150話
久しぶりの王宮でのお昼は美味しですね。
「セリも、神器を武器に変える事が出来たんだし、次は元素造化を練習して見たらどうかな?」
「元素造化??」
「元素造化と言うのは、火、水、風、土を、生み出したり操る力の事だよ。神族の基本中の基本的な力だよ」
「そうですね。神族なら得手不得手はありますが、誰でも使える力ですから、姫様も練習されると良いと思います。姫様は、きっと陛下と同じで水を、操るのが最も得意かと思います」
「水ですか?父様は、どちらかと言うと氷じゃない?」
「氷は、水の造化の応用だよ」
「へぇ~。そうなんだ。ユジンは?ユジンは、なにを操るのが得意なの?」
「わ、私ですか?私は火が得意です。他にも風とかも少しなら…」
「へぇ~。面白そうだから、やって見るね。どうすればいいの??」
「う~ん。神通力をパッと使えば出来るよ」
父様は、気楽に言います。
「父様、その説明では、ちょっと無理ですよ~。パッて言われても??」
「まぁ取りあえず、食後に庭で練習して見るといいよ」
父様の説明で、本当にわたくしに出来るのでしょうか?
そして食後、父様とユジンに付き合って貰って庭で練習です。
「お水出ろ~。お水出ろ~」
呪文の様に繰り返し念じますが、お水はでません。
「お水なんて、全然、でないんだけど…」
「う~ん。不思議だね~。普通パッと出来るはずなんだけど…」
「だから、そのパッとのやり方がわからないの!」
見かねたユジンが、わたくしの近くまで来ます。
「そ、そうですね。まずは頭に水を想像して見たら、どうでしょうか?そうしたら、力を水を出したい方向に集めると言うか……」
優しく助言してくれました。
「う~ん……」
ユジンの教えの方が少し具体的で分かりやすいですね。
「こう??」
わたくしは、両手を空にかざして、水の球体を想像します。
する、空に小さな水の球体が…。
「あっ、見て水が!!」
「その調子です!姫様」
(もっと、沢山のお水を…)
そうしたら、空には恐ろしいほどの水が貯まって行きます。
流石に、わたくしも、どうしていいか分からず焦りましたよ!
「ち、ちょっと、父様、ユジン、お水が大量に出来ちゃったんだけど、どうしたらいいの?!」
心配になり、父様やユジンの方を見ます。
「ひ、姫様。水の方に集中ください」
「え???」
ユジンの声に、水を見た時には、水の塊は形が崩れて破裂しそうな感じになってました!
そして空に貯まった水が一気に、破裂して落下してしまったのです!!
「きゃー!!」
わたくしは、水を被る前にユジンが抱っこして避難してくれたので助かりましたよ。
庭はバケツを、ひっくり返し多様に辺り一面水浸しになってしまいましたよ!!
「姫様!お怪我は?!」
ユジンが助けてくれなかったら、頭から水を被ってずぶ濡れになってましたね。
「びっくりしたけど、大丈夫」
父様は、水浸しになった庭を見てますね…。
庭が、メチャクチャになったので怒られてしまうでしょうか?!
「あはは。水を大量に造化したのは良かったけど、集中力と制御がなってなかったね」
怒られはしなかったけど、父様、呑気に笑わないでください~。
「普通は練習とかしなくても出来るもんなんだけど、セリは練習が必要だね。変な所が人間ぽいねぇ~」
「じゃあ練習するば、出来るようになるよね?」
「そうだね~。多分だけど」
絶対とは言わないんですね。
わたくし才能が無いのかな?
「水だと、姫様の場合、威力が強すぎるので、他の力で制御の練習をされて見てはいかがでしょか?不得手の力は、威力もでないてすし」
「他の?」
「そうですね。例えは火とか」
火ですか?ユジンが得意とする造化ですよね~。
さっきから父様は、全然、当てになりませんし、ユジンの的確な教えの方が上達するかも知れないので、ここは火をだしてみますかね。
「先程の様に、火を想像して」
「うん」
わたくしは、再び火を想像します。
すると、わたくしの手の平に小さな炎が浮かんできます。
「ユジン、見て!火がだせたよー!」
水の様に、暴走することはありませんでしたが、
わたくしが気を散らすと火は呆気なく消えてしまいました。
「あっ、!!消えちゃった」
「力が安定して無いので消えたものと。ですが、これなら安心して練習出来るかと思います」
「うん。わたくし頑張って練習してみるね」
また1つ、日課が出来ましたね。
閲覧ありがとうございました。また来週も日曜日に更新予定です。よろしくお願いいたします。
ダメにしてしまったモンステラですが、残念ながら完全に枯れてしまいました(泣)
わかっていたけどショックです。
寒くなって来ました。皆様もご自愛くださいませ。
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どうぞよろしくお願いします!