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神の娘  作者: アイ氏
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194話

冥府の一行が竜宮へやって来た。


冥界門と竜宮を繋がるが開き出すと、人魚達が、整列して出迎える。


門から現れた、エンマの強い神通力を感じて分身ではなく、本神である事が分った。

だが驚きを顔に出さずに、ジェノは平然と何時もの様に丁寧なあいさつする。


「お待ちして下りました。エンマ様」


「出迎えご苦労。それにしても……まるで、八寒地獄の様な光景だな」


島の回りは鬼達が、氷に閉じ込められた姿のまま放置されていた。


エンマの後に続いて、現れた部下の鬼達も、その光景に言葉が出ない。


そこへ、セトがゆっくりとエンマの方へ近付いて来た。


「やあ。久しぶり。珍しいね。君が直接くるなんて…」



「そうだな。分身では何度か会っていたが、余とそなたが、こうして実際に会うのは、随分と久しぶりだな…」


「うん。確かに。それで冥府は、今どんな状況に…。必要なら、僕がムクロを消してあげるよ」



「ああ。それなら、そなたの手を煩わせる必要はもう無くなった。そなたの娘のセリのおげでな……」


そう言うと、セリを抱き掛かえたユジンの方に目配りをする。


「は?!セリ!な、何でセリが?」


珍しく動揺して聞き返す。


「あ、あの……。陛下、申し訳ありません……姫様がどうしても冥界へ行くて言われまして…、その…」


そう言って、ぐっすりと眠っているセリ温かそうな布でくるみ、抱き掛かえたユジン現れた。



「ユジン?!まさか君がセリを冥界に?!なぜ娘を巻き込んだんだ!」



そうユジンを責めたが、目を凝らして良く見ればユジン全身がドス黒い乾いた血に染まった着物の姿に驚く。


「なっ…!!ユジン!その血は?!!怪我しているのか?!一体、冥界で何が?!」


慌ててそう尋ねれば、ユジンは、笑顔でセトの問に答える。


「ああ、これですか?まあ色々とありまして…。ですが私は大丈夫です。なにも問題ありません。それに誓って、姫様にはお怪我一つされておりませんので、ご安心下さい」




「は?いや、その酷い怪我を放置して、どうして竜宮に?!冥府で治療が先だろう」



「ああ。冥府でも治療をと言われましたが、姫様が力を使い過ぎて、お疲れになったのか、ぐっすり眠ってしまわれまして…。

冥府は未だ色々と混乱している状態では、姫様がゆっくりお休みに慣れません。一刻でも早く竜宮でゆっくりお休み頂いた方が良いと判断しました。ですからエンマ王にお願いして、急いでこちらに参りました」


「…………」



ユジンの答えに最早、責める気も無くなってしまう。


そして溜め息を吐いてから、気を取り直してユジンに指示をだす。



「…まあ…。セリが無事なら良いよ。詳しい話はまた後で聞く、セリを急いで連れて来てくれて、ありがとう。それから、ユジンは怪我の手当を…」


「あ、はい。ありがとうございます」


そう言って、セリをユジンから受け取ると、人魚達に、ユジンを竜宮の屋敷に案内する様に指示をだす。



「さて、娘は無事に返したぞ。それからリア殿は、どうしている。無事か?咎落ちする前に、今すぐに冥府へ」


「ああ。その事なんだけど…リアはこのまま、竜宮で暮らして貰えたらと思っている」


「は?それはどう言う事だ?」




「まあ、詳しい話は、屋敷の方でゆっくりと…」


◇◇◇


ー竜宮の屋敷ー


二人は、人払いされた客間で話す。


「実は体内の邪気を浄化させる薬を偶然にもセリが疫病に掛かった時に造ってね。その薬がなんと咎落ちを防げる見たい何だ」


セトは薬の事をエンマに話す。


「ほう。あの疫病神萬福の疫病を治す薬か…。それは実に興味深いな…その薬を冥府にも回して貰えぬか。その薬があれば地上でさ迷う魂、咎落ち寸前の魂も回収出来て、地上の混乱も少しは落ち着こう」



