122話
ふぁ~。やっぱり怪しい人ですよー!
自分から普通じゃあ無いとか言ってます!!
そう思って警戒したら、慌ててシノエが説明してくれた。
「お嬢様、心配ありませんよ。ハフサ様は主様に、とても古くからお仕えしていて、三界やこの竜宮にも自由に行き来が出来る特別な方で、精霊や、人魚に唯一命令が出来る方なんです。私も人魚も、みんなハフサ様を上司として尊敬しております」
「本当?!」
三界や竜宮にも行ける、それは確かに普通の人間じゃあありませんね。
「はい」
シノエが、そう言うのなら心配いりませんね。
「いやぁ~。それにしてもお嬢様は、主様にもお母様のリア様にも良く似ていらっしゃいますね。主様が、溺愛さるのもわかります」
父様が溺愛ですか?!
まあ、確かにそうかもですが///
改めて言われると気恥ずかしいですね//
まさか母様に似て居ると言われるのは、正直初めてですよー!
みんな、わたくしを見ると父様に似ているって言いますし。
それにしても、わたくしの母様に知っている人に会うとはビックリですね。
「あなたは、わたくしの母様を知っているの??」
「はい。王宮でお会いいたしまたし、その後も、お会いいたしましたので」
「本当?!じゃあ、教えて母様のこと、どんな人だった??」
「なんて言うか、お元気な方で……」
「元気??」
「ええ、つまりそう例えるなら、草原を元気に走り回る小馬か小鹿の様な方ですかな」
「………それって、母様が、馬鹿って事?!」
「あ!!い、いえっ、決してその様なつもりは!!そう、見た目は華奢と言うか、細身で、それはそれは可愛方でいらっしゃいますが、とても元気に動き回っておられますから、失礼ながら草食動物の様にも思えて、主様も、そんなリア様がお好きだったのでしょう」
「じゃあ、どうして父様は、母様と正式に結婚しなかったのか知ってる?やっぱり母様の身分とかのせい?」
「神々に取って人間の作った身分など関係ありませんよ。神々こそが、この世で最も尊き存在なのですから、その神々から見れば、精霊も人間も人魚も冥府の鬼も、皆、取るに足らない存在ですよ」
「だから、母様とも結婚しなかったの?」
「いえいえ、主様にとって、リア様は大切な方。正式にリア様を奥様に迎えるつもりでしたよ。何せ結婚前から、すでに宮殿ご一緒にお暮らしだった位ですから、まあ、主も健全な男性ですかから、我慢出来ずに、結婚前ですがリア様を「ハフサ様!!下品ですよ。まだ幼いお嬢様の前で、少しは考えて発言してください!!」
シノエ、さっきまでハフサは、尊敬する上司とかく言ってたのに、お説教ですか?!
(まあ~お説教したくなる気持ちはわかりますが…)
父様に古くから使えているって事は色々知ってますよね?
他にもずっと知りたかった、父様の他の子供について知っているか聞いて見ましょう。
「あとね、その父様の子供って他にも居るんでしょ?わたくし、誰も会った事が無いんだけど、ハフサは会った事があるの?」
「は?他のお子様?」
あれ?なんかハフサもシノエも、分からないって感じでキョトンしてますね??
「あ!!、もしやお嬢様は、神殿事件を噂をお耳に入れられましたかな」
「神殿事件?!」
「はい。お嬢様が、お産まれになる前に、主の子供、神の子と名のる者達が、神殿を勝手に造り、旅人や民を騙し、荷物の強奪や人攫い等を行った事件です。大変な大事件で被害者も沢山おり、その上、咎人も関わっていて、主はその神殿の者達を1人残らず捕らえ、処刑されました」
「その神殿の子供は、父様とは関係が無いの?」
「勿論でごさいます。お嬢様が、どんな噂を耳にされたかはわかりませんが、主様は、我が子を殺したりされる方ではありませんし。リア様をとても愛しておられました。
ただ天界にリア様との結婚を報告に行かれて、主が地上を留守にされた間に、リア様は、突然、王宮を去られて、あのようなご不幸が……」
「そうだったんですか…」
「はい」
わたくしは、ずっと父様が、母様を捨てたと思っていたけど、なんか違う見たいですね……。
父様は結婚しよう思ってたけど、突然、母様が王宮を去ったって……。
どちらかというと父様が、失恋したんですかね?!
「天界で、リア様のご不幸の知らせが届いた時には、誰もが皆、地上は、もう終わり迎えると思っておりました」
終りですか?!
父様の失恋で地上が滅びるとか大迷惑ですね!
「私もまた主の怒りを恐れて、天界に逃げておりました…。ですがお嬢様の存在が、お主のお怒りを鎮められ、地上は終わりを迎えずに済んだので戻って参りました。いや~。お嬢様は、まさに地上の救世主でいらっしゃいますね」
救世主って、大げさですね~。
でもハフサのお陰で色々驚きの事実がわかりましたよ。