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神の娘  作者: アイ氏
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166話


キャラさんのお父様の何が問題なのでしょう。


種族の違う人間の女性を奥さんにしたこととかですかね??


それなら、父様だって大問題になってますよね?


「『死星』の事を、アマテル様や叔父上に報告しなかったのは天界に対して裏切りにも等しい行為です。一歩間違えば今回の事は大惨事になっていました」



『死星』に取り憑かれたキャラさんは、お父様を、襲っていましたね……。


「まあ、確かにね。僕なら、即刻、空中監獄行きにするね。僕の娘を危険な目に合わせた罪で!」


(父様は、相変わらずメチャクチャですね~)


それにしても、空中監獄って何でしょう。


天界にも牢屋なんてあるんでしょうか?


「父様。空中監獄ってなぁに??」



「神々を、永遠に閉じ込める牢獄。それが空中監獄。僕達、神も好き勝手ばかり出来る訳じゃないからね。

問題を、起こせば牢獄に投獄される事もある」


ひぇ~!神様だからって好き勝手出来る訳では無いんですね。



「そんな恐ろしい場所があるんだね」



「天主アマテルへの忠誠は絶対。そのアマテルに謀反を起こしたアホ、いや天体の神、日月星(じつげつせい)の呪いである『死星』を情報を黙っていたのは謀反も同じことだよ」


「天体の神様って、以前父様が話してくれた地上を支配しに来た神様のこと?」


(流石にアホな神様とは言えません……)


「そう。『死星』は奴が放った呪いで、最終的には神を、殺す事を目的としている。殺人鬼みたいな者だからね。それを黙っているのは共犯と疑われても仕方がない」



「じゃあ。キャラさんのお父様は牢獄行き?」


「さあ。それを決めるのはアマテルで、僕じゃあ無いからね」


そうかぁ~。

そして冥府と同じで父様には口出しは出来ないんでしょうね。


(でも父様は怒ってるし、助ける気持ちも無さそうですが…)


「そうなんだ………。それじゃあ。せめて父様が牢屋に入れた、警備の人は、牢屋から出してあげて……だって、今回は、キャラさん達は地獄逝き、お父様も牢獄で、誰も幸せになれないなんて悲しいもん。せめて、警備兵さんは父様の命令で助けられるんだから助けて欲しいの。ダメ?」



「……………………………わかったよ」


「うん。絶対だよ」


渋々ですが、父様が許してくれましたよ。

どさくさですが、警備の人は助けられて良かったですよ。



「セリさん。地獄は永遠の苦しみを与える場所ではありません。二人には刑期が終われば晴れて天国で暮らしてもらう事になるでしょう」


エンラ様も、わたくしを慰める様にそう言います。


そうして、話しているうちに縞獅子さんがこちらヘやって来ます。


「エンラ様。亡者は全て捕らえましたニャロメ!」


周りを、見渡せばキャラさんとお母様しか人の姿は見当たりません。


そして縞獅子さん以下、火車さん達がエンラ様に報告に来ます。


(ふぁ~火車族は、皆ふとっちょの猫さんばかりで可愛いですね♡)


「ご苦労でした。では、我々も冥府に帰還します。冥府の道を開きます」



そう言うと、エンラ様はなにやら(ふところ)から、黒い漆塗りの手形を取り出します。


手形は四角形をしていて、地面に落ちると手形は砕けて、人が入れる大きさの洞窟が出現します。


穴はの中は真っ暗で奥まで見えませんが、坂になっていて地下に下りれる様になっています。


「ユジン、あれが冥府の入り口なの?」


「はい。そうですね。地上と冥府の間には、大きな坂で繋がっています」


「へぇ~」


わたくしは、父様に下ろしてもらって、洞窟の中を、見ようしますが、目には見えない壁に阻まれて、洞窟の中には入れません。


「ひ、姫様な、なにを!!」


「セリ。冥府に入るには、冥府の王であるエンマが許可した者と亡者以外は入れないんだよ」


そう言って、父様もどこか寂しそうな表情を浮かべます。


わたくしが、父様やユジンの側に戻るとエンラ様が、挨拶をします。


「叔父上、ユジンさん、セリさん、今回は色々とご協力ありがとうございました。お帰りは、縞獅子さんの『どこでも繋がる扉』でお送りいたします」


エンラ様は、縞獅子さんの方を見ると縞獅子さんも『承知しました』と言う感じて頷きます。


火車族の皆さんが、洞窟に引き上げて行きます。

そして次はキャラさんとお母様。


洞窟に入る前にキャラさんが、わたくしの方を向きます。


「セリさん。私とお母様を助けてくれてありがとう」


「キャラさんも元気でね」


(死んだ方に元気でねって言うの変かも知れませんが…)


最後にお辞儀をして、キャラさんとお母様は、2人で手を繋いで洞窟の中に消えて行きました。


「姫様、では我輩もこれで失礼するであります」


「セリ様、今回は色々とありがとうございましたニャロメ~。玉、無事に初めてのお仕事を終えられのは、セリ様のお陰でニャロメ~」


「うん。ユキちゃんも玉ちゃんも地上に来たらまた遊びに来てね。絶対だよ」



「では、これで失礼致します。今回はご協力ありがとうございました」


最後にエンマ様が、洞窟に入ると、洞窟は『スッ』と消えてしまいます。



わたくしと父様とユジンは、縞獅子さん『どこでも繋がる扉』で王宮に帰ります。



『どこでも繋がる扉』は、本当に繋がる場所が大雑把で今度は、わたくしのお部屋に繋がりましたよ。



「それでは、皆様、あっしも、これで失礼いたしますニャロメ。今回は色々ありがとうございましたニャロメ」


「ああ、縞獅子も色々ご苦労だった」


「縞獅子さん、またね」


そう言って扉が閉まると扉は、やはり『スッ』と影も形も無くなってしまいましたよ。


本当に最後まで冥府の道具は不思議で凄いですね~。







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