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神の娘  作者: アイ氏
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229話

セリ殿が竜宮から帰って来て、数日が立ったが特に何の動きも無い。


はっきり言ってセト殿には、このまま静かにしていて貰いたいし。


七星には早く訪ねて来て欲しい。


私としては色々と考えて未来を変える為に新たな呪術を編み出したのだから…。


そして確信は無いが未来は変わると思う。



その未来は、勿論、セリ殿が確実に生まれ、私が禍津神にならない未来だ。


その為には七星の知恵と力が必要だし、セリ殿が無事に未来へ帰るのを見届けたい。


だが、この肝心な時に限って七星は、私の前に姿を見せない。


(…本当に困ったものだ)


セト殿が、地上に来てしまった以上、未来を変える時間は限られている。


そして私とセト殿が闘いを初める前にセリ殿を未来に返したいと思っているのに…。


そう思っていた。


そして漸く七星が現れた。


「久しぶりだな」


「七星!漸く来たか…。待ちかねたぞ」


「どうした?いつも我が訪ねれば、あから様に不機嫌な顔をするのに……。今日に限って喜ぶとは…。詰まらんな」


「やはり、お前は私を困らせて楽しんでいたのか?」


「ふふふ。どうだろうな」


「まあ今はその話しはどうでもいい。それよりも未来を変える案を考えた。私の話を聞いて欲しい」


そうして、私は自分が考えた未来を変える方法を七星に話した。


話しを聞いた七星の答えは以外だった。


「何故、お前は生きぬ?」


その問いに驚いが問われたので答えた。


「私が生きていれば神々同士で、この先も争いが生まれよう。私は消えた方が良いと思うのだ。後の未来では、人の魂は転生するそうだ。

それをセリ殿から教えて貰い、私は考えた。この私も、自らに呪術を掛けて別の神として生まれ変われないものかと…」


私は七星に、私が考えた呪術式を見せた。


もし不備があれば指摘して欲しかったからだ。


「それが、この『転生呪術』とやらか…?」


七星は、ざっくりと呪術式が書かれた紙に目を通したが、特に指摘は無かった。

 

「そうだ。この呪術で私は新たな神に生まれ変わる。セト殿に消されるのでは無い。自ら消えるのだ。今の正常にな状態なら邪気も無いし、自らの意志であるならば恨みも持たぬ。だから未来で私が禍津神に堕ち復活する事はあるまい」


「つまらんな。結局お前は消えるのか…。あんな娘の1人や2人生まれ無くても良いでは無いか。お前が生きる方が大事だろ?他の案は無いのか?」



七星は、どうやら私が生きる為に事を起こしたようだ。


その気持はありがたいが、私には生きる意志は無かった。いや、今のまま生きる意志か…。


「……私は生きる事に疲れた。セリ殿の力を思えば、私よりも、これからの神々に取って有益だろう。

そして、もし出来る事ならセリ殿が居る未来では私が壊した、この地上をセリ殿と力を合わせて元に戻したいのだ。それが私の望みだ。そう、私は生まれ変わってやり直したいのだ。そして未来でまたセリ殿に会えればと願う」


七星は、不貞腐れながらも納得した様だ。


「…ふん。もういい。好きにしろ。あの娘は、もう用済みだな。お前の望み通り元の時代に返してやるさ。だが我の事は知られたくない…。

だから、お前が適当にあの娘の前で、それらしい儀式を披露しろ。それに合わせて、我があの娘を元の時代へと返す。それで良いな?」



「…ああ。分かった。七星、改めて礼を言わせてくれ。セリ殿をこの時代に連れて来た事と私に新たな未来を見つける機会をくれた事に感謝する」


「ふん。我としては、この結末は不本意だがな…」


こうして七星との話しは終わった。



◇◇◇


「え?元の時代に帰れるの?」


庭で遊んで居たら、日月星様がやって来て、わたくしに声を掛けて来ましたよ。


そしてどうやら、これから呪術をやってくれるらしいのです。


「ああ。待たせて済まなかったな。準備は整った」


ずっと日月星様が、わたくしの為に、呪術の研究をしていたのは知って居ましたが、こんなに急に帰らるとは思ってませんでしたよ。



そうして、わたくしは日月星様に案内されて、呪術を掛ける準備がされた部屋に案内されたのです。



今週もありがとうございました。また来週更新予定です。


よろしくお願い致します。

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