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神の娘  作者: アイ氏
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1話

父様の城に来て、2ヶ月以上が過ぎようとしています。


 わたくしには守り役と侍女が付けられて以外と快適な生活が待っていましたよ~。


「姫様は、本当にお父様に似ていらっしゃいますね」


そう言って、優しく、わたくし見つめるのは守り役のカヤメ。


彼女の年齢は24歳位で、穏やかで、とても優しく甘い匂いのする母様みたいな人。


わたくしより少し歳上の子供がいるらしいが、父様にわたくしの守り役として使えるように命令されて、この城に来た。


まだ小さな子供と別れて、それを思うと、とても申し訳ないのですが…。


「本当に、そっくりですよね」


ニコニコと笑いながら、答えたのは、侍女のサラ、明るく元気な、おしゃべり大好きっ子ね。


まあ、サラが色々と喋ってくれるから、この王宮の様子も分かって来ましてよ。


お昼寝も飽きたので、何して遊びたいですね。



「主、目が覚めたのかにゃ?」


(うん。けんちゃん遊ぼ)


その時です。


父様がわたくしの部屋に入って来た。


「やぁ。セリ元気そうだね」



父様は、わたくしが、この城に来てから毎日、毎日、やってくる。


王様て暇なんですかね~??


「姫様、お父様がいらっしゃいましたよ」


一見、優しそうでて、穏やかな感じの父様だが、人、元い神は見かけによらないもので、逆らう者には容赦なく討滅ぼし、自分の子供にも興味がないらしく、子供や妃にと迫った女の人達を次々、処刑したとかなんとか。

 

そんな父様が、わたくしだけを特別扱いですか??


(きっと機嫌を損ねたら殺されちゃうかも)


静かにしていないと。


 父様は、訝しげな顔をしている。


「う~ん。セリは全然泣かないな。何か発育に問題でもあるのかな?」


父様は、カヤメに真剣聞いている。


「姫様は穏やかな性格なだけかと。特に発育に問題はございません」


失礼ですね。


発育なら完璧ですよ~☆


父様が恐いからですよ。


うるさいからと殺されたくないし。


そうしているうちにサラが、わたくしのご飯を運んで来た。


「陛下失礼いたします。姫様のご昼食の時間でございます」


「きゃう♡」❨待ってました。ご飯♡)


机には、すり潰した食べ物が置かれている。

カヤメがそれを匙で食べさせてくれる。


「あう、う♡」(甘くて、美味しい♡)そう言いたいが、上手くしゃべれないのがもどかしいですね~。


(ここのご飯ホント美味し~♡)


父様は、わたくしが食べるのを興味津々に見ている。

カヤメがその視線に気づいた。


「よろしれば陛下が姫様にお食事を食べさせられますか?」


(え?え?カヤメ何言ってるの!?)


「僕が??」


「はい」

 カヤメは、にこにこと笑顔で返事を返したけど、あきらかに 父様だって驚いてますよー!

 

ご機嫌を損ねたらだめだってば!


「……やってみようかな」


(えっ?えぇー!どうしてこうなった)


父様は、カヤメから匙を渡され。


膝を付き、茶碗からすり潰した食べ物をすくうと、わたくしの口元に持ってきた。


食べない訳にもいかないから、パクっと仕方なく食べるけど。

(うう、緊張しすぎて味がワカリマセン)


その時だった。


「失礼いたします。陛下。白尾(はくび)様が、参られました」

「そうか。今行く」


父様の手は止まり、そのまま匙をカヤメに渡し出て行ってしまった。


「主、仕方ないにゃ」


えっ?けんちゃん、突然何を言って??


わたくし、がっかりした顔してたって?


「姫様、せっかくお父様が、食べさせてくださったのに、ご用で行ってしまって残念でしたね」


カヤメまで、絶対がっかりなんてしてませんよー、


こうして、また平和な食事の時間が帰ってきました。


 お食事の後は、また眠くなったのでお昼寝。


午後からはお庭でカヤメに抱っこされながらお散歩。


「姫様、こちらでのんびりいたしましょうね」


そう言って、大きな木の下に置かれた長椅子に腰掛けた。


ぽかぽかの日差しが暖かくて気持ちがいいですね~。


なんだか、また眠くなってきちゃいましたよ。


とその時見知らぬ人から声をかけられた。


まあ、わたくしでは無くてカヤメにですが…。


「もし、その場所をあけてください。ラナ姫様がこちらにお座りになられます!」


「恐れながら、こちらの場所は、私共が先に使用してございます」


声を掛けて来たらしき女の人は、とても不機嫌になって、カヤメを叱かる様に言うので、なんだか、段々恐くなってきたましたよ。


「無礼な!後も先も無い。姫様はこの国の身分高いお家で、その姫様がお望みなのですから!!早く場所をあけなさい!」


とうとう遠くから、こちらを見ていたその姫様までもがやって来た。


「まだ座れないのかしら」


「姫様申し訳ありません」


姫様と呼ばれたその人とわたくしは目があってしまったの。


「あら、その赤子は?」


「はい。こちらは、王女のセリ様でございます」


このお姫様は、ちょっと失礼ですね~。わたくしの顔をジロジロ見て。


「ふ〜ん、この子が可愛そうにね。この子の母親、亡くなってたんですってね!しかも、城を捨てて逃げ出した母親の親族を皆、捕えられ、後日処刑ですって!きっとこの子も一緒に処刑ね。その為に今まで生かしておいたのね」


母様が、亡くなった?わたくしを処刑?


(う~やっぱり……それが現実ですかー!)


気がつくと目から涙が溢れでてて止まらない。


母様は生きている信じていたのに。


また、きっと会えるって、父様だって、色々、恐い噂は、耳にしていたけどきっと、わたくしを殺したりしないって心の何処かで思ってたのに。


でも、現実は…


「ふええええ」


ホントに泣き止まらなくなりましたよ。


わたくしもまだまだお子ちゃまですね。


「姫様、どうなさたったんですか?よしよし。大丈夫ですよ」


カヤメが、慌てて撫でながら、あやしてくれたが落ち着く事はなかった。


「うるさいわね。早く泣き止ませてちょうだい」

 

 ラナ姫様は恐い顔をして近くで怒っているので、余計に不安になって泣きやめないんですよ。


そんな時、父様の声が聞こえた。


「なんの騒ぎ?」


突然の父様の登場により、一気に周りは静まりかえった。



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