215話
わたくしの不安な思いを感じ取ったのか、日月星様は笑いながら、わたくしを元気付けてくれます。
「ははは。セリ殿。心配は無用だ。こう見えても私は、とても強い。三界最強と自負している。最も私はセト殿に負けたからな…。そう言っても信じて貰えぬのも仕方ない事ではあるが…」
「そんな事は…。あの、わたくし、この時代の事を良く知らなくて、こんなに危険だと思わ無くて…」
「セリ殿の不安は最もだな。良ければ、私のと情報交換しないか?」
「情報の交換ですか?」
「ああ。私が、この時代の事。私の置かれている状況等をセリ殿に教える。状況が分かれば、少しは不安も消えよう。変わりにセリ殿は、未来の事、知っている過去の事を私に教えて欲しい」
未来や過去の話しと言われても、生まれて7年しか生きてませんからね。殆ど知らない事ばかりだと思いますよ。
「それは別に構いませんけど、わたくし、そんな色々と知らないですよ……。だから日月星様の知りたい事を教えられるかどうか…。」
「セリ殿の知っている事で構わない。では。まずは私から話そう。」
そう言って話しを初めます。
「まず、現在。私と戦闘状態にあるのは、セト殿では無くて、冥界のエンマ殿だ」
「え?エンマ様??」
「ああ。セト殿は、『竜宮』と言う新たな異界を造り、現在そこに居るようだ。そして元の地上の統治神、地上神族の代表格と言えるのが、大陸の神、アシア殿。彼もまたセト殿と同じ様に異界『桃源郷』を造り、この地上を去った…」
ふぁ!竜宮や桃源郷もこの時代に有るんですね!
「これは私の考えだがアシア殿もセト殿も正面切って戦かって、私に勝てるとは思って無いのだろう。
だからと言って、地上を見捨てた訳では無い。
恐らく、私の隙を伺っているのだと思う。そしてこれは私の憶測だが、私の消滅は、2人に共闘され隙を突かれたのだと思う。
バラバラなら、私とて負けないアシア殿とセト殿に共闘され、更に隙を突かれたとなれば、私でも厳しい。消滅も当然と言える」
そう言われ、わたくしは『桃源郷』でのアシア様の言葉や話しを思い出します。
アシア様は、日月星様の消滅に詳しかったし、父様には『日月星の消滅以来やね』って言っていましたものね。
それに萬福さんの時も、2人は喧嘩しても、最後は完璧な連携で、萬福さんを助けましたし…。
日月星様の言う通り共闘した可能はありますね。
(そう考えると父様とアシア様は仲良しなのか、仲が悪いのか、良く分からないですね~)
「確かにそうかもしれません。あの日月星様の事を、わたくしに話してくれたのはアシア様なんです。父様は昔の事は全然話してくれなくて…」
「ふむ。それでだ。では何故、エンマ殿が現在、私の敵かと言えば、それは新たな冥界の統治神になり、冥界の完全に支配下に置いたからだ」
「え?」
「つまり足元が固まり地上に介入出来ると言う事だな。冥界は、以前は、ムクロ殿と言う女神が統治神だった。だが天界と揉めてな。それを排除してエンマ殿が冥界の統治神になった。当然、反発もあり冥界が混乱した。私は、その天界と冥界の混乱に乗じて地上に降りて、地上を支配下置いた」
ここで、ムクロさんの事も絡んで来たなんて、本当色々びっくりですね。
混乱に乗じて地上乗っ取りですか?
日月星様は、やっぱり、悪い神様ですかね?
ムクロさんは、操られて様子がおかしくなってしまったし、ユジンは、ムクロさんの火傷が故意の可能があるって、疑ってましたし…。
聞きづらいですが、ここは勇気を出して聞いてみましょう。
「あの、その、日月星様は、もしかして地上を支配する為に冥界のムクロさんをに酷い事とかしましたか?」
そうすると、即座に否定しましたよ。
「いや。私は冥界には何の手も伸ばしていない」
「本当に?」
「まあ。セリ殿が疑うのは仕方ないが、誓って冥界への介入はしてい無い。私はセリ殿に嘘はつかない。信じて欲しい」
そう悲しそうな表情をするので、わたくしも嘘とは、思えません。
どうやら、本当日月星様は無関係みたいですね。
「あの、未来の事、何ですけど、そのムクロさんが、最近、地獄の封印を破って出て来たんです。でも今は、エンマ様と和解して冥界で仲良く暮らしてるんですが、その冥界と天界で争いの原因が、ただ火傷のじゃ無くて…。故意の可能性があってムクロさんも呪術で天界を憎む様に仕向けられてた見たいなの…。だから、でも、疑ってごめんなさい。」
「いや。疑われた事は気にしていない。冥界の話しは私も初耳だ。セリ殿。その話しもう少し詳しく教えてくれないか?」
「あ、はい。良いですよ」
私は、この間の竜宮と冥界で起こった事件を日月星様に話ましたよ。
設定を間違えて、1日前に更新してしまいました。
大変申し訳ありません。
今週もありがとうございました。
また来週の日曜日に更新予定です。
よろしくお願いします。