134話
父様は、天界は安全って言ってたけど、天界の方が危ないですね。
一体、天界に何があったのでしょう?!
「あの黒い塊はなんだ?!なぜあんな物が天界に現れたんだ?」
「ふむ。話せば長くなるが、あれは我が造ったのよ」
(ふぁー?!)
「は?!」
これにはわたくしも父様も驚きですよ!
「なぁに、退屈しのぎよ。毎年、邪気をただ祓うだけでは退屈でな。邪気を、造化の力で生命体にしたら面白いなと…。そうして倒せば、体も鍛えられて一石二鳥になるとな!ただ倒す前に逃げられてしまってな……。それ故、被害が広がる前に倒そうと探しておった」
(アマテル様は何てことを……すでに被害出てますし)
「そう。わかった…。あの黒い塊なら…。僕が地上に送ったから、天界の被害の心配いらないよ。まずは君の首を辺りを斬り落としてから、僕があの黒い塊を、地上に戻って始末するよ……」
父様、ニコニコ笑顔ですが、完全に目がヤバいですね!!
(ものすごーく怒ってる!)
父様の神器の大通連はすでに刀になっていて父様は腰に差してます。
そうして父様、ゆっくりと大通連を抜きましたよ!!
大通連を抜いてジリジリと、アマテル様との間を詰めます。
「お、弟よ!早まるな!落ち着けー!」
「大丈夫、大丈夫。神は不老不死。首を斬られも死がないから…ね…。ただ傷が治るまで、しばらく痛いだけだよ」
父様は、刀を振り上げて斬り掛かります。
アマテル様は、父様の攻撃を『ヒラリ』と紙一重で交わします。
それでも、父様は攻撃はやみませんが、アマテル様も攻撃を上手く避けて逃げ回ります。
(がっちりした、ムチムチ体格なのに、すばしっこいですね~!)
「わぁー!!落ち着け!我は、あれを追わねばならぬのだ!新年の祝宴も控えておる!そんな時に怪我などしては支障をきたす」
あの黒い塊を早く倒さないと、地上が危険なのに、仕方ありません。
ここはわたくしが、なんとか父様を止めるしか無いですね。
「父様!地上に飛ばした、あの塊も倒さないと地上に被害出ちゃうよ!早く地上に戻どろうー?!」
父様の動きがピタリと止まります。
「………そうだね。わかった…。アマテル、この落とし前は、あの塊を始末してからにするよ」
「待て!我も行こう。あの黒い塊は、元々我の獲物よ」
「勝手にどうぞ」
そうして、父様とアマテル様は協力(?)してあの黒い塊を倒す事になったのです。
◇◇◇◇◇
ここは父様の屋敷。
「セナお姉さんは?大丈夫かなぁ??」
「アマテルの屋敷の浄室に運ばれて精霊が看病してるから、心配いらないよ。僕も薬を届けさせたし」
「ホント?よかった!後ね。けんちゃんが、刀のまま元に戻らないの、どうしたら子猫に戻るの?」
「おっと、錬成解除してなかったね。ごめん。今、錬成を解除してセリに賢妙連を返すよ。ありがとう、とても助かったよ」
「錬成解除」
そう父様が言うと刀は光り、今度はいつもの子猫のけんちゃんに戻ります。
だけど、、けんちゃん、子猫に戻った途端、父様を見て泡を吹いて気を失いましたね。
父様は、気を失ったけんちゃんをわたくしに返してくれます。
(目覚めるまで、わたくしが抱っこですね~)
いや~、子供の父様の戦う姿はカッコよかったですね。
わたくしも、あんな風にけんちゃんを使える日が来るんでしょうか?
父様は造化の力を余り使わないから、もう分身を造ったりする事は無いかも知れませ。
もう子供の父様に会えないのは、ちょっと残念ですね。
「さてと、僕は地上であの黒い塊を倒さないとね」
父様が地上に行きます。
わたくしも、あの塊がどうなったか気になりますね!
「父様、わたくしも一緒に行きたい」
「危ないからダメ!」
「1人でお留守はいや~!それに父様は強から大丈夫でしょ!」
「う~ん…」
「まあ、良いではないか!我もいる!心配はいらん」
「この騒ぎの元凶は君だと言う事を忘れないでもらいたいな!
まあ、僕とアマテルが、居るんだし危険でもないか…。分かった。セリも一緒に行こう」
「うん」
黒い塊を父様達がどう倒すのかドキドキですね~!!