125話
「む~。精霊が作った髪飾りだったか」
「白尾様、店の者が大変失礼いたしました。そう言う事でしたら、特別価格で白尾様に髪飾りを提供させていただきます。王宮には、美人な女性が沢山おりますからな。白尾も隅に置けませんな」
「//ホントか~。まあの。ハフサお前話のわかる奴だな」
「勿論でございます。ところで、白尾様のお好き娘とは、王宮の××嬢様でごさいますか?」
「××じゃ。だが、×××も良いと思っておる」
「はは。王宮には、良い娘が沢山おりますからな。白尾様も好き者ですなー」
おーい、こら!ここに幼い乙女の、わたくしがいる事を忘れてませんか?!
まったくー!もう白尾とハフサの事は放っておきましょう。
さて、お子ちゃまの、わたくしは、お風呂に入って寝る時間になってしまいましたよ。
「シノエもさっきは、母様の話を父様に黙っていてくれて、ありがとう。シノエは、わたくしの母様に会った事はある?」
「奥様ですか?あると言えばありますが、正確には、お見掛けしたですかね。主様とご一緒に竜宮にお出でになられました」
「え!そうなの」
「はい。ですが、ジェノ様からは主様達の邪魔はしない様に通達がされ、お食事もお部屋で主様と2人で召し上がられて、次の日には、地上に帰られたので、結局お世話もお話する事も出来ませんでしたね」
竜宮の皆さんは、本当にお・も・て・な・し好きですものね~。
とは言えシノエは、今日は一杯働いて、その上わたくしのお風呂世話までこき使ってホント申し訳け無い。
「ありがとう。シノエ。今日はゆっくり休んでね」
「はい。ありがとうございます。ではお休みなさいませ」
ここは父様のお部屋、久しぶりに、父様と一緒に寝る約束したんですよね。
「父様。お待たせ。お風呂入って綺麗になったよ」
「ちゃんと温まってきた?」
「うん。百数えるまで入ってたもん」
父様もお風呂上がりですか…。
お風呂上がりの父様、なんか色々危ないですよ。
寝間着だし、いつも結んでる髪はほどけてて、まだ少し濡れし。
見知らぬ女の人が見たら悩殺ものですね~。
まあ、娘のわたくし悩殺されませんけど……。
それはそうと、父様にお願いしたい事があるんですよね~。
ここは、ど~んと頼んでみましょう。
「あのね。エンラ様がね、通信販売はじめたんだって。見本を沢山くれたから、父様にも1冊あげるね」
「通信販売?!」
父様も驚いてますね。
その気持ち、わかりますよー。
「そう。食べ物が、主なんだけど、他にも雑貨とかもあるんだよ」
「エンラも面白い事をはじめたね」
「うん。それでね。わたくし、この『冥府温泉巡り湯花の詰め合わせ』と、『甘いイチゴ果汁たっぷり温泉イチゴ牛乳』が欲しいの!父様、買って♡」
「セリの欲しい物を注文していいよ」
「ホント?ありがとう父様♡」
わ~い。おねだり作戦成功ですよ~。
「僕も何か買ってみようかな」
その上、父様もなにか買うんですか?
また更に美味し食べ物が食べられそうですね。
「あれ?この饅頭は?!」
『フワッとしっとり白い温泉饅頭』ですか。
確かに美味しそうですね~。
「父様、そのお饅頭食べた事あるの?」
「うん。多分……」
「多分??」
「記憶が曖昧でね。それよりセリ夜更かしはダメだよ。もう寝ないと」
「は~い」
わたくしが、寝ている横で父様は、熱心に見本を見ていましたよ。
父様、他にもどんな冥府の食べ物を、取り寄せるのか楽しみですね~。
こうして、わたくしの2度目の竜宮旅行は終わりました。
最近、仕事が忙しくて体調がすぐれないので、来週の更新はお休みいたします。
楽しみに読んでくださっているのに、本当に申し訳ありません。
再来週には、更新再開の予定を考えていますが、体調面で不安があり本当に更新出来るのか正直未定です。
また再開いたしましたらよろしくお願いいたします。