9話
宴の盛り上がりが最高潮になり楽しそうに、みんな騒いでます。
無礼講ですからね。
ですが、わたくしは正直、退屈で仕方ありません。
ここは、一つ、父様にお願いしてみましょう♡
「とーたま、あーち、あーち」
舞いが披露されている舞台の方を指差し、一生懸命にお願いします。
すると、わたくしの言葉を聞いて父様が返事をします。
「舞いが、見たいのかい?」
おお、わたくしの気持ちが伝わりましたよ!?
最近の父様は、段々と子育てが身に付いてきましたね。
良いことです。
『とーても、のびしろがありますよ♡』なーんて、絶対に言えませんが…。
父様が、突然、濡れ縁の方に来たものだから、騒いでいた、みんなは静まり返り、踊り子達も舞いを止め、跪くいてしまいました。
(あ~あ、せっかく綺麗な舞いを、近くで見たかったのになぁ~)
「驚かせてすまない。娘が舞いを見たがっているので、そのまま続けてくれ」
父様がそう言うと、踊り子さん達は、何事も無かった様に、また舞い初めてくれます。
近くで見ると、とても綺麗です!
お座りしていた近くに欄干があったので、身を乗りだして、欄干の隙間から顔を覗かせ見ていたら、なにやら周囲が騒がしいですね。
父様も驚いてます。
もしかして、身を乗り出してお行儀が悪すぎましたかね??
(どうしよう~!!)
焦っていたら話し声が聞こえてきましたよ。
「まぁ、姫様が立っていらしゃるわ」
「あの、お年で、お立ちになるなんて」
あらら…。 おおー!!わたくし確かに立てますね…!!!
自分でも驚きですよ~!!
しかし自覚し欄干から手を放した瞬間、コケそうになれば、父様が慌て抱き止めでくれました。
「セリ、また成長したんだね。嬉しいよ」
そう言って、優しく頭を撫でてくれます。
そうして、初めてのお正月の宴は素敵な思いでになりましたよ。
さてさて、お正月があっという間に終わり、わたくしの歩く練習が初まりました。
わたくしは、一歩一歩、ゆっくりと歩きます。
「そうそう、姫様と上手ですよ」
カヤメが、支えながら優しく手を引いてくれてます。
「楽しそうだね…」
そう言って、父様が『じっ~』と、こちらの様子を見てます。
(あら~、父様も、わたくしの手を引いて見たいんですかねぇ~)
「とーたま」
「まあ、姫様が陛下を呼んでいらしゃる。お父様と歩く練習がされたいのですか??」
『コクコク』と、首を振れば、父様は直ぐに来てくれましたね。
そうして、カヤメから父様に変わって貰えば、父様はとても喜んでます。
(ふふふっ…。父様は、以外と単純ですね♡)
こんな感じで、 わたくしの日常は、のんびり平和でしたが、国内では戦に勝利した、将軍ユジン様が、隣国を完全に滅ぼし凱旋したと騒ぎになっていましたよ。
隣国にいた王族は、皆、捕らえられ処刑されたとか…。
なんとも物騒な話しですね。
でも、これにより、この国を脅かす敵は、ほぼ無く、平和が維持できるので、まあ仕方ありませんね。
そんな、ユジン将軍どんな人なのかとても気になりますね~。
いつか、どこかで会えるかな??