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神の娘  作者: アイ氏
223/269

222話

外から、『ドーン』と大きい音がして、びっくりしましたよ。


一体何事かと思ったら、赤兎ちゃん慌ててやって来て大きな声で告げます!


「旦那!!大変だぁ!屋敷が鬼達に囲まれたー!冥界からの襲撃だ!」


「ふぁ!」


冥界と言うとエンマ様ですかね??


(この時代では、わたくしは生まれてませんし、当然エンマ様は、わたくしの事を知らないので、わたくしの仲介で、お話し合いによる平和的な解決は無理ですよね…)


そんな事を考えていたら、日月星様は立ち上がって部屋を出て行こうします。


「やれやれ。朝から騒がしい事だな」


わたくしは心配になり慌てて声を掛けます。


「あの、大丈夫なの?」


「私の事は心配は要らない。だからセリ殿は屋敷から決して外に出ぬように。この屋敷は、白梅殿の強い結界で守られているから安全なのです。赤兎。セリ殿を頼んだぞ」


「分かりました。日月星の旦那ご武運を!」



そして外へと行ってしまいます。


わたくしは、日月星様の事が気になって様子を見に行きたいのですが部屋にいる様に言われたので我慢です。


そうしていたら赤兎ちゃんも何処に行こうとします。


わたくしは気になって行く先を尋ねます。


「赤兎ちゃん。どこ行くの?」


物見櫓(ものみやぐら)だ!旦那は強いけど、やっぱり気になるし様子を見に行く!小娘、この部屋は安全だから、お前は大人しくしてろ!」


「ずるい!わたくしも連れてって!日月星様が心配なの!」


そうお願いしますが、赤兎ちゃんは聞いてくれません。


「ダメだ!邪魔だ!足手まといだ」


でも、わたくしも諦めるつもりは無いので、悪い笑みを浮かべて、赤兎ちゃんを脅します。。


「赤兎ちゃん!連れて行ってくれないと、後で日月星様に赤兎にイジワルされたって言い付けから」

 

そう言って脅せば、赤兎ちゃんは悔しそうに、わたくしの言う事を聞いてくれます。


「ぐぅ!卑怯だぞ小娘!分かった!着いてこい!」


「うん。ありがとう」


こうして赤兎ちゃんと2人で櫓に登ります。


外を見れば、鬼さん達が、屋敷に入ろうと門を壊そうとしてますが、結界の力が働いているのか門はビクともしません。


そして少し離れた所では日月星様とエンマ様が対峙しています。


それを見て一番驚いたのは、エンマ様の側にユジンがいた事です。


「ふぁ!ユジン!」


(ユジンが冥界の着物を着てる。いつもと雰囲気が違うのが新鮮ですね。近くで見れないのが残念ですよ)


わたくしがユジンの名前を出したら、赤兎ちゃんが怪しむ様に聞いて来ます。


「あいつ知ってんのか?!エンマの副官だぞ」


「え?あ、ううん。そ、その格好いいから見てだけ」


気不味い流れてにわたくしは赤兎ちゃんから視線を反らし日月星様の方を見ます。 


すると日月星様はエンマ様達の攻撃に押されているのが目に入ります。


「ふぁ!日月星様が押されてますよ」


「何?!」

 

赤兎ちゃんも慌てて日月星様の方を見ます。


(赤兎ちゃんは上手く誤魔化せましたかね?それにしても、エンマ様とユジン。あれほど息ぴったりで連携攻撃とかしてるのに、将来は喧嘩して険悪な仲になるんだから、本当びっくりですよ!)


 そしてユジンから、黒い炎の竜が、日月星様に向かって放たれます!!


それを日月星様は難なく避けますが、エンマ様が尽かさず攻撃を仕掛けます。


エンマ様の攻撃で日月星様の足元か砂に変わって、足が埋まったら今度は、その砂が固まり動きを封じられます。

そして今度は周りに土壁が出来てきて日月星様を閉じ込めます!


