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神の娘  作者: アイ氏
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173話

ー桃源郷ー

ここで王宮の様子は見えなくなりました。


この呪術は長い時間は見れないらしいです。


「ほらな!セト完全に激おこだな。娘を拐った者にも検討を付けてたし……。マジで桃源郷ごと消される事態になったらどうしてくれる?!オレの心配した通りだ!」


そう言うと、アシア様を『ジロリ』と睨みます。


アシア様、困った顔をしながら答えます。


「いやー。参りましたな。こんなに早く自分の仕業とばれるとは……。相変わらず、セトはんは恐ろしい方で……」


(これから、どうなるんでしょうか??)


わたくしが、そんな事を考えいる頃、王宮では引き続き騒ぎになっていましたよ。


◇◇◇


ー王宮ー


ユジン、ガクサン、白尾は、突然セトからの呼び出しで政務室へ繋がる廊下を急いでいた。


(国中が疫病で大変な時期だ。もしや隣国が好機と見て戦でも仕掛けて来たのかろうか?)


そう考えながらユジンは、廊下を急ぐ。


(国中が疫病で大変時、その為、経済状況や財政も悪化している。その話か?)


とガンサンは考えていた。


(この忙しい時に急にどうしたんじゃ!)


白尾は、ただ怒っていた。


「失礼致します。陛下」


「ああ」


セトは返事を返すと部屋に入って来た3人に目を向ける。


「突然だが実は大変な事態が起きた」


「一体、何が?やはり戦になるのですか?!」


セトは、とても深刻な顔で要件を伝えた。


「いや、それよりももっと重大な大事件だ!セリが拐われた!」


ガクサンと白尾は、唖然としていたが、ユジンだけがとても深刻な顔になった。


「それは一大事です。どこの国の者が?!今すぐ探し出して粛清し、必ずや姫様をお助けします。直ちに出陣の許可を!!」


「ユジン。拐っていったのは人間ではなくて大陸の神アシアだ。だから僕は今から桃源郷に行かなければならない。と言う訳で留守を頼むよ」


「大陸の神アシア様ですか……?」


「誰じゃ?そやつは?」


「この地上の統治神とも言われ、地上の神族の長とも言われる方ですね」


ユジンが、白尾の疑問に答える。


「地上の統治じゃと!!そんな奴がいたんか?!」


「一応はね……。天界や冥界に『統治神』が居て、地上だけいないと云うのも変でしょ。もっともアシアは地上の『統治神』を辞めたつもりでいるし、地上には一切干渉はしないけど」


「なんじゃ?!それは」


「彼は、まず人間が嫌いだし、地上生まれの神族以外とは一切の関係を絶っているから」


「大陸の神アシア様。わしも冬厳様より聞かされた事がある。地上の神族でもっとも神通力の強い神。天界に暮らす事を拒否した地上の神族や神獣を引き連れて、新たな異界を造った方だと。その異界の名は桃源郷と言うと」



「大陸の神アシア様は、エンマ様を越える呪術の使い手と聞きます。陛下お人で危険ではありませんか?私も参ります」


「大丈夫だよ。それに今回の疫病の件もしかしたら、アシアが関わっているかも知れ無いしね。だからセリを、拐っていった可能性がある上手く行けば疫病の件も処理出来るかも」


「それはまことか?」


「確証は無いけど…今回の疫病は、昔、地上の福の神が起こした疫病と似ているんだ」


「もし疫病が治まるなら、ありがたいのだか…。どうやって行く?我ら精霊も人間、天界や冥府生まれの神をも拒絶する異界」


「そう。だから僕も入れないし、行き方も詳しくはわからない。でも桃源郷に行く方法に心当たりがあるから心配はいらないよ。そう言う訳で留守を、よろしく頼むよ」


「わかった…」


「畏まりました」


「そんな事を言って、お前だけ仕事をサボるのはズルいぞ!わしも連れていけ!」



白尾を無視してセトは、さっさと部屋を後にした。


庭にはセトの神器が木に止まっている。


「大通連、小通連。冬の神 冬厳を探してくれ。彼なら、桃源郷に行く方法を何か知っているはずだ」


◇◇◇


ー桃源郷ー


さて、こちらは父様が激おこな上に、桃源郷に乗り込んでくるかも?!と、分かって重たい雰囲気です。


「えっと、、あの取りあえず、どうしてわたくしを、拐ったのか、事情を話して貰えませんか?」


沈黙に耐えかねて、わたくしが喋ります。


「ああ。そやな……。ほな分かり易く最初の最初から話しますわ」


「はい」


そうしてアシア様は、昔の話を初めたのです。


◇◇◇


セリはんが、生まれるずっと昔、地上には沢山の神々が天界と同様に誕生して地上独自の文化を築き地上は天界と同様に神族で繁栄していたんや。



その後、人間や精霊や動物達も地上に降りて来て、みんなで仲良く暮らしていたんやで。



そんな地上に神がい無くなり、寿命のある人間やら動物達ばかりの今の様な有り様になったんわ。


天界での『統治神』を決める争いが起きてからや。

要は神の王を決めるって話やね…。


天界の『統治神』に名乗りを上げたのは、天空の神アマテル。


そして天体の神、日月星(じつげつせい)の二柱や。


最終的に選ばれたんは、アマテルはんやった。


争いに敗れた日月星は、代わりに地上の統治神になると一方的に宣下して地上に降りてきたんや。



だが日月星が地上に降りて来た目的、それこそが危険なものやった。


日月星の神器の能力は、穢れや邪気を吸い取り己れの神通力に変える力がある。


アマテルや他の神の目の届き難い地上で生き物を殺し穢れを自ら作りだしたんや。


アマテルはんをも越える神通力を手に入れて、アマテルはんを『統治神』の座から引きずり下ろす目論見でや。


勿論、地上の神々も日月星を止めようとしたが、強い神で、自分も含めて地上の神族では束になっても太刀打ち出来ず、好き放題、野放し状態になってしまってな。


穢れに弱いのは地上の神も同じ。


地上の神は黙って穢れの無い天界に去って行くしかなかったんや。


天界に帰れず、地上に残された人間達は穢れに当てられて、段々と欲が深く残忍な性格に変わってまって。

自力で天界に昇れなかった、力の無い神や神獣が住み着いていた土地を追い出したり、神木も平気で切っ倒し、すっかり変わってしまったんや。


まあ、地上の神族だけが人間の犠牲になっているから、さっきの神獣達の様に地上の神族は、人間、嫌いが多いんや。


そして穢れに犯された人間はやがて肉体が老い、肉体は朽ち果て不滅の魂と分離すると云う現象が起きた。


朽ち果てる肉体は、もっとも穢れが発生しやすいんや。


更には穢れと言う毒に侵された人間の魂は不安定で、その不安定な状態のまま、地上に放置すると、やがて自我を失い、殺戮を繰り返す化け物になるようになった。


それが『咎人』や。


その『咎人』を呪術で自在に操って地上で穢れを更に増加させ、やりたい放題だった日月星を倒したのがセトはんや。


その点については、自分らはセトはんに感謝してるんやで。


今週もありがとうございました。

広告下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして応援いただけると書くモチベーションに繋がります。


また来週も日曜日の夜9時に更新予定です。


よろしくお願いいたします。

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