149話
「うん。わかった。母様の事は、父様とわたくしの2人の秘密ね」
そして父様と指切りで約束です。
「さて、アマテルの屋敷に戻ろう。宴を抜けて来たからね。アマテルも心配しているだろし、そろそろ夕食の時間だから美味し物が沢山用意されているよ」
「はぁ~い。ねぇ父様。天界に居る間は、また母様に会いに来てもいい?」
「もちろんだよ」
父様の許可も下りたし、また会えるなんて凄く嬉しいですね~。
さてアマテル様の屋敷に戻って来ましたよ。
「セト。屋敷に帰ったと聞いたが、何かあったのか?」
「ちょっとね。でも騒ぎがあったとかでは無いよ」
「そうかならば良い。こうして久々に兄弟がそして、新たな親族が、そして同胞が一堂に集まって、今日は善き日になった。今日は、多いに飲もうでは無いか」
「うん、うん。そうだね」
そうして、天界での楽しい時間はあっという間に終わります。
とうとう地上に帰る日がやって来ましたよ。
セナお姉さまもアマテル様も見送りに来てくれましたよ。
「セリちゃんまた、天界に遊びに来てね」
「また、いつでも遊びに来るがよぞ」
「はい、ありがとうございます。お世話になりました」
「じゃあ。また来るよ」
父様は、いつもの様に軽く挨拶して別れます。
「セリ。出発するよ」
わたくしは、けんちゃんを抱っこしてから、父様の天馬に乗せてもらいます。
そうして天馬は、再び空と飛び天界の門へと向かいます。
「父様。天界に連れて来てくれてありがとう。母様に会えるなんて思ってもなかったから、凄くびっくりしたけど嬉しいかったよ。それに天界の宴も楽しかったし、エンマ様も怖い神様じゃあ無いってわかって良かったよ」
「うん。それは良かった」
「あたいは、もう天界は、こりごりだにゃ。強い神通力の神ばかりで疲れたにゃ」
けんちゃんには、気の毒でしたが、まあ、また天界に来たいですね~。
◇◇◇
さて月日が流れるのはホントに速いもので、わたくしは、5歳になっていましたよ。
(いや~ホントに速いかったですね~。天界で、2週間以上過ごしただけで、地上では2年の歳月が流れていたんですから……。父様が、自分の年齢がわからない理由が分かりましたよ。天界、地上、竜宮、みんな時の流れがめちゃくちゃで、わたくし、もうすでに、自分の年齢がいくつなのか、良く分からなくなってしまいましたし…)
そんな事を考えボーとしていたら、カヤメが心配そうに話かけてきます。
「姫様。どうなさったんですか?ボッーとされて……」
わたくしや父様が、天界に行っている間も、王宮は何事も無く正常に機能していた。
それは、どうやら父様が、カヤメ達、王宮の人間に定期的に、『忘却の薬』を飲ませているらしく、わたくし達が2年間も、居なくても誰もそれを不自然に思って無いかったからなんですよ。
そもそも、不老不死の父様がずっと王様やっても、精霊のガクサンが宰相して、冥府の死神のユジンが、将軍してても人間達は誰もそれを不自然に思ってませんし、薬を使って人の意識を操るって父様は、悪い神って感じがしますね。
「ううん。何でもないのカヤメ」
「姫様、もうすぐ、お昼の時間ですが、今日も陛下やユジン様とご一緒されますか?」
「うん」
「では、お支度いたしましょうね」
父様は忙しいのですが、それでも、わたくしと一緒に居る時間を作ってくれる。
食堂に行くと、父様もユジンも先に来ていて待っていてくれましたよ。
「父様。ユジン。お待たせ」
こうして、わたくしの日常が再び戻って来たのです。
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また外伝も、明日の朝9時に第2章としてシノエ、ファイ、キシルの過去の話を投稿を予定しています。
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