10話
この日の朝は、わたくしに、とって特別な朝です。
なんと今日で1歳です。
1年間、色々ありましたが無事に生きてますよ~。
朝1番に、けんちゃんから、お花の贈り物です。
「主、1歳おめでとうにゃ~ん♡」
そう言って口に咥えていた、お花をくれます。
それは、野に咲く名前もわからない、お花でしたが、まだまだ冬の寒い中、歩き回ってお花を見つけてくれた大切の送り物です。
その後には、カヤメとサラも贈り物を渡してくれます。
「姫様、お誕生日おめでとうございます。こちらは、私の手作りの前掛けです。お食事の時にお使いくださいね」
そう言って、カヤメは前掛けを見せてくれました。可愛、お花の刺繍がされた素敵な前掛けですね♡
「姫様、お誕生日おめでとうございます。私はからは手作りのお人形です。こちらで遊んでくださいませ」
そう言って渡したのは、けんちゃんに、そっくりな、ネコのぬいぐるみです♡
(カワイイ♡)
「みんな、あーと」
『皆さん、わたくしの為に時間を掛けて用意して、本当にありがとうございます』と本当は言いたいのですが…残念ながら言えません。
どうやら王宮では白尾様が誕生日に贈り物をするのだと、ずっと騒いでいたらしく、誕生日には姫様に贈り物を用意しないと、『大変不味い』な雰囲気になっていったそうです…。
そして、わたくしの誕生日を祝う宴の初まりです。
宴には、本当に沢山の人が来ていますね。
わたくしは、またもや父様に抱かれ膝の上です。
みんなから、誕生日おめでとうございますと祝いの言葉を貰いました。
嬉しいですが、なにやら、ちょっと気恥ずかしいですね//
そして白尾様が前に出た来ましたよ。
「誕生日おめでとう。セリ、これわしからの祝いの品じゃ」
そう言って、箱をわたくしの、目の前に出して来ました。
わたくしが、箱に触ろうとしたその時です!
父様が、受け取って、箱を勝手に開けてます!!
「ちょーと!」
(ちょっと、それ、わたくしのですよ…!)
しかも、箱を直ぐに閉じて白尾様に返してしまいました!
「いらない…返す!」
「なんじゃと!わしのカッコいい姿絵をいらんとは、失礼な!!」
そう言って、立ち上がり箱から絵を取り出して、こちらに、必死で見せて来ます。
絵師の腕が物凄く良いのか、白尾様が数段、男前に書かれています…。
「これは、セリにやったんじゃ!セリ、部屋に飾ってくれ!」
(えぇっ!! う~ん…ごめんなさい。お気持ちだけで十分デス)
「なーい、ない」
「ほら、セリも、いらないって言ってるよ」
父様にも、わたくしにも、返品されて白尾様は、がっかりして落ち込んでしまいました。
流石に申し訳ないので、絵は要りませんが、お礼は、言いましょう…。
「はびびたま、あーと」
「おお、セリが、わしの名前を呼んだぞ。やった、やった!わし、今日から、はびびでいい!!」
そう言って、白尾様は喜んで蘇りましたよ。
まぁ~これで良しとしましょうかね…。
「後が、つっかえてる、白尾、さっさと、どかんか!次は我からの祝いの品だ」
そうしているうちに、今度は、ガクサン様が前に来ました。
しかし今、更っと飛んでも無い事を言いましたね。
目を凝らしてを見れば、なにやら長蛇の列、みんな、何かしらの品物を持ってます!
もしや、これは、贈り物を渡す為に皆さん並んでいらっしゃいます??
王宮では、皆さん、贈り物を贈らないといけない雰囲気になったとは、聞いていましたが、まさかこんな事になるとは!!
ひぇ、これは、受け取るだけでも長時間になりそうな予感デスね………。