156話
縞獅子さんが突然慌てます。
「玉獅子の鳴き声がするニャロメ!!」
わたくし達には聞こえませんが、縞獅子さんには、聞こえるみたいですね。
「悲鳴ニャロメ!急いで行くニャロメ!」
わたくし達は急いで悲鳴の方に向かえば、僅かですが遠く離れた場所に何かが、縛木に吊るされているのが確認できます。。
その木の場所に向かう途中には、お道具鞄とかも転がっています。
きっと、縞獅子さんの言っていた玉獅子さんの物でしょうかね。
近くに来れば、ようやくはっきり姿見えます。
「ユキちゃんー!!大丈夫?!」
「おおー!お姫様、お久しぶりであります。ってどうしてここにいるでありますか?!」
一体、何が2匹の身に起きたのでしょうか。
「ユキさん、玉獅子さん。今すぐ助けます」
エンラ様とユジンは縛られていた玉獅子さんとユキちゃんを助け出します。
「ユキちゃん、大丈夫?!一体、何があったの?!」
2匹は、目をウルウルして泣きながら話します。
「半神半人の娘に襲われたであります。我輩、怖かったでありますよー」
「玉達、エンラ様の言い付け通り、半神半人の娘を訪ねてここまで来たニャロメ……そして、冥府に来るように説得したニャロメ。だけど……」
「ふ~ん、アタシに冥府に来いって★★
残念だけどいかないよ★★
アンタ達が神族じゃ無くてつまんない★★でも冥府の神を、誘き寄せるエサくらにはなるかな?★★」
「そう言って、玉達に迫って来たんですニャロメ~。身の危険を感じて、『お道具鞄』から、『簡単捕獲縄』を取り出したけど、『簡単捕獲縄』を使う前にやられてしまったのですニャロメ~」
「そうして、我輩達は逆に『簡単捕獲縄』に捕まってしまったでありますよ。とんでもない凶暴娘であります」
「捕まった時に、玉の黒雲もお道具鞄も全部取り上げられてしまったニャロメ。エンラ様申し訳ありませんニャロメ~」
ふぁ―!!それはびっくりですね。
天界では、可愛いお嬢さんって話で、わたくし父様にその子の真似までやらされたんですが…。
(なんかソンシタ気分)
それにしても、玉獅子さんは、縞獅子さんよりちょっと小さくて可愛いですね~♡
「玉獅子さんに会うのは初めてですよね?はじめましてセリです」
「セリ様ニャロメ~?姉さんの娘さんニャロメ?」
「うん。よろしくね」
「ニャロメ~♡こちらこそよろしくニャロメ♡姉さんみたいに玉ちゃんって呼んで欲しいニャロメ♡玉、姉さん大好きニャロメ♡」
「あ、はい。玉ちゃん。よろしくね」
ほのぼのとした空気が流れてましたが、最初に危険を察知したのは、けんちゃんです!
「!!主気を付けるにゃー!なんか邪悪な気配を感じるにゃー!」
突然、現れたのは、意思の強そうな緑色の目に、黒い髪を一つに結んだ綺麗な女の子です。
その容姿は、どこか人間離れしています。
「あらら、冥府の神の登場★★やったー★★アタシついてるー★★」
でも神と云うより禍々しい感じがして、とても怖いです。
ユジンも、エンラ様も余裕が無くなり、強ばった表情です。
「ま、まさか……呪いの星……」
ユジンは、神器の刀を抜き構えます。
エンラ様もいつのまにか神器を武器の金棒に変えてます。
「あら、アタシの正体にすぐに気づくなんて★★その通りアタシは『死星』。お前達、神を葬る為に生まれた呪いの星の1人だよ★★咎人を操る絶望の星だよ★★」
「完全な復活まで、まだ時間があるはず…姫様!!すぐにこの場を離れてください!!」
そうユジンが叫んだ次の瞬間『死星』と名乗る女の子は、ユジンに容赦無く攻撃をくわえます。
「あはは★★この器は、神の血を引いているからね★★普通の人間より霊力があるんだよ★★その上、人間達に虐げられて、生け贄にされた★★神である父親は、見捨てて天界へ帰っていったよ★★この娘に取り憑くのは簡単だったよ★★この娘の心は、絶望と悲しみと恐怖と怒りで一杯だった★★そしてアタシにすんなりと魂と体を差し出したんだ★★」
わたくしは、突然の出来事に驚いて動けなくなってしまいましたよ!
(呪いの星って一体?!)
そんなわたくしに、けんちゃんは叫びます!!
「主、逃げるにゃー!危険にゃー!」
ユジンやエンラ様からいつもの余裕が感じられません。
「おや★★アタシから逃げようなんて生意気だね★まあ、半神半人だけど神族★★神ならここで一緒に消えてもらうよ★★」
そう言うと今度は無数の化け物が現れ、わたくし達に襲いかかって来ます。
エンラ様と縞獅子さんが応戦します。
わたくしは、ユキちゃんや玉ちゃんと一緒に隠れます。
「どうしょう。あれは何?」
「あれは咎人ニャロメ~。玉達、囲まれたニャロメ~。もうダメニャロメ~終わりニャロメ~」
玉ちゃんは、ウルウルと目から涙が溢れます。
「わたくしも、けんちゃんを刀に変えて戦った方がいいのかな?」
この前の黒い塊退治の時とは違い、けんちゃんを刀に変えて戦っても全然、倒せる気しませんが……。
「主、戦うより、あたいを刀に変えて結界を張るにゃ―。」
「結界?!」
「邪悪な者を近寄らせない領域を作れるにゃ―。刀に変わったあたいを地面に差せば、結界が張れるにゃ」
「うん。わかった」
「神器錬成!!」
(わたくし達を守って!!)
わたくし達の回りには目に見えない壁のような物が、出来て咎人が、わたくし達に近付けないよう様になりました。
でも危機的状況には変わり無いので大変ですよー!!
閲覧ありがとうございました。
土曜日は東京で開催された万年青名品展の見物と『年末ジャンボ宝くじ』を求めて、高額当選続出の有名な売り場で宝くじを40分並んで購入してきました。
日本有数のブラック企業に勤める、私には『宝くじが高額当選したら会社に辞表を叩き付ける!!』という夢があるからです。
月曜日~金曜日まで、ブラック企業で奴隷として働いている私には、土曜日の朝が一番しんどく起きるのも大変なんですが、お出掛けしました。
今回こそ『正夢』になってブラック企業とおさらば出来ると良いのですが……。
来週も日曜日夜9時に更新予定です。
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ではまた来週、よろしくお願いいたします。