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神の娘  作者: アイ氏
231/269

230話

 

呪術を起なう部屋に案内されます。


そこは、家具も何にも無い殺風景な広い部屋です。


「ここで呪術を掛けるんですか?」


そう尋ねると、日月星様は答えます。


「そうです。何も無い部屋で不振に思うのは分かるが、未来へは絶対に帰れます。私を信じて欲しい」


何も無い部屋なので、驚ましたが日月星様が自信を持って言うなら大丈夫ですよね?


「はい。よろしくお願いします」


「それから、これは私からの餞別だな。武器は必要無いと言っていたが、是非、セリ殿に受取って欲しいのだが…」


そう言うと、日月星様は、懐から、短刀を取り出して、わたくしに渡してきましたよ。


「短刀ですか??」


「そう。ただし刃は無いから切ったりは出来ない。これなら持ち歩いても安心であろう?

あれから私なりに色々と考えた。そして、これ物体造化で造った。この短刀は私の神器を模した物で、邪気を吸って、それを神通力に変える機能がある。セリ殿なら、私と違い浄化の力がある。この短刀を正しく使いこなす事が出来ると思うのだ。そして、この刀があれば簡単に神通力の回復をはかれる」


その説明を受けて、わたくしは驚きます。


「ふぁ!それは凄いですよ!」


そんな凄い刀なら、わたくし是非、貰いたいですね。


「こんな凄い短刀を、わたくしが貰っても良いんですか?」


「勿論だ。セリ殿に差し上げる為に造ったのだから」


そう言って、わたくしのに手に短刀を持たせてくれます。


わたくしは、それを受け取ってお礼を言います。


「ありがとうございます。大事にしますね」


そう答えると、日月星様は、嬉しそうに笑って頷きます。


(この刀があれば、桃と沢山食べなくて済むかも知れませんね。

それに桃は入手が大変ですし)



更に、日月星様の話しは続きます。


「そして、セリ殿が無事に未来へ戻ったならば、未来の世界は、セリ殿の知っていると過去とはきっと変わっているだろ」


そう言われ、わたくしは理解が追いつきません。


「ふぇ??それはどういう事ですか?」


わたくしが尋ねると日月星様は、飛んでも無い事を言います。


「未来は変わったのだ。いや私が変えたのだ!」


「え??それはダメって、確か言いませんでしたか?!」


そう言うと日月星様はクスって笑で答えます。


「セリ殿は、未来から来た者だ。セリ殿が過去を変えるのはおかしな話しだろう。だが私は今を、この時代を生きる者。

今の私の行動が未来へと繋がる、何も問題は無いはずだ。だから私はセト殿に倒される未来はもう無くなった。元の時代に帰ったら、セト殿に対する評判も、きっと変わっているだろう。セリ殿も少しは心が軽くなるのではないかな?」


確かに、日月星様が父様に消滅させられる未来は、わたくしの望むところでは無いので、本当に変わったのなら、とても嬉しいですよ。


だけど、わたくしが、ここ最近ずっと悩んでいた事が、こんなにあっさりと解決するとは、本当にびっくりですね!


「本当?!それはつまり日月星様は父様と和解するって事ですよね?」


そう尋ねるると、日月星様は困った様に答えます。


「いや。残念ながら和解では無い」


「え?じゃあどうするの?」


「……私は私に呪術を掛けて、この時代から消える事にした」


「え?!それってどういう事ですか?!あっ!もしかして、わたくしに掛けた呪術の様に未来に行くとか?」


そう聞くと、曖昧な返事が返ってきます。

 

「まぁ。そんな所だな。そして未来の世界で狂っていた頃の私が放ってしまった呪術『四星』消したいと思う。私の勝手な頼みとと重々承知しているが、セリ殿。私に力を貸して貰えないだろうか?」


緊張した様子で、そう言うので、わたくしは笑顔で答えます。


「勿論ですよ///喜んで協力しますよ。いつでも訪ねて来て下さいね。だって、その、わたくしと日月星様は、なんて言うか、そう、お友達ですから!お友達、同士、助け合うのは当たり前ですよ」


日月星様が強いのは知っていますが、それでも『四星』を完全に消せるか分かりません。

あの父様にも消しないのですから。


だけど、わたくしには、その力があるので無理な時は頼りにして欲しいと思い、その気持を伝えます。


日月星様が余りにも遠慮がちに言うので、もっと気楽に助ける合う関係でいたいと思って勢いでお友達とか言ってしまいましたが失礼でしたかね?


「ははは。友達か。セリ殿が友なってくれるとは、ありがたい。ならばこれからは友として、よろしく頼む」


「はい。わたくしの方こそよろしくお願いしますね」

 

そう笑って言ってくれたので、わたくしもホッとしましたよ。


「では、暫しの別れだ。セリ殿。また必ず未来で会おう」


「はい。日月星様。色々とありがとうございました。また会える日を楽しみにしていますね」


そう別れ言うと、突然、わたくしの周りが光り初めます。 

 

それは、わたくしが、この時代に飛ばされて時の様な現象です。

   

そして真っ白な光が、わたくしを完全に包み込み、気が付けば、そこは竜宮の温室だったのです。


周りを『キョロキョロ』と見て確認すれば、わたくしの目の前には父様が居て、ユジンが居て、エンラ様がいます。



その光景に、わたくしは無事に未来に戻ってこれた実感が湧いたのです。

今週もありがとうございました。また来週更新予定です。


あと26日の夜9時から、エッセイ『万年悪戦苦闘』更新致します。


マニアックネタですが、読んで頂ければ嬉しいです。


また来週もよろしくお願い致します。

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