152話
エンラ様は用件を話し初めます。
「天界の新年の宴での半神半人の話は、叔父上も記憶に新しいと思いますが、父の分身が冥府に戻ってから、本格的な調査を現世で開始いたしました」
「調査後、確かにその半神半人の娘は存在し、そして数年前に若くして亡くなっていました。ですが魂は未だ冥府には来ておりません。そこで父は、現世に使いを出して迎えに行かせたのですが、未だ冥府に戻らずじまい。何があったか、私が直接が現世に調査に来たのです」
「なるほど…。それで?」
「はい。調査には来ましたが……。私は余り現世には詳しく無いので、ユジンさんに同行をお願い出来ないかと、叔父上には、ユジンさんを、お借りする許可を頂きたく」
「うん。話は分かったよ。ユジン、エンラを手伝ってあげて」
「かしこまりました」
「ご協力ありがとうございます」
「それでエンラ様。若くして亡くなっと言いますが死因とかはわかっているのですか?神の血を引く人間なら、普通の人間よりも、ずっと健康で長命な筈ですが?」
「そちらも、詳しくは…。全ては本人に会ってからです」
「………分かりました」
ユジン難しい顔して考えてますね~。
わたくしと同じ半神半人の女の子会って見たいですね~。
「あの……、わたくしも一緒に連れて行って貰えませんか?」
わたくしのお願いにユジンはビックリしています。
「ひ、姫様。私達は遊びに行くのではありません!!危険です!ダ、ダメです!」
「わたくしも、その女の子に会って見たいの。だってわたくしと同じ半神半人なんでしょ?」
「そうですが…。迎えに行った者は帰還していませんし、その娘の死因も分からない現状、どんな危険があるか!姫様に何かあったら大変です!」
やっぱりムリですか~。
「私は別に構いませんが…。勿論、こちらも叔父上の許可を頂かないとダメですが……」
ふぁ~!エンラ様は許してくれましたよ。
後は父様ですね~。
わたくしは、『お願い』という目で父様を見ます。
父様は、少し困った顔をして考えてますね。
「う~ん。まあ、ユジンとエンラがいれば大丈夫でしょ。いいよ。行っておいで、ちゃんと、2人の言う事を、聞いていい子にしてるんだよ」
良かった、許してくれましたよ。
「ありがとう。父様♡」
「しかし、ここまで娘に甘いと僕は本当に親バカなんだろうか?」
それ今さらですか?
「そうそう。父様は、ずっと前から、わたくしにメロメロなんですよー♡」
そう言って父様に抱きつきます。
「あはは。そうだね」
エンラ様もユジンもそんなわたくし達の様にを、生暖かい目で見ています///
(今さらながら、ちょっと恥ずかしかったですね//)
「では決まりですね。それから、もう少し陽が落ちてから出発いたしましょう」
「え?どうしてですか?」
「私、強い日差し苦手なんです。冥府は地下の異界、太陽の光はありませんし、光の下は眩しくて少々辛い。それに日焼けして肌が赤く腫れる事もありますし。一応、日焼け止めの薬は塗ってますが…」
「分かります。私も冥府から地上に来た時は、この強い日差しを痛く感じたものです。日焼けして、肌が赤く腫れたりとか」
それは冥府の住人『あるある』なんですかね~?
まあ、少し時間が出来たので、わたくしはのんびりお昼寝でもしましょうかね?
◇◇◇◇
こうして私は少しお昼寝をから、カヤメに支度をしてもらいます。
ユジンと父様はお仕事に戻り、エンラ様は客間で持ち込んだ書類の整理をして過ごしていました。
カヤメに動いた易い質素な着物を着せてもらいます。
天界でもらった髪の色が変わる髪紐で髪を、結べば、
わたくしの髪も黒くなって目立ちません。
どこから見ても、町に住んでるお子ちゃまって、感じにしてもらったので、これで大丈夫ですよね?
「カヤメ。変じゃない??」
「どこもおかしくありませんよ。姫様」
「良かった。じゃあ、ちょっと出掛けて来るね」
「はい。いってらっしゃいませ。ユジン様の言う事を、良く聞か無いとダメですよ!」
「うん。分かってるって」
カヤメには、ユジンとちょっと町にお出掛けする事になった言い訳しておきましたよ。
陽が傾きかけた頃、いよいよ出発ですね。