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神の娘  作者: アイ氏
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164話

そう返事をすると、縞獅子さんは、お道具鞄の外側に付いていた小さな丸い水晶を取り出した。


そして水晶に向かって喋っています。



「お迎え課、全員に次ぐニャロメ!直ちに、あっしらの居る場所に集まるニャロメ!大量の亡者を捕縛するニャロメ!」



「縞獅子さん、その水晶は何?」


「セリ様、これは通通信機ニャロメです。この水晶を持って居る者に連絡する事が出来るニャロメ」


「玉の水晶に、先程の縞先輩の連絡がはいるニャロメ~!」


玉ちゃんの鞄に付いていた、水晶玉は光ったあと、先程、縞獅子さんの声が聞こえて来ます。



「へぇー便利だね☆」


通信機の説明を、受けている間に、いつの間にか、周りには、火車さん達が集まり、他の亡者さんを、『簡単捕獲縄』で縛り上げ、次々と牢屋に入れて行ってます。



なかには、必死に逃げる方もいて微妙に地獄絵図ですね。


そして少し経ってから、ユジンが、「姫様。失礼いたします」そう言って、わたくしの目の前を手で塞ぎます。


「わっわ!ユジン前を塞いだら何も見えないよ」



「はい。このような光景を、幼い姫様がご覧になるのは教育上よろしくないかと……」


(今さら言われてもね~。手遅れな気がしますが…)


そしてエンラ様はボーゼンとしていたキャラさんに話し掛けてます。



父様も、ユジンも、一応はキャラさんの様子を見ていて警戒しますが、エンラ様が近づいても、『ぽかっん』としたままです。


「キャラさんですね?」


「えっ、あ、はい?そうですが、どうして私の名前を?」


「私は冥府の官吏で、エンラと申します」


「冥……府……?」


「貴方は既に、亡くなっています。故に迎えに参りました」


「え???私が死んだ??」


キャラさんには自覚が無いみたいですね。


「はい。貴方は、『死星』に取り憑かれた時点で残念ですが、既に亡くっています。こちらの鏡をご覧下さい」


そう言うと、エンラ様は、玉ちゃんの『業鏡』を使い鏡に映します。


小さな鏡は、光を反射して、キャラさんの過去の映像を写しだします。


その過去の映像見て、キャラさんは、泣いてしまいました。


「私、こんな酷い事を……」


エンラ様が見せた過去は、『死星』に取り憑かれた時の過去のようです。


「全ては、『死星』がおこなった事でですが貴女にも罪はあります。おそらくは、冥府で裁かれ地獄に落ちる事になるでしょう…」


「……分かりました。私を地獄に連れて逝ってください」


そう言って、他の亡者同様に縛ってください云う風に立ち上がります。


「我々に大人しくついて来て頂けるなら、身柄を拘束するつもりはありません」


「あのエンマ様は、キャラさんを働かせるって言ってましたよ??どうして、地獄逝きなんて話に……?」


「普通に亡くなって、地上をさ迷っているだけなら、そうなりますが、今回は、『死星』が絡んでます。無論、裁くのは父ですが……今回の事案は、どう転んでも地獄、逝きは免れません」


「そんな……」


「本来は咎堕ちした者は裁きも無く、地獄の最下層に封印して来ました。しかし、セリさんの浄化の力で、ただの亡者に戻って仕舞いましが、罪人であることに変わりはありません」


そう言ってるエンラ様の表情は、少し苦悩しているように見えます。


でも、わたくしは、キャラさんを地獄逝きにしたくて浄化をした訳じゃありません。


「父様。なんとかならないの?キャラさんが、地獄逝きなんてダメ!父様からエンマ様にお願いして」


「う~ん。残念だけど、死者の管轄は冥府にあるし、死者の裁きに口出しは出来ない。僕にもどうする事も出来ない」


「ユジン!ユジンは、冥界の神様だからユジンなら…」


「姫様。申し訳ありません。死者の裁きは冥府の十神によって決められます。例え冥界の神と言えど裁きに口出しは許されません」


ここに来て、わたくしは初めて自分の思い通りにいかない現実を知ったのです。


(現実は厳しい…)


そうしていると、キャラさんが、こちらに来ます。


「あの、少しだけあの女の子と話しても良いですか?」


「どうぞ」


エンラ様は、快く許可しました。


キャラさんが、こちらにやって来ましたよ。



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