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神の娘  作者: アイ氏
202/269

201話


ー竜宮の屋敷ー


沢山のちょうちん草料理を食べて一番、美味しかった料理に投票して、夕方には、わたくし達は屋敷ヘと帰って来ましたよ。


屋敷に着くとジェノが迎えてくれます。



その後、わたくしはユジンと部屋でお茶を飲み一息付いてから、ジェノに会場で秋風様達に会った事を話します。


「今回は春眠様も参加が出来なくて代わって秋風様が参加するって聞いて、わたくし、びっくりしましたよ!」


ジェノのは困った表情になって、代理参加を認めた事情を話してくれましたよ。


「はい。春眠様のご性格上、再び役目を放り出して大会に参加なんて事になりますと、地上が大変な事になりますし、主様のお怒りを買う事にもなりますですので、それに、エンラ様からも、同じお問い合わせを頂きました。ここは公平にお二人の代理参加を認める事に致しました」


「う~ん。確かに…。春眠様の性格を考えても、大会参加を諦めるなんて無理でよね~」


わたくしでも分かります。


「はい。それから今年の大会は告知していた開催時期より遅れた事もあり残念ですが…。やはり出品された、ちょうちん草の質も落ちております」


「そうなんだ…」


(質が落ちてると言われても、わたくしには出品されたちょうちん草達は立派に見えましたけどね……)


そしてジェノから驚きの発言が飛び出します。


「そこで今回は別の角度から大会を盛り上げようと、お嬢様の審査員の衣装を新しく致しましたので、お疲れのところ申し訳ありませんが試着をお願い致します」


ジェノの突然の申し出に、わたくしは驚きます。


「ふぇー?!」


ジェノは、わたくしと驚きをものともせずに話を続けます。


「今回は秋風様、ムクロ様とお美しい女性の出場者が優勝候補ですので、地味な審査員の衣装で、お嬢様が引き立て役になっては一大事でごさいます。そこで、急遽、皆で色々と話し合い審査員の制服を新たに新調させて頂きました」


ジェノが経緯を説明します。


(いや~。わたくしは地味な引き立て役で良いと思いますよ)


わたくしは目立ちたく無いので、やんわりとジェノにお断りをします。


「え?そんなの別に気にしなくてもいいのに…。いつもの制服でも十分だと思うよ」


けれども、ジェノには通じません。


更にはユジンまで被害が及びます。


「いえ。大会を盛り上げるためにも必要な事です。それからお嬢様と共にユジン様のご衣装も新調させて頂きました。お疲れの所申し訳ありませんが、お二人には衣装のご試着をお願いします」


その話しに、先程から『ニコニコ』と見守っていたユジンも驚きます。


「わ、私もですか?!」


ユジンの質問にジェノはあっさりと答えます。


「はい。お二人共でごさいます」


そしてジェノは、シスカの方に目やり指示をします。


「シスカ。お二方の衣装の準備をしてください」


「はい。ジェノ様。お嬢様。ユジン様。着替えるお部屋までご案内致しますね」


その言葉に控えていたシスカや他の侍女達が、わたくし達を別々に着替る部屋まで案内します。


そうしてシスカに衣装部屋まで案内されて新しい審査員の衣装を試着します。


着替えたのはの豪華な装飾品が沢山付いた派手な着物です。


その美しいさは、正月の晴れ着の様に豪華で、もう審査員の制服の原形は何処にも無いんじゃ無いですかね?


唯一の共通点は色が同じってだけかも知れません。


わたくしは、そんな事を考えいましたが、シスカや、シスカを手伝っていた侍女達の反応は違います。


「お嬢様。お似合いです」


「きゃー!お嬢様!可愛い。私達、頑張って衣装を作った甲斐がありました」


「さぁ。ジェノ様や他の皆にもお嬢様の可愛い姿を見せてあげて下さいませ」



そう頼まれて元の部屋に戻ればジェノや、他の人魚さん達も、わたくしを見て喜びます。


「お嬢様。良くお似合いです」


「「やはり新しくして良かったですわ」」


最早、この衣装で明日の審査に出る事は決定事項のようです。


わたくしは諦めて、改めてこの着物に目やれば、小さくて丸い石が沢山、縫い付けられキラキラ光っているのに気が付きます。 


「この着物に縫い付けられた小さな石はキラキラと光って、とても綺麗ね」


そう言うとジェノが石の説明をしてくれましたよ。


「こちらの石は、『竜宮石(りゅうぐうせき)』と言いまして、神々の神通力に反応して色が変わる特殊な石でございます。透明でキラキラと輝いているのは、お嬢様の穢れない神通力、故でございましょう」


「この石は、わたくしの神通力で輝いてるの?」


「はい。この石は主様が造られた食用の貝から獲れるの石なのです。この石は、我々、人魚が触れても石の色が変わる事はありません。

それ故に昔は只の石と思い捨てていたのですが、ある日、主様が手に取られたところ、突然石が、それは美しい深海の青い色の石に変わったのです」


青って、わたくしの石は無色透明ですが…。


「透明じゃ無いの?」


「はい。神々の神通力によって色々な色に変わります」


個人によって色が変わるなんて驚きです。


「それはびっくりですね」


「はい。他にも、この石は神通力を溜める事が出来まして、例えば主様に神通力をこの石に込めて頂いた場合、そのお力が一回限りですが、誰にでも使えるのです」


「それは凄~い。わたくしも、この竜宮石が欲しくなりましたよ」


そう言えばジェノはあっさりと答えます。


「お嬢様のご希望でしたら、竜宮石を、いくらでも必要なだけ御用意致します。取りあえず、袋一杯分でいかがでしょうか?」


数個位なら貰えるかもと思っていた、わたくしはその申し出に驚きます。


「袋一杯?!そんなに?!ジェノありがとう」


そしてもう一つの疑問をジェノに聞きます。


「ところで父様の造った、その貝って美味しいの?わたくし食べた記憶が無いんだけど……」


竜宮では、色々な海鮮料理ありますが、父様の造った貝があるなんて今日初めて聞きましたよ。


ジェノは、少し残念そうに答えます。


「残念ながら味や硬さに問題があり食用にはなりませんでした」


「そっか。食べられ無いのは残念だね」



「ですが、主様の造られた大切な貝でごさいます。我々人魚は、その貝を絶滅からお守りし主様の造化の偉大さを広めるの為に、竜宮貝と名付け、この竜宮で大切に養殖し石は天界へ輸出しております」



父様の造ったものなら、何でも守って保存って、まさに竜宮は、『父様造化生き物保存会』ですよね。


そしてジェノは、父様の絶対の信者で会の会長さんて所ですかね?


そうしてわたくしとジェノが話しているとユジンも着替えを終えて部屋に戻って来ましたよ。




今週もありがとうごさいました。


また来週の火曜日17日21時から、新たにエッセイを投稿予定です。


こちらも読んで頂けると嬉しいです。


また来週も、日曜日に21時に更新致します。


よろしくお願い致します。


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