「うん。まあ、それは良いけど。で、話は戻るけど、リアは咎落ちしなくなったし竜宮に…」


「それはならぬ」


「どうして?!」


「どうして?愚問だな。リア殿がこのまま竜宮に留まれば、そなた竜宮でリア殿と暮らすつもりであろう」


「それは、勿論、そのつもりだけど…」


「そうなれば、地上はどうなると思う?これから『死星』も復活すると云うのに…」



「それは、まあ、地上は放置とかな……と」


セトは悪びれもなく答える。


「放置は許さぬ!もし、そなたが竜宮で暮らのなら、変わりに娘のセリに『死星』と戦わせよ!実際にセリの力は、『死星』を消せる」


そう言われ怒った様に答える。


「そんな危険な事は絶体にさせない!!」



「であろう。それに確かにその薬で咎堕ちが止まるかも知れんが、地上の穢れは、これから『死星』の復活で、力が強まればいつまで効き目が有るかわからんぞ?その時になって、咎堕ちしたのでは、目も当てられまい。それに死者は冥府で暮らすそれが決まりだ。例えそなたが余の弟でも例外は、絶対に認め無い」



「…それは……わかったよ…」


こうして、リアはエンマ達と一緒に冥界へと帰っていった。


◇◇◇◇


「むにゃむにゃ。ふぁ~。良く寝ましたよ」


わたくしは目覚めてから直ぐに場所を確認します。


(ここは、もしかして竜宮のわたくしの部屋では?!確かわたくし、冥府に居たはず??)


「えっと……」


でも何故竜宮に居るのか、全然わかりません。


すると、都合よく、シノエが部屋に入って来ましたよ。


「お嬢様。おはようございます。お疲れは取れましたか?」


わたくしは、シノエに事情を確認します。


「あ、シノエ。うん、元気!でも、どうして、わたくし竜宮にいるの?」


「はい。ユジン様が疲れて眠ってしまわれた、お嬢様を早く休ませたいと、混乱する冥界から、直ぐに竜宮にと冥界の門を急いで開かれました」


そう言われて、ユジンの怪我を思い出します。


「ユジンが……。あ!そうだ!ユジンは、ユジンが酷い怪我してて、それに母様は?母様はどうなったの?」


「落ち着いて下さいませ。ユジン様は、竜宮で手当てを受けられて大丈夫ですごさいますよ。その……、奥様は、残念ながら冥府にお帰りに…」


「えー!!そんなぁ~」


その話しを聞いてわたくしがっかりしましたよ。


更に父様がわたくしの部屋へとやって来ました。


「セリが目覚めたのかい?」



部屋に入って来た、父様は明らかにご機嫌斜めです。


これは絶体にお説教です!


わたくしピンチですよー!






今週もありがとうございました。


さて今週は大々的に部屋の片付けや、断捨離をしました。


片付けていると、昔、趣味にしていた色々な物が出て来まして…。


まずはパワーストーン。


これが結構な数がありまして取りあえず、お気に入りの石だけ、久しぶりに浄化(水洗い)して、手元に残し、後はダメ元でフリマアプリへ出品。


また、大好きなゲームのグッズも大量に机の引き出しに入れっぱなしに……。


こちらもダメ元でフリマへ。


そして、ハンドメイドアクセサリーで使ったビーズとかも押し入れから…。


これら全てをダメ元で出品したら、なんと全部、売れてしまったので、ちょっとびっくりしています。



後は、模造刀も手放したいのですが、こちらは売れても発送が大変そうなので、正直、出品を躊躇っています……。




ではまた来週の日曜日、夜9時に更新予定です。


広告下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして応援いただけると書くモチベーションに繋がります。


よろしくお願いいたします。

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