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神の娘  作者: アイ氏
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165話


キャラさんが、こちらにやって来ます。


わたくしは、父様に下ろしてもらって、キャラさんと向かい合います。


「キャラさん、あの………」



わたくしと同じ、半神半人の女の子会って話して見たいと思って、わがままを、言ってここまで来たのに、こんな事になって、なんて言って良いのか分からず、わたくしは途方にくれてしまいます。


(結果的にキャラさんを地獄逝きにしてしまったので、余計に言葉に詰まりますね…)


そんなわたくしの気持ちとは、反対にキャラさんはお礼を言います。


「私を助けてくれてありがとうございます」


わたくしは、驚いて戸惑います。


「えっ?えっと……」


「先程、あの方の持ってらした鏡で見ました。貴女が私を救ってくれたんですよね?」


そう言うと、エンラ様の方をチラリと見ます。


「でも、あの冥府に逝ってからの事は、何の力にもなれなくて、ごめんなさい。地獄に落ちるなんて、わたくし思っても見なくて……」


(エンマ様のお話では労働はさせると言ってましたけど…)


「良いんです。沢山の人達を殺めたり苦しめたのだから当然です。それに先程の鏡で、貴女が降らせてくれた雨のお陰で私は元に戻れたのですから。

私の心はずっと暗闇の中に閉じ込められてんです。だけど、突然、私の心に明るいく暖かい光を感じて気がっ付けばこうして外に出てこれたんです。

それに再びこうして言葉も取り戻せたのも、きっと貴女のお陰です。私を助けてくれてありがとうございました」


そう言って頭を下げます。


「あ、うん。どういたしまして……あ、あのね。わたくしの名前はセリって言うの。

わたくしもね、父様が神様で母様が人なの」


そう話すとキャラさんは驚きます。


「まあ、そうだったですか?!」


「うん。それでね。わたくしと同じキャラさんに会いに来たの!お話して見たくて…」


「うふふ。私も嬉しいです。同じ半神半人の仲間に会えるなんて。あちらがセリさんのお父様ですか?とても綺麗な方ですね」


「うん。海の神様なんだよ」


父様は見た目だけは抜群に良いですからね。


そこは娘としても、ちょっと自慢ですよ。


「私の父は、山の神で」


お互いに打ち解けて話せる様になったその時です。


「キャラ…」


知らない、大人の女の人が声を掛けてきましたよ。


「お母様?!どうして……」


(ふぁ!キャラさんのお母様ですか?)



「私も元に戻ったのよ。光の雨のお陰で……。キャラ、私も死んだ身、一緒に冥府に逝きます。これからは、ずっとお前と一緒に、だからもう寂し思いはさせないよ」


「お母様……」


2人は、抱きしめ合い、涙を流して再開を喜んでます。


わたくしには母様がいないので、あんな風にお母様に抱きしめられてるキャラさんの姿を見ると、ちょっと羨ましくなっちゃいますね。


わたくしの気持ちを察してか、父様が再び抱っこしてくれます。


「セリには、僕が居るでしょ」


そう父様に言われてわたくしは少し恥ずかしくなりましたよ。


「うん//」


(//わたくし、そんなに寂しいそうに見えましたかね?恥ずかしい//)


「それにしても冥府はこれからまた忙しくなりそうだね」


父様が、近くにいたエンラ様に話し掛けます。


「はい。正直、咎人が浄化され、人に戻った事は、今までありませんでしたし、冥府での裁判の前例もありません。ずっと地上を、さ迷っていた魂ですので、亡くなった時期や身元もやらも調べねばなりません。これからの事を考えると頭が痛です」


エンラ様は、既に疲れた表情をしてますね。


「まあ、『死星』との戦いは、これからが本番だし、こうした事例は、これからも起こるだろうね。ここは、浄化された咎人を、どう裁くか方針を決めるつもりで頑張って」


父様の話を聞いてわたくしは驚きます。


「え?『死星』って、まだいるの?!」


「『死星』は、『四星』とも言って、全部で4人居るね。今日セリが消した星は、2番目の星。星は数が増えれば増える程の強さが増して行く」


「ふぁ!じゃあ、一番弱い星と強い星の残り3人も居るんだ!」


「そうなるね」



「それに今回の事で、『死星』達は、セリさんを狙って来る可能性もあります」


「え??わたくし?!」



「確かに。『死星』にすればセリこそ天敵だからね」


エンラ様の話に父様も同意したので、わたくしは絶望しかありません。



「そんな~」



「それに今回の事は、天界にも報告が行きます。神々の中にもセリさんの力を欲しがる者も現れるかも知れませんね」


「え??なんで」


「神にとって穢れは毒と同じそれを無効化出来る力は喉から手が出る程に欲しがる者も居るでしょう。セリさんが神隠しにあわなけれは良いのですが……」


『死星』からは命を狙われ、神様からも誘拐されるかもしれない。

(わたくし、もうオサキマックラ)


「大丈夫、大丈夫。皆まとめて、僕が返り討ちにしてあげるから」


「うん。約束だよ」


(ほんと父様、頼りにしてますよ!)


「そうですね。叔父上の娘であるセリさんに、ちょっかいを出す神はそうそういませんね。セリさん、不安にさせてしまって申し訳ない」


「ううん。大丈夫だよ」


「それから、キャラさんの父親についても天界では問題になるでしょうね」


「えっ?!なんで?」


キャラさんのお父様にも何か問題があるんでしょうか?

今週もありがとうございました。


また来週の日曜日夜9時の更新予定です。


大寒波の影響で寒い日が続いております。

我が家では、残念ながら、観葉植物が数点、枯れたりしてしまいました。


植物を枯らした事の無い人間はいないと言いますが、枯れるとやはり悲しいですね……。


皆様もご自愛くださいませ。


広告下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして応援いただけると書くモチベーションに繋がります。


ではまた。

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