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神の娘  作者: アイ氏
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206話

夜には、竜宮の屋敷で、『みんな優勝おめでとう』の宴が、はじまりましたよ。



今回はムクロさん達や、秋風様、夏炎様も宴に誘うことが出来たので急遽、みんな優勝おめでとうに変えましたよ。


会場はとても賑やかで良いですね。


わたくしは、ムクロさん達や秋風様、夏炎様に竜宮のお土産として『竜宮石』を差し上げる事にしましたよ。



本当は、王宮の皆のお土産の予定だったのですが、ジェノから『竜宮石を悪用されては、困るので地上の人間達には、あげないで下さい』と言われてしましいましたよ。



そうすると、こんなに沢山『竜宮石』を持っていても使い道が無くて困ります。



そこで、わたくしは宴に参加してくれた皆さんに配る事にしましたよ。


人間で無ければジェノもダメとは言いませんしね。



そうして宴の会場で、まずはムクロさん達に話し掛けます。


ムクロさん達と一緒にユジンもいますね。


(前回のお食事会の時の様な溝が出来て無ければ良いのですが…)



わたくしは、近くに行くと簡単な挨拶をします。


「ムクロさん、冥界の皆さま。今日は宴にお越し頂きありがとうございます」



「おお。こちらこそ招待を頂き感謝する。楽しませてもらっておるぞ。ちょうちん草料理とやらは、冥界でも食したが、実に美味よな。他にも竜宮の料理は、絶品よ」


喜んで貰っている様で安心しましたよ。


「喜んで貰えて良かったです。それで、こちらは、竜宮のお土産です。良かったら貰って下さい。皆さんの分もありますよ」



そう言って、わたくしの神通力を溜めた石をムクロさんとお供の2人にも配ります。


三人共、不思議そうに石を見てますね。


「ふむ。これは、なんと不思議な。初めて見る石だ。強い浄化の力が宿っておる石とはの」


わたくしが説明し様と思いましたが、ユジンが、竜宮石の存在を知っているのか、わたくしに代わって詳しく説明してくれましたよ。


「ムクロ。これは『竜宮石』と呼ばれる石です。竜宮石は、神通力を溜める事が出来る大変貴重な石で、天界では『聖石』と呼ばれてます。貴方に渡した石には、どうやら姫様の神通力が溜めて有る様ですね」




「成る程。それで浄化の力が。それは助かる。我々冥界の神は穢れに強いとはいえ、過剰に浴びれば毒でであるからな。貴重なものをありがとう」


そう言って、皆さん喜んでくれましたよ。



穢れに強い冥界の神様でも必要なら、ユジンにもあげた方が良いですよね。


そう思って、わたくしは袋から石を取り出してユジンに渡します。


「ユジンにもあげるね」


「あ、ありがとうございます!」



皆さんの役に立てるのなら石を配って良かったですよ。


そう思っていたら、ムクロさんが驚きの提案をして来ます。


「この竜宮石とやらはまだ有るか?出来ればお返しに妾の神通力を溜めて返したいのだが」


わたくしの力が入っていない竜宮石もありますが。


「え?良いんですか?神通力を溜めて無い石も沢山ありますけど…」


「うむ。構わぬ」


そう言われて、ムクロさんに竜宮石をを渡します。


ムクロさんが石に触ると見る見る内に、石が官能的な赤紫色に染まっていきます。


(ひぁ~!なんて云うか、魅力の力を持つムクロさんらしい色でね~)


その石を、わたくしに渡してくれます。


「うむ。妾の『魅了』の神通力を溜めおいた。冥界に来た時は、この石を使って気に入った男共を侍らすが良い」


「ふぇ?!」


なんか今サラッと、とんでもない発言をしましたよ!!


わたくしは流石に『はい』とは返事が出来ずに困って焦っていたら、横にいたユジンは怒ってムクロさんに抗議してますよ!



「ムクロ!!幼い姫様になんて事を言うんですか!!男を侍らすなんてー!教育上、使って良い言葉ではありません!そう言う発言は控えて下さい!それに何で『魅了』の神通力を石に溜めるんですか?!他の力があるでしょう!」


(いや~。教育上云々は今更なんですけどね~)


なんて考えながら成り行きを見守っていたら、今度は、わたくしにも飛び火します。


「姫様!そんな石は今すぐにお捨てください!」


男の方を侍らすつもりはありませんが頂いたものを捨てるのは悪いので、わたくしは必死にユジンに言います…。


「えっと。でもせっかく神通力を込めてくれたんだし~。綺麗な色だし~。捨てたりするのは~」


わたくしが、そう答えてもユジンも譲りません。


「ひ、姫様!ダメです!」


わたくしも粘ります。


「絶対に使わないから!良いでしょう?ユジンお願い」


「う…。分かりました。ですが、姫様!絶対に使っては行けませんよ!」


わたくしが必死にお願いすると、ユジンは渋々折れてくれましたよ。


「うん。ありがとう。ユジン」


そんなわたくし達のやり取りをムクロさんは、ちょっと呆れた様に見ています。


「やれやれ。ユジンは、本当に頭が固いことよな…」


「何度も言いますが、私は普通です!貴方達に問題があります!」


またユジンとムクロさんの間に溝が出来てしまいましたかね?


そんなわたくし達の騒ぎに秋風様や夏炎様も気になったのか、こちらへやって来ます。


「楽しそうですわね?何のお話しで盛り上がってますの?」


わたくしは、秋風様達に事情を説明して、竜宮石を渡します。


「そんな訳で、お土産に秋風様や夏炎様にもお土産です」


「まあ。ありがとうございます。私達兄弟は、比較的穢れに強いのですが、夏炎兄様は、時々穢れに当てられて倒れる事があるので、セリ様の浄化の力はとても助かりますわ」


「某、兄弟の中では、一番穢れに弱いでごさる。この石は大変ありがたく頂戴いたす」


ふぁ!そうなんですね~。


「しかし、これ程の貴重な物を頂いては、お返しに困るでごさるな…」


「いえ。お返しなんて良いんですよ」


わたくしはそう答えますが、2人は納得していません。


「夏兄様。それなら、そちらの冥界の方の様に、私達の神通力を、竜宮石に込めて、お返しするのはいかがしら?」


「おお。それは良い案でごさる」



「セリ様。まだ石はあるかしら?」


「あ、はい。ありがとうございます。本当に良いんですか?」


「勿論ですわ」


「無論でござる」


2人の返事を聞いて、わたくしは2人に石を渡します。


2人が石を手に持つと秋風様は鮮やかな朱色、夏炎様は、爽やかな水色に変わります。


(こちらも、2人らしい色で綺麗ですね♡)


秋風様や夏炎様が各々、石に込めた神通力の説明をしてくれます。


「私の神通力では季節に関係なく植物の実りをもたらします」


「某は、冬でも、一部屋を夏の様に暑い温度になるでござる。寒い時に暖房の変わりにでも使ってくだされ」


どちらも日常で使えそうですね。


2人の神通力は安全と思ったのか、今度はユジンも何も言いません。


わたくしは、2人から竜宮石を受け取りお礼を伝えます。


「ありがとうございます」


そうして、わたくしは思いがけずムクロさん、秋風様、夏炎様の神通力を宿した石を手に入れてしまったのです。

本日なんとか更新が出来ました。


仕事が忙しくて、11月は更新が出来ずに申し訳ありません。


引き続き来年の1月まで不定期更新になります。



広告下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして応援いただけると書くモチベーションに繋がります。


よろしくお願い致します。

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