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神の娘  作者: アイ氏
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178話

白桃様は先程の興奮した姿とは変わって真っ青になりお化けでも見たかの様に取り乱します。


「ぎゃゃー!出たー!!セト!!いいか!オレには絶対に海水をかけるなよ!やるならアシアだぞ!娘を拐ったのはアシアだ!着物は貸して欲しい言われて、オレは提供したたげだー!子供が可愛いから、ただ見ていただけだぁー!」


「にゃぎゃー!!」



父様の姿を見るなり、白桃様とけんちゃんは怯えて一緒に逃げます。


(この2人気が合いますね。まあ正確には、1本の木と一匹の猫ですが…)



(////父様にも、この痛い姿をバッチリ見られてしまいましたよ。その上また誘拐されて……。わたくしは無邪気なお子ちゃま…。ここはあえて何も触れないで、ただ父様が来てくれた事を無邪気に喜びましょう)



そう、わたくしは、いつもの様に笑って誤魔化す作戦にでたのです。


わたくしは無邪気な笑顔で廊下を降りて、庭に置いて貰った、白桃様の貸してくれたサンダルで父様の側にいきます。


「父様♡来てくれたの?でも、どうして冬厳様が?」


「セリ?!大丈夫か?!桃源郷は地上の神しか入れない場所だからね。冬厳に案内を頼んだんだ」


それで冬厳様が一緒だったんですね。


「心配を掛けてごめんなさい。最初は桃源郷に突然連れて来られて驚いたけど、皆さん優しくしてくれたし、事情も色々と聞いてね。それで、わたくし萬福さんを浄化する事になったの」


そう言うと父様は少しは難しい顔をします。


「セリ…。萬福の浄化は難しいと思うよ」



「でもね。萬福さんを浄化しないと、地上も疫病でどんど犠牲が…。皆を病気から助けたいし、父様も困るでしょ?」



「セリが心配しなくても、地上の薬草から疫病に効く薬を作ったし、僕が造化で造った薬の様に、すぐには効かないけど、その薬で助かる人間も大勢いるし。他にも食糧の配給や、厄払いをして萬福の邪気を退けている。萬福の事は、僕が対処するし、セリが危険な事をする必要は無いよ」



そう言って、わたくしを安心させようとします。


(父様は、わたくしの浄化の力なんて当てにしなくても、ちゃんと色々やっていたんですね…)



でも父様に浄化の力は無いと、アシア様に聞いています。

だから、父様が対処すると言う事は、萬福さんの消滅させると云う事ですよね。


わたくしは父様に考え直して貰おうと思って、

再び話をしようとした時、アシア様が父様に話し掛けます。


「セトはん。久しぶりやね。日月星の消滅以来や。

正直、こんな風な再開になるとは思ってなかっわ。

地上での出来事は色々と鏡から見せてもらってましたんや。

そしてセリはんの力を見た時、セリはんこそ萬福を、救う事が出来事と確信したから、セトはんには悪いと思いつつも、セリはんに桃源郷へご足労を頂きましたんや…」


「そう『死星』との戦いをね…。君は大陸の神だから、陸地での出来事もある程度、把握可能で『死星』の復活や消滅した事を知っていても不思議は無いけど……。

セリの放った『慈雨』で、萬福が確実に浄化できるかは分からないよ。

何せ君の強い神通力を持ってしても再度、封印が出来ないんだろうから…。その邪気は、『死星』と、同等もしくは、それ以上の場合も考えられる…。

萬福の封印の場所は疫病が流行り出した時から、

冥府が全力で調査しても見付から無いと聞いた。僕も神器達に探させたけど一向に見付られなくてね。

でもこの桃源郷へ来て封印の場所が分かった。

白桃の神通力があって尚、穢れた邪気が桃源郷を蝕み初めているのを感じるから。

封印はこの桃源郷に移動したね」


「そや。冥府に再び手を出されても厄介やからね。

取りあえず桃源郷の隅の森に移動して結界と、白桃はんの力で穢れを出来る限り封じてもろて、なんとか凌いでますわ。けどセトはんを萬福の所に案内するつもりはないですわな~」


「僕も君が素直に案内してくれるとは思ってもいなよ。だから力ずくで案内してもらう」


父様とアシア様一歩も退かずに睨み合ってます。


いつの間にか、父様の両肩には神器の鷹が止まり

アシア様の左右には、神器の虎が威嚇する様に側に控えています。


一触即発!!


わたくしが口を挟む余裕も止める事すら不可能な険悪な雰囲気です……。


そんなピリピリとした緊張感が漂う雰囲気に口を挟んだのは冬厳様です。


「2人共!!待ってくれ!!今ここで我らが争って何になる!」


「セト殿。萬福の悲劇は私も心を痛めていた…。及ばすながら、私も力になる。セリ殿の身は我が身に代えて守ると誓おう。

私が桃源郷へセト殿を、案内した事を少しでも恩に感じているならせめて、セリ殿の浄化を試して欲しい。この通りお願いいたす」


そう言って冬厳様も父様に頼みます。


「う~ん。君には、桃源郷へ連れて来てもらった借りがあるしね。わかった。一回だけたよ」


「アシア、私やセト殿も同行した方、戦力として頼もしいはずだ。ここは素直に萬福の場所に案内して欲しい…」


「へいへい。冬厳には敵いませわ。ほな決まりやな」


冬厳様のお陰でピリピリした雰囲気は少しずつ落ち着きます。


「2人を止めてくれて、ありがとうございます。冬厳様。わたくし頑張って萬福さんを浄化しますね」


「礼など…。私は当たり前の事をしただけだ。それより萬福の事を私からも、よろしく頼む」


「そうと決まれば早速、出発や。セリはんも神器を武器に変えてや」


「はい」


わたくしは抱っこしていたぬいぐるみを、幸福さんにお願いして、けんちゃんの方を向きます。


けんちゃんを見れば、『わかってるにゃん』って顔をしてます。


「賢妙連、神器錬成!!」


そう言えば、けんちゃんの体は光になって、私の手元で刀に変わります。


(取りあえず刀は帯に差して持ち歩きますかね)


父様や冬厳様も神器を武器の刀に変えて準備万端です。


…が白桃様は神器を呼ぶ気配はありません。


「えっと…。白桃様は行かないの?」


「ああ、すまん。オレのこの姿は分身でな。たいした力も無くて足手まといになるだけだ。本体ならオレにも浄化の力はあるが、木だから移動とか出来ないしな。だから桃源郷全土の穢れを払いながら、ここで留守を守る。どうか萬福を救ってくれ。頼む」


「皆様、どうかご無事で…。兄の事をよろしくお願いいたします」


そう言って頭を下げます。


幸福さんの為にも、わたくし頑張りますよ。






早いものでユニーク6000人達成です。


連載を始めた当初は私の書いた小説なんて誰も読んでくれ無いだろうと正直思ってました…。


それがこんなに沢山の方に読んで貰らえて、とても嬉しいです。


本当にありがとうございます。


そしてこれからも、よろしくお願いいたします。


広告下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして応援いただけると書くモチベーションに繋がります。

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