136話
父様が、居るので大丈夫だとは思いますが……。念のため父様の側に行きます。
父様も、エンマ様に警戒していますね!
「エンマなぜ、竜宮に居る?!まさか、またセリを、拐いに来たのか?!」
「余は、それ程暇では無い。天界に向かう途中だ。竜宮で少し休んでから天界に行うと思ってな。だが娘の世話が出来ぬなら、いつでも冥府で引き取ってもよいぞ」
「ちゃんと世話してるし、セリを真っ暗な地下にやるつもり無いよ!」
「仲良くやっているならば、それで良い。拐うつもりは、もう無いが、そなたと1度ちゃんと話たいと思っておった。故に兄者に、新年会に、そなたを、呼ぶ様に頼んだのでな」
「おお。エンマ、千年ぶりか?久しぶりよな」
「兄者、冥府の時の流れは天界、地上よりも速いが千年は立っておらん。ところで、そなた達は、なぜ竜宮におる?」
「実は、天界の穢れを祓いの儀でな……」
アマテル様は、気まずそうに話します。
「??祓いならば、天界で行われるのが通常であろう」
「つまり……話せば長い事ながら、色々と理由があってな~」
そして、アマテル様は竜宮に来た事情をエンマ様に、話しましたよ。
最終的には父様とアマテル様、エンマ様、揃ってあの黒塊を、
退治する事になりました。
戦闘用潜水艇、三番艦『アラナミ』に乗って、黒い塊を捜します。
が船内は、戦闘の緊張感がまるでありません…。
船内ではのんびり、お茶の用意がされています。
ジェノとシスカが、一緒に乗って、アマテル様、エンマ様には、お茶やお菓子を振る舞い。
わたくしと父様は、お昼ご飯の用意をしてくれました。
「おお、これは地上の菓子か?美味よな。ところでセト……。我の前で、魚を、食べてくれるな…」
「でも、僕達、お昼ご飯まだ食べて無いし。セリにもご飯を、食べてさせないとね」
「うむ。食事は良い。だが、その魚は、我の愛し子。変わり果てた我が子の姿は、見たくぞよ」
「ふぁーー!」
(この魚が、アマテル様の子供ーー!?)
「変な事を言うから、セリがびっくりしてるじゃ無いか!相変わらず、その考えはどうかと思うよ。造化で造った生き物が、全て君の愛しい我が子って……」
「全ての生命は、我が愛によって産み出された。我にとっては、精霊も、人間も、動物も、魚も皆、等しく愛しい我が子よ」
「あっそー。でもここは天界じゃあ無いし、地上では、肉や魚は、食糧だし。僕は造化で造った生き物を、食べるのに別に躊躇いは無いから。そんな訳で、僕達は遠慮なくいただきます。ほらセリも気にせず食べて」
「でも…」
もう、この魚は、食べられなくなって仕舞いましたよ。
「う~ん…仕方ないな。セリは、果物好きでしょ?僕の果物もあげるよ。ちゃんと食べ無いとね」
「うん。父様、ありがとう♡」
「あい、すまぬ事をした。地上では、肉や魚を食べるのは当たり前だったな。すっかり失念しておった。詫びに、我の菓子も食べるがよい」
アマテル様に悪気は、なかったようです。
「余の冥府も、造化で造った生き物を食べるのに、別に躊躇は無い。兄者の感覚がおかしい。造化で造った生き物は、我が子ではない」
「エンマ、そなたまで……」
父様やエンマ様に否定されてアマテル様、しょんぼりしてますね。
「冥府には、余が、造った生き物が多数おるし、中には食糧としている物もおる」
「地獄の温泉卵、美味しですよね♡エンラ様が、はじめた通信販売で取り寄せた白いお饅頭とかいちご牛乳も大好きですしどれも地上より、大きくて量が多いからびっくりしました」
「ふむ。冥府の鬼達は、皆、食欲旺盛でな。地上の人間達よりも食べる量が多いのだ。冥府では、あれが普通の量だ。冥府は、人間が死して来る場所、故に地上の料理は、冥府にも広まり、地上と似た料理も盛んに、冥府で作られるておるしな。それ故、肉や魚も冥府では当たり前に食べておる」
「へぇ~だから冥府の通信販売のお料理は、ちょっと地上の料理と似ているんですね」
そうして、お食事を終えてゆっくりしていた所に、報せが入ります。
「主様、黒い塊を発見いたしました」
さあ、いよいよ戦いのはじまりですね!
仕事が、忙しく更新遅れました。申し訳ありません。
今週は、一話更新です。
仕事と外伝の方の準備が忙しく、『神の娘』少しの間、休載いたします。
再開いたしましたら、またよろしくお願いいたします。