105話
春眠様とエンラ様は、ずっと睨み合ってますが……。
最初に口を開いたらのは春眠様です。
「今回の大会では、私が優勝させて頂きます!!」
エンラ様も負けていません。
「私は、優勝の座を貴方に譲るつもりはありませんよ。それに私は冥府の坊っちゃんでは無くエンラです!!」
(ひぇー!!やはりケンカ、ケンカですか?!)
みんなも、ハラハラして見てますね。
でも、春眠様の表情は、柔くなって余裕の笑みを浮かべます。
「しかし私達の出番は明日ですし。今日はちょうちん草についてお互い、色々と語り合いませんか?」
おおっ!!…険悪な流れが一気に変わりましたよ~。
「いいですね。私も、一度、春眠さんとちょうちん草について色々話たいと思ってました」
エンラ様も、静かに誘いを受けます。
春眠様は、わたくし達の方に向き直します。
「申し訳ありませんが、お嬢様。私達はこれで失礼いたします。それから、もし良ければ、この冬厳を、今日はお嬢様達とご一緒させていただけませんか?」
突然の話に、皆も困惑です。
(え??冬厳様を?)
「春兄、なにを言って?」
冬厳様だって驚いてますね。
「冬厳。私はエンラ殿と2人で心行くまでちょうちん草の、お話をしたいのです。お前は外して下さい。ですが1人するのも心配ですから…」
改めて、春眠様がわたくしに頼みます。
「どうでしょう?セリお嬢様?」
(う~ん。わたくしは、いいんですけど…ユジンとかはどうなのかな?)
「ユジン。冬厳様も一緒に見て回ってもいいよね?」
「はい。姫様の、お望みのままに」
「冬厳様も、わたくし達と一緒でいいですか?」
「うむ。よろしく頼む。ユジン殿もよろしくお願い申し上げる」
最初は突然の話に驚きましたが、皆も良いって言ってくれたので、大丈夫ですね。
皆で見て回った方が楽しそうですし。
そうして、冬厳様が加わって他にも春眠様の神器の獅子さんや冬厳様の神器も加わります。
「セリお嬢様、私達も神器も、ご一緒させてください。皆様、よろしくお願いいたします」
「私は、流氷丸と申します。主、共々よろしくお願いいたします」
「わたくしは、セリです。こちらよろしくね。かっこいい狼さん」
そうして、とうとう流氷丸さんをナデナデできましたよ♡
(白い毛皮はモフモフで手触り最高ですね~♡)
「やや、私めを狼とお分かりとは、流石、大海の神のお嬢様で…」
いやいや、父様は、あまり関係無いと思いますよ。
しかも、父様は、ワンちゃんとおもいっきり間違えたらしいし…。
「ふむ。流氷丸は、この通り野生的で、かっこ良く、それでいて品格があり、私の自慢の神器だ」
触っても怒られなかったし冬厳様もご機嫌で良かった。
春眠様とユジンが教えてくれたお陰でですね。
こうして、春眠様は、エンラ様と2人で、どこかに行ってしまったので、冬厳様、獅子さん、流氷丸さんと一緒に見て回る事になったのです。
「えっとね。わたくし達は、これから一緒に来た、白尾が大会にちょうちん草を出品しているから応援に行くんだよ」
獅子さんは初めて聞く名前だったらしく、わたくしに訪ねます。
「セリお嬢様のお友達ですか?」
わたくしが、答える前にけんちゃんが答えます。
「獅子。違うにゃ!!白尾は主に付いて来ただけにゃん」
こらこら、けんちゃんなんて事を!!
でも、まあ、白尾がお友達かと言われると、なんか違う気がするんですよね~。
ここは流しますかね?
「まあ、とにかく応援に行こう…」
「応援と言っても、ちょうちん草の大会は、審査が終わると結果が貼り出されるだけだからな。その白尾と言う者も審査結果を、見に行っているのでは無いか?」
冬厳様は以外と大会の事に詳しんですね。
「え?そうなんですか??」
そう言えば、わたくし大会の仕組みを知りませんでしたね。
「シスカ、アズ、結果が貼り出される場所わかる?」
そう訪ねれば、2人は困惑します。
「お嬢様…。申し訳ありません。私達、ちょうちん草の大会、園芸部門には、あまり詳しくなくて……料理部門なら自信があるのですが………」
2人とも食べるの専門ですか?!
「心配いりません。お嬢様、私が、ご案内いたしましょう」
そう行って獅子さんが案内役を買って出てくれます。
「獅子さん!!場所わかるの?」
「もちろんでございます。私は、主様の応援で、初回からこの大会に来て色々と知っていますから…」
(おお~頼もしいですね~。冬厳様や獅子さん達が、一緒にいなかったら、今頃、わたくし達は迷子ですかね?)
そして白尾のいそうな、結果発表の場所に、みんなで向かったのです。
更新、遅くなって申し訳ありません。
また、来週の土曜日から更新予定です。よろしくお願いいたします。