123話
わたくし、いつの間にか知らない所で救世主になってしまってましたよ。
ビックリですね~。
何にもして無いんですけどね…。
その時です。聞き覚えのある声が…。
「探したよ。ここにいたのセリ」
ふぁ~。本当に父様ですよ。
って!!会っていきなり抱っこですか??
父様、そんなに寂しかったんですか?
甘えん坊さんですね~。
まあ、ここは大人しく抱っこされててあげましょう。
「父様、どうしてここに?!」
「ん?セリが、なかなか帰って来ないから心配でね。それにしても、屋敷はなんか色々騒がしいね。何かあったの?」
わたくしが心配でも、ちょうちん草大会が終わってから竜宮に来るのが、父様らしいですね。
「ファイがね。ちょうちん草大会で優勝したんだよ。だから今日はお祝いするの。地上には明日帰る予定だったんだよ」
「へぇ~。まあセリが元気なら良かった」
へぇ~って、それだけですか?!ファイが優勝したのに!!
そこまで、ちょうちん草大会の話はしたくないですか、そうですか…。
大人な、わたくし気を利かせて話を変えましょう。
「父様見て。父様が買ってくれた蓮に花が沢山咲いたんだよ♡」
「本当だ。綺麗だね」
「でしょ♡だから見に来てたの」
「主、お久しぶりでございます」
「やぁ、ハフサ。久しぶりだね。君は、僕を恐れて暫くは、天界に居るものだと思っていたよ」
逃げていたのは、父様も知っていたんですね。
「はは。まさか地上での事は、全てガクサン様の責任。何故、私が、主を恐れて天界に逃げましょうや」
いや、さっき逃げたって思いっきり言ってませんでした?!
「まあ、そう言う事しておくよ。僕は、久しぶりにセリに会えて機嫌が、いいから昔の事は許してあげる。この話は、ここまでにしよう」
「はい。ありがとうございます」
父様とハフサ、狐と狸の化かし合い見たいな会話ですが、それでもなんか仲良というか信頼関係見たいなものを感じます。
父様が、わたくしに母様の話をしてくれないのは、失恋したからなんですねきっと。
それにしても母様は、父様の何が気に入らなかったんですかね?
容姿は抜群に良いし、地上でも王様なんだから、経済力にも問題なし……。
………やっぱり性格ですかね~?!
うん。きっとそうですね。父様はお子ちゃまだし~。
「???セリどうしたの?さっきから僕の顔ジーッと見て?」
「ううん。何でも無いよ」
(いけない、つい母様の事を、考えていたらら父様をじっーと見てしまいましたね)
まあ、父様が可哀想だから、これからも母様の話は父様の前でしないで方が良いですね。
わたくしは、精神的に大人だし、お子ちゃまな父様を、これからも暖かく見守りましょう。
「主様、お嬢様、ハフサ様。そろそろ宴会の準備も終わっている頃ですので、お部屋の方へ戻りませんか?」
「うん。父様、ジェノが、ご馳走を、てんこ盛り用意してくれてんだよ。早くいこ♡」
「そうだね」
父様は、わたくしを抱っこしたまま廊下を歩く。
「そう言えは、2人は何か話してたみたいだけど、何の話をしてたの?」
え?母様の話とは答え煩いですし、どうしたものですね~。
「あ、えっと、父様の昔の話…」
「僕の?」
わたくし嘘は言ってませんよ。
ただハフサやシノエは、わたくしが母様の事、聞いたてきたって言っちゃいますかね?
「はい。主様の昔の事でございます」
おや、ハフサが答えましたよ。
シノエは何もいわないし。
「私が主様に使え初めた頃は、地上で主様は寝食すら忘れてひたすら薬作りに夢中な頃で、主様のお体をどれほど心配したことか、その主様がこうして立派な父親なられる日が来るとは夢にも思いもしませんでしたと……」
「ハフサ!余計な事を//」
ふぁ~。そんな事があったんですか?
「いや~。長生きはするものですな。可愛いお嬢様にお目にかかる事が出来て、嬉しさと感動で私はもう涙が止まりませんと、私のこの喜びと感動を、お嬢様にお話し申し上げました」
ふぅ~。ハフサも誤魔化してくれて良かったですね~。
ハフサ機転が効いて空気も読めて助かりました。
でも、ハフサが、父様に使え初めた頃って、一体いつの話なんですかね?
今週もありがとうございました。また来週更新予定ですよろしくお願いいたします。