表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神の娘  作者: アイ氏
149/269

148話


泣いてしまって、お化粧が崩れて顔が汚れてしまい、わたくしの顔は、凄く大変な事になってしまったので、父様は誰も居ない部屋に急いで運んでくれた。


(う~恥ずかしですよー)


部屋に着くと父様に命令された精霊さんが、顔を洗うお湯を持って来てくれたので取りあえず顔を洗って、お化粧を落としてサッパリしましたよ。


「セリ。お化粧なんて100年早いよ」


父様、ちょっと怒った声ですね。


「だって、秋風様とお化粧屋さんごっこしてたから…」


秋風様と遊んでおいでって父様だって言いましたよね?!


「ああ、それなら仕方ないね。取り敢えず、少しは落ち着いたかい?」


お説教は免れた見たいですね~。


「うん。ありがとう。父様」


でも今は、自分の事より母様の事が気になって仕方が無いんですよ。



「あの、それでね。母様はどこに居るの?わたくし会いたいの」


「リアなら、屋敷にいるよ。さっきも言ったけど、リアは眠ってるから会っても話とかは出来ないよ」


「それでも良いの。わたくし、ずっ~と、ずっ~と母様に会いたかったの。もう会えない思ってて、言っても困らせるだけだから、言わなかったけど、会いたくて仕方がなかったの…」


自分の気持ちを、正直に父様に伝えましたよ。


「そうだったのか。ごめんね。気付いてあげられ無くて…。僕には、親の存在が無いから、その辺りの気持ちが、今一よく分からないんだ。わかった。今からすぐに会いに行くかい?」


「いいの?行く!」


父様は、天馬でわたくしを、屋敷へと連れて行ってくれた。


◇◇◇


父様の屋敷は広いので、建物が沢山ありますが、ここは天界に来た時に見た地上の王宮に似た建物ですね~。


「この建物は地上の宮殿と似てるね~」


「うん。そっくりに造らせたんだ。リアとここで暮らそうと思って」


「そうなの?」


父様の言葉にはちょっとびっくりですね。


「地上でリアは色々と辛い思いもしたし、地上の人間達もガクサンも、リアを僕の妻に迎える事は、反対してたから色々と面倒で…」


「ガクサンが?!どうして?」


「ガクサンが、人との恋で悲恋だったらからじゃない?僕とガクサンは違うって事がガクサン自身、理解出来ない見たいだね。まあ、だったら天界の方が気楽に暮らせると思って、竜宮でも良かったんだけど、竜宮は地上とはあまりにも環境が違うから、天界の方がリアには暮らし易いかなって、それでこの屋敷を用意したんだ」


母様は、身分の低いお姫様だって聞いた。


父様は一応大国の王様ですしね~。


昔、父様が話してくれたガクサンの過去、確かにあれを聞いたら反対しても仕方ないですかね~。


でも、父様は母様を神様と同じ様に不老不死に出来たり、今もなお母様を、生き返らせ様としているから、そう考えると確かに違いますね。



地上の暮らしが大好きな父様なのに、母様の為に、地上暮しを捨てようとしてたとは、びっくりですね~。


「でも、父様は今も地上で暮らしてるのはなんで?」


「リアは眠ったままだし。セリが小さからだよ。さっきも話してたけど、天界では子供の存在は稀でね。精霊も多分、子供の世話は難しいと思うから、寧ろ子育ては、人間の方が得意だろうし。でも、今のセリなら、精霊でも世話は出来るだろうから、セリが、リアの側で、天界で暮らしたいなら暮らしてもいいよ」


母様の側で、でも母様は眠ったままなんですよね。


「ううん。わたくし地上で暮らすよ。王宮のみんながいるから。それにね。お肉やお魚食べたいもん」


そんな話をしている内に、母様の眠る部屋に着いたみたいです。


「さあ。部屋に着いたよ」


父様が戸を開けてくれる。


広いお部屋には、花が活けてあったり、窓が少し開いていて、空気も入れ替えられていて、生活感に溢れています。


そして穏やかな顔で眠っている、母様の姿があったのです。


「母様…」


わたくしは、側に寄って呼んでみますが、起きる様子はありません。


「…………」


父様の言う通り、眠ったままで返事はありません。


だから、わたくしは、母様の顔をただ、じっーと見つめる事にしましたよ。


この先も離れて暮らしていても母様の顔を忘れない様に。


そして母様の手にそっと触れると、その手は、とても暖かくて、耳を澄ませば穏やかな寝息も聞こえて来るので、本当に生きているんだなぁ~って安心しましたよ。


(竜宮のみんなに聞いてた通り、華奢で可愛って感じなのは本当ですね~)



それにしても母様とても若いですね……。


童顔なんですかね?


(父様、犯罪はして無いですよね~?!チョトシンパイ)


わたくしは、母様はカヤメみたいな感じだとずっと思ってましたが似てませんね。


カヤメよりも若いし、細いし。


父様も優しく感じ母様の顔を見てます。


「それでね。セリ。リアがこうして天界で眠っている事は誰にも言ってはダメだよ」


「どうして?」


「リアは、地上では死んだ事になって居るし、色々と混乱が起きるから」


確かに、母様は生きてます!なんて言ったら、みんな驚きますよね~。







お読みいただきありがとうございました。


急に寒くなって来ましたね。


皆さまもご自愛くださいませ。



広告下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして応援いただけると嬉しいです。


来週もどうぞよろしくお願いします。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