「ふぁ!日月星様閉じ込められた?!」


「そんな!旦那?!」


すると、同時に、わたくしの体が消え出したのです!


それを見た赤兎ちゃんもびっくりして一緒に驚きます。


「ふぁ!ふぁ!どうなってるんですか?!!体が消えてますよー!!助けてー!」


「小娘!どうなってる!」


わたくし達が叫んで櫓の上で混乱していたら、いつの間にか日月星様は閉じ込められていた土の壁を壊します。


その途端に消えかけた、わたくしの体が元に戻ります。


「ふぁ!戻った?!今のは一体なんなですかね?!」

 

 「分かんねー」

 

赤兎ちゃんも困惑してます。


わたくしは分けが分からない現象から、無事に助かって、再び日月星様の方を見れば、日月星様の刀の刀身は黒くなり、日月星様から今までに感じた事も無い、とても強い力を感じ、わたくしは一瞬ですが恐怖を覚えます。


その黒く染まった刀身が元に戻ると、日月星様は上空に向かって刀を振り上げます。


すると門を壊そうとしていた、鬼さん達の頭上に沢山の槍が現れます。


そして刀を振り下ろした次の瞬間、それを合図に沢山の槍は鬼さん達を目掛けて落ちていったのです。


慌ててユジンが鬼さん達を守ろうと、黒い炎の竜を槍に目掛けて放ちます。


槍はユジンの放った炎に飲まれて消えてしまいました。


だけどその隙に日月星様は、また刀を振るって眩い光の光線をエンマ様やユジンに向かって放ちます。


赤兎ちゃんは、その光線を見て興奮して叫びます!


「でた!旦那の『陽光(ようこう)』だ!これであいつ等も終わりだな!」


光線がエンマ様や、ユジンに当った途端に体は光に貫かれた様に穴が空きます!


沢山の血を流してエンマ様もユジンも絶体絶命のピンチです。


そして追い打ちを掛ける様に日月星様の刃がエンマ様に容赦無く振り下ろされます!


それを庇う様にユジンが前に出て日月星様の攻撃を代わりに受け流して、そして叫びます。


「撤退だ!引けー!」


その合図と共に、エンマ様は、日月星様の足元を砂の渦に変えて、一時的に動きを封じます。


(エンマ様の技『蟻地獄』ですね)


そして冥界への道が開き、エンマ様とユジンの姿が消えます。


門を攻撃していた、鬼さん達も撤退を初めますが『蟻地獄』を抜け出した、日月星様は逃げそびれた鬼さん達を呪術で閉じ込めて容赦無く切りつけ初めます。


その様子を見て赤兎ちゃんが、ポロリと呟きます。


「不味いな…。旦那、正気を失ってる」


わたくしは、その言葉の意味が分からず聞きます。


「え?それってどういう事?」


「見ての通りだよ!旦那は、ああなると誰にも止められ無い。あそこに閉じ込められた鬼達は、皆殺しだ!それだけならいいが、オレ達も危ねぇぞ!正気を失った旦那は何をするか分からない!下手に旦那に近づくと絶対ヤバい!」


そう聞いて、わたくしはびっくりですよ!


「そんな…。そうだ!わたくし日月星様を元に戻すわ。わたくしを外に出して!日月星様の所に連れて行って!」

わたくしは日月星様を浄化する事を思いつきます。


だけど赤兎ちゃんは反対します。


「お前!オレの話して聞いてたか?!今、日月星の旦那に近づくのは危険なんだぞ!」


「うん聞いたよ!!皆が危険だから、わたくしが日月星様を正気に戻さないと!赤兎ちゃんお願い!」


そして赤兎ちゃんに無理を言って門を開けて貰って、わたくしは外に出たのです。






今週もお読み頂きありがとうございました。


24日の水曜日には、『万年悪戦苦闘』の更新。


そして遅くともゴールデンウィークには外伝の更新をしたいと思っています。


そちらもお読み頂ければ嬉しいです。


どうぞよろしくお願い致します。

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