121話
ー翌日ー
竜宮の屋敷では、朝からファイの初優勝おめでとうの宴の準備で皆が慌たしく働いてましたよ。
まぁ~。お子ちゃまの、わたくしは何もする事が無いですけどね。
皆の邪魔にならない様にお部屋でのんびりしていた、わたくしにジェノが宴の料理の希望を訪ねに来ます。
「お嬢様。宴会のお食事ですが、ファイが、優勝したちょうちん草の実を提供してくれることになりました」
え??アレ食べるんですか?!?!
「あの実、食べるの?」
「はい。ちょうちん草は、食糧ですので、ちょうど実は完熟で食べ頃ですから、そこで、せっかく喋る珍しい実ですので、活け造りのお刺身はいかがでしょう?それとも何かご希望はございますか?」
完熟ちょうちん草の実は魚なのか?、果物なのか?
本当に謎ですね~。
それにしても、活け造りとはジェノは、なんて恐ろしい提案を…!!
(あんな、怖い悲鳴や怪談を聴きながら、ご飯なんて絶対に食べれませんよ!!)
ここは全力で回避ですね!
ちょうちん草の料理と言えば、以前食べた種の唐揚げすごく美味しかったから、アレを果肉でやっても、きっと美味しいですよね。
「わ、わたくし、唐揚げが食べたいな。そう!ちょうちん草の唐揚げ!勿論、種の唐揚げも美味しいから種も、みんな唐揚げに♡」
「唐揚げでごさいますか?畏まりました。では唐揚げにいたします。他に、お嬢様の食べたい物はございませんか?」
わたくしの食べたい物ですか?
う~ん。そう言えば、ちょうちん草料理部門の優勝料理は、わたくし食べて無いんですよね~。
ジェノに今から食べれるか聞いて見ましょう。
「あのね。ちょうちん草大会の優勝料理が食べて見たいの!わたくしが食べたこと無いお店だったから、ダメ?」
「大丈夫でございます。それでしたら歴代の優勝料理も用意いたしましょう」
「え?そんな事、出来るの?」
「はい。可能でございます。歴代の優勝料理は、全て竜宮の料理屋でございますから、出前で取り寄せ可能です」
「出前なんてあるの?!」
冥府の通信販売に、お料理の出前まで出来るとは、竜宮は色々便利ですね~。
「はい」
「じゃあ。お願いね。ジェノ」
「畏まりました。また、白尾様には稲荷寿司、ユジン様には冥府のお料理も用意させて頂きます」
「うん。ありがとう。ジェノ。楽しみにしているね」
こうして、ファイ優勝おめでとうの会の料理が決まります。
わたくしが部屋で退屈して居ないか、心配したのかシノエがお散歩の提案をしてくれましたよ。
「お嬢様。まだ、宴会まで時間が少し有りますし、以前お気にめされた蓮が花を咲かせました。見頃ですので見に行きませんか?」
「シノエ、本当?!行く!」
おお!!こちらでは、もうそこまで育ったんですか?!
流石、キシル、竜宮の庭の魔王様ですね。
王宮の庭の池にも有るんですが、今だに葉だけで、花は咲かないんですよね~。
池に行けば、池1面に蓮が咲いてます。
「ふぁ~すごい!!」
「兄さんが、お嬢様の為に、丹精込めて世話しましたので、この池も蓮の為に新たに作ったですよ」
まさか専用の池まで作ってくれるなんて、ちょっとびっくりしましたね。
でも、とても素敵で感謝しかありません。
「ありがとう」
そうして、蓮を見ていたら、知らない男人が、声を、掛けて来ましたよ。
「おや、もしやセリお嬢様でございますか?!」
「そうですけど…貴方はだあれ?」
見掛けない方ですね。
黒い髪に黒瞳、やや浅黒い肌、正直人間に見えますが、ここ竜宮には人間が居る筈も無いですし…。
「これは失礼いたしました。私はハフサと申します。お嬢様の父上である、大海の神々セト様にお仕えして居る者で、決して怪しい者ではございません」
「父様に?じゃあ、ハフサ様は精霊さん??」
「私の事はハフサと及びください。いえ、私は精霊では無く人間でございます」
「え?!人間!!」
まさか、竜宮で人間に会うとは驚きですね。
「ただし、少々普通の人間ではありませんがね」
なんか怪しい人ですよー!
自分から普通じゃあ無いとか言って!!
逃げた方がいいですかね?!
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沢山の方に読んで頂きますありがとうこざいます。
これからも『神の娘』よろしくお願いいたします。
また来週の更新でお会いしましょう。ではでは