに等、これ以上、付き合う必要はありません!直ぐにお部屋で休んだ方が…」


ユジンは、そう言って、わたくしを部屋に強制連行しそうな感じです。


「大丈夫だって!ユジンは心配性なんだから!」


どうやら、わたくしが、ムクロさんと一緒に薬草を取りに来たのは変わって無いようです。


大きな木を前に、ムクロさんと配下の方が木から薬を取っています。


木に鉄製の筒を挿して、その筒から透明の水が勢い良く溢れて来てます。


更に木からは父様の造った植物らしく、不気味な悲鳴の上がっているので、ちょっと怖いですよ。


だから、わたくしは薬取りは、ムクロさん達にお任せして見学しています。


すると近くにやって来たエンラ様に質問します。


「あ!そういえばエンラ様は、どうしてここに?!」


わたくしが過去に飛ばされる原因の1人である、エンラ様はどうして竜宮に来ていたのでしょうか?



「はい。セリさん。冥界でセリさんをお迎えする準備が整いましたので、本日はそれを伝えに来たら、こちらに皆さん居ると伺ったので」


その話しから白梅さんが起こした、わたくしの拉致事件は起こって無くて、皆で薬を取りに来ていたのだと理解しましたよ。


そして小さな梅の木だった白梅さんの姿も見当たりませんので、わたくしは気になり父様に聞きます。


「あの、父様…白梅さんはどうしたの?」


そう尋ねると、父様は不思議な顔して聞き返してきましたよ。


「白梅って梅の木の白梅?」


「うん。その白梅さんだよ。竜宮に居るの?何処にいるの?」


「白梅なら、あそこに居るけど」


父様が指を差した先には、日月星様の庭で見た、立派な梅の木があります。


「え??これが白梅さん?!あの白梅さんは、なんて言うか、もっと小さな梅木でしょう?」


そんな話しを、わたくしと父様がして居たら白梅さんが人の姿になって、わたくし達の方に話し掛けてきましたよ。


「失礼ね。私は元からりっぱな梅の木よ!」


(ふぁ!白梅さん、地獄耳ですね)


白梅さんが姿を現してくれたので、わたくしは白梅さんに、まだ日月星様の復讐をしたいのか聞きます。


「ふぁ!白梅さん!また会えて良かった!あの日月星様の復讐はまだやる気なんですか…?日月星様は、その…」


 なんと無く聞き辛く言葉を濁しながら聞きますが、白梅さんから返って来たのは、以外な答えです。


「日月星。懐かし名前だわ。残念だけど、私があの男の為に復讐なんて、ごめんだわ。何も言わず1人で何処かに消えた男なんて知らないわよ」


そう白けた様に答えます。


「え??そうなの??」


わたくしは、白梅さんの変わりっぷりにびっくりしましたよ!


その時、突然、父様がわたくしを抱っこします!


「セリ。ちょっと部屋で僕と話そうか?」


そう言って強引に、わたくしを連れて温室を出ます。


「えー?ちょっと待って父様!急にどうしたの?!」


そして、わたくしの部屋に着くなり父様は日月星様の事に付いて質問して来ます。


「セリ。何故、君が日月星の事を知っている?」


父様に問い詰められて、仕方なく、わたくしは過去に行った事を話します。


(今なら大丈夫ですよね)


わたくしの突拍子もない話しを、父様は信じてくれましたよ。


「成程ね。セリが過去の世界に行って。更にセリの知っている過去と今が変わっているか…。セリの話しを聞く限り、恐らく過去の改変には『時の神』が関わっているんだろうね」


「ふぇ??時の神様?わたくしが過去に飛ばされたのは、白梅さんとエンラ様の呪術が原因じゃ無いの?」


「あのね。2人が協力して何かの呪術をやっても、あの2人にそんな力は無いよ。恐らくセリを過去に連れていったのは『時の神』。僕も会った事も無いし、噂で聞いだけだけだけど、『時の神』には過去や未来を変える力があるらしい」


「ふぁー!そんな凄い神様が居るんだ!びっくりですよ!」


「それにね。セリの話しを聞いて僕も昔を少し思い出したよ」


「確かに過去にセリと会っているね。この竜宮で…。最も、その時はセリは生まれても居なかったし、僕の未来の娘なんて想像も付かなかったけど。セリの姿を見たアシアが、僕に似ているから、僕の子供か?って冬厳を通じて言われた時は、『は?』って思ったけど、まさか本当に娘だったとはね。」


父様はそう言って昔を思い出しています。


わたくしは、そんな事よりも日月星様の事が気になって父様に聞きます。


「………それで、日月星様が消えたって、日月星様を消したのは父様なの?」


それがわたくしの知る過去だから、気になって尋ねるます。


「いや、僕は残念ながら奴を仕留めてない。白梅も言っていたけど、ある日、突然消えて消息不明になったんだ」


「本当に?」


「うん。最も日月星が消えても『四星』や日月星の配下の妖獣とかが、地上で暴れ回っていて、僕は、それに対処する為にずっと地上にいる」


「そっか〜。そこは変わって無いんだね」


「後、白梅さんは何であんなに大きな木なの?」


「う〜ん。そう言われてもな…。どういう状況で白梅が小さな木になったかは分からないけど、日月星が消えた後、日月星の配下は、地上に散り散りなって、去った。

だけど白梅だけは、木だから、自力では移動出来ずに、地上の日月星の屋敷に居た。そのうち廃れた屋敷の跡地に人間が住み着いて、白梅が切られそうになったのを僕が助けたんだ。そして地上は危険だから、竜宮に住むんで貰ったの。だから、ここに白梅が居るんだよ」


「ふぁ!そうだったですね。白梅さんが無事で良かったですよ」


「それにしても、セリの話しから推測するに日月星が未来に行ったかも知れないって?」


「え?あ!うん。そんな事を言ってかな?でもね日月星様は悪い神様じゃ無いと思うの!だから、もし未来でまた会えるなら皆とも仲良くして欲しいですよ」


「セリ。馬鹿な事を言うものじゃ無いよ。日月星が、いい神な訳は無いだろう?また現れたら今度こそ僕の手で終わりにするよ」



「ふぁ!!父様。ダメですよ!そんな事だから父様は暴君って皆に言われて恐れられるんですよ!わたくし娘として、父様が悪く言われたら悲しいですよ」


そう言って、父様を止めますが、父様は『あっけらかん』として答えます。


「暴君?そんな事、今でも言われるよ。まぁどうでも良いけど…」


「ふぁー?そうなんですかー??なんでですかー?!」


(日月星様がせっかく過去を変えてくれたのに、父様は何をやってたんですかね?日月星様の気遣いが水の泡ですよ。う〜ん。結局、父様と日月星様の戦いは先送りになっただけでなんですかね?)


でも、もし日月星様に会えたら、今度こそ、わたくし、父様と和解して貰う為にがんばりますよ!


今週もありがとうございました。


過去改変編が随分と長くなってしましましたが、次からは冥界編です。


来週も日曜日の夜9時に更新予定です。


よろしくお願い致します。

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