112話
わたくしが、冬厳様とお話をしている時に、ユジンとアズが帰って来ましたよ。
「姫様、ただいま戻って参りました。お変わりございませんでしたか?」
「お嬢様、お待たせいたしました」
アズは、お菓子ぽい料理を沢山もって来てくれましたね。
(美味しそうですが、正直お腹が一杯でそんなに沢山は食べられませんよー!)
まあ~、それはともかく……。
今は冬厳様の事ですねー。
わたくしは、立ち上がってユジンの側に行って話し掛けます。
「おかえりなさい。ユジンちょうど良かったー☆わたくし、ユジンに大事なお話があるの!」
「はい?姫様いかがなさいました?」
「あのね。冬厳様が、ユジンのこと、すきな「ワァーー。君は一体何をユジン殿に言うつもりだーー!!」
わたくしがユジンにそう言うと、冬厳様は慌てて、わたくしを抱き上げて口を手で塞ぎます。
わたくしは、驚きながらも、冬厳様に聞きます
「え?ゆじんんとおもももだなだだんじやなの?」
『え?ユジンとお友達になりたいんじゃないの?』
(口を塞がれているので上手く喋れませんね~)
「それは…/// とにかく君の言い方は誤解を招く///」
そう答えが帰って来たので、わたくしは訳がわからないので聞きます。
「ごがぃ?」
『誤解?』
(あれですかね…。冬厳様も、父様と同じでお友達を作らない主義なんですかね~?)
それなら、わたくしは余計な事してしまいましたかね……。
更には、ユジンも怖い顔して、こっちに近づいて来ましたよ?!
(ユジンも、お友達は作らない主義でしたかね?!)
そしてユジンは腰に差していた刀を冬厳様に突き付けます!
「冬厳様、今すぐ姫様をお放しください。いくら冬厳様でも無礼が過ぎます」
そう怖い顔でいいます。
「ふぇ?!」
わたくしは、やっと自分の置かれている状況を理解しましたよ。
確かに端から見れば、冬厳様は、お子ちゃまの口塞いで抱き抱え、まるで誘拐直前の危険な感じに見えるのです。
冬厳様も、この状況に慌てて、わたくしの口から手を離します。
固まってしまった冬厳様に代わって、わたくしがユジンの誤解を解きます。
「ち、違うよ!誤解だよ!ユジン!!」
そうユジンに言えば、先程の怖い表情は和らぎ戸惑いがちに言います。
「え、は?!ご、誤解ですか??しかし……!」
固まっていた冬厳様も、ようやく少し落ちついたのか話します。
「うむ。ユジン殿の申す通りだ。大変失礼した。申し訳ない……」
そう言って冬厳様は、わたくしを放してくれましたよ。
(あれ?冬厳様泣いてない??憧れてるユジンから、剣を突き付けられ誤解され、それは泣いちゃいますよね~)
わたくしは、冬厳様が心配になり話し掛けます。
「冬厳様、大丈夫??泣いてるの?」
「別に泣いてないぞ。目にゴミが入っただで……」
(ああ、絶対に泣いてますね)
わたくしは、ユジンを窘めます。
「もう、ユジン、冬厳様を泣かせたらダメじゃない!!」
わたくしがそうユジン言えば驚いています。
「え?!私がですか?」
「うん。他にいないでしょ。ユジンっては、もうホント罪な男なんだから~」
「???それは大変申し訳ありません…」
ユジンは分かって無い様ですが謝ります。
そこへシスカが戻って来ましたよ。
「お嬢様ただいま戻りました。お待たせして申し訳ありません。それから白尾様とユキ様が、気がつかれましたのでお連れしました!」
シスカは飲み物を持ったまま、わたくし達の様子がおかしいのに気が付きます。
「ん?あら?えっと~。なんか色々立て込んでますね…」
更には、そこに白尾やユキちゃんも加わり、混沌とします。
「なぜわしばかりこんな目に……」
「我輩、錯乱して暴れてしまったであります……エンラ様に叱られるであります……」
「……………」
傷心者が1度に三人も増えてしまったのには困りましたね。
こうなったら、ファイを励ます会より先に三人を励ます会を屋敷で開きましょう!
わたくしは、シスカとアズに頼みましたよ。
◇◇◇◇
さてあの後直ぐに、ちょうちん草大会の会場から屋敷に帰って来ましたよ。
わたくしは取り敢えず、ちょうちん草料理の投票用紙は地獄の料理店に入れましたよ。
(ユキちゃんが、暴れた事でお店の評判とか落ちてたら申し訳ないですし、ユキちゃんの元飼い主として、少しでも力になったら良いのですが…)
そして、春眠様、冬厳様や獅子さん達、エンラ様を初め冥府の皆さんも誘って屋敷で一緒に3人を励ます会をします。
急でしたが屋敷の人魚さん達も、快く、『皆さんを招待しても大丈夫です』って、言ってくれたので励ます会を開く事ができましたよ。
そうして賑やかな晩餐の始まりです。