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それって異世界転生とちゃうちゃう!  作者: kou2199
新章 新大陸編
96/179

手がかり

南極編つづきます

今日は皆の腕前を確認する。

稽古場に集まった隊員候補の前でスタージナスが語る


「スタージナス様、将棋では遅れをとりましたが剣では譲れません」ジパン

「それは頼もしい事、ま稽古してみれば分かること。」


「それではまず我から剣技を披露する。誰か相手をせい!」

「及ばずながらそれがしが」隊員B(本名ビー)


「お、確か其方は研究員なのにS級剣士の肩書きを持つ男、楽しみじゃな」

お互いに礼を交わし木刀で試合開始


「えい」鋭くビーの剣が飛ぶ

「おう」鼻先でかわすスタージナス


周囲がどよめく、ただものではない気配を感じたからだろう

数合かわしただけで実力差は歴然、あえてスタージナスは打ち込まない

「ま、まいりました」うなだれるビー


「やはり噂通り」稽古場の外から見学していたイーシャが唸る

「たしか以前にスタージナス様の剣の腕前を尋ねたら「知らぬが幸せ」と

申されていた。正に・・・」イーシャ


かって「アスタージナス国の竜と虎」と恐れられていたダクーミとアスタージナス

その稽古は熾烈を極め何人たりもその域に立ち入れない聖域となった

多分剣技は古今東西相手になるのはダクーミだけだろう


しかし、実弟ダクーミを失ったあとは剣を捨てた、いや剣を持てなくなった

自らの剣で実弟を切った事が深いトラウマとなっていたからだ

だから今回も剣は振るわない。相手の攻撃を避けるだけ。

たまに剣を合わせて見せるが打ち込みはしない。

それでも相手の実力は十分に確認出来る。


「よし分かった皆の実力はわれが把握した、稽古は終わりじゃ」

「すごすぎです」目がキラキラのジパン


全く歯が立たなかったジパンはもう尊敬のまなざしを越えて恋のレベル

「其方の虚勢癖はなんとかしないと命取りになるぞ」スタージナス

「はは、しかし、剣技についてはジパン国の学校で並ぶ物はいませんでした」

「我が見るに其方の肩書きに皆が忖度しただけと見るが」

「そ、そんなぁ・・・」がっくりうなだれるジパン


「いや、其方には長所がある、商売の情熱は惚れ惚れするぞ」

「ありがたきお言葉、少し自信が回復しました」ジパン

この手の若者は打ち負かすだけでは伸びない、適度に長所を褒めるのが肝心


今日の昼食は金曜カレー、みなで食卓と囲む

「しかし、USAのカレーは世界一ですね」ジパン

「うむ、ノウハウの蓄積の賜だ」スタージナス

「しかし、この味はジパンのお米、東南ジアジ諸国の香辛料、全ての

総合力がなければ出ない味。我が国と世界の味なのじゃ」スタージナス


「なるほど、世界友好の証がこの味なんですね、素晴らしい」ジパン

「もちろん我が国の料理人の努力の賜でもあるがな」

「不思議です同じ材料を揃えてもこの味は我が国では出ないのです」ジパン

「さもありなん」スタージナス


「すいません、おかわりを・・」ジパン

「其方には大盛りを出したのにすごい食欲だな」

「は、我はいまが食べ盛り、この美味しさなら3杯は軽くいけます」

おかわりをだしたキランが「まあ、頼もしいこと」ニコっと笑いかける

「キラン様どうか我の嫁にきてください」ジパン

「馬鹿者、其方はウラアールではなかったのか?」スタージナス

「いえ、今キラン様命に変わりました」

「なるほど、そこまでして我が国と断交したいと?」スタージナス


「はは、ご冗談を、たわむれですたわむれ」ジパン

「しかし、其方は誰を嫁にやっても浮気で苦労させるようなもんだな」スタージナス

「ですが女子はすべて愛でて愛すべきでしょう?違いますか?」ジパン

「馬鹿者、浮気される側の立場を考えよ。其方の考えは我が儘というのじゃ」


馬鹿話に花が咲いた昼食を終え午後の会議に移る


メイド服を着ていたイーシャ達が颯爽とスーツ姿に着替えて会議室に入ってくる

「おおおおおっ・・・・」興奮するジパン

「わかっておろうの?」目で牽制するスタージナス


「は、わかっています。これから会議です不謹慎は控えます」ジパン

「目が血走ってるぞ」スタージナス

「し、しかしスーツ姿のイーシャ様達、神々しさで目が潰れそうです」ジパン

「困った物だ」スタージナス


つづいて超絶美少女スーツのゴブータが入室してくる。オーラで姿が見えない

「こっこれゴブータ術を控えなさい、眩しすぎて其方が見えない」スタージナス

「ですが、これ以上魔力抑えるのは不可能です」ゴブータ


「し、しかたなない会議を始める」スタージナス

ちらっとジパンを見ると、口から泡吹いて失神状態・・放っておこう


「で、地下聖水くみ上げ機の開発状況は?」議長のスタージナスが尋ねる

「は、ほぼ開発は完了し、明日から設置工事を行います」ダニア


「申し訳ありません実は徹夜でその装置開発に熱中したせいで

オーラが抜けきれなくなってます」ゴブータ


「研究室はさぞかしゴブータオーラで難儀したであろうな・・・」

「実は、私がゴブータ様オーラを防ぐ眼鏡を開発して研究員は皆着用してます」

研究員のA(本名エー)


「あはは、其方がゴブータオーラ犠牲者第一号だったな」笑うスタージナス

「それでは皆様これを着用ください」眼鏡が配布される


「おおっやっとでゴブータ様のお顔を尊顔出来ました。やっぱり美しい」ジパン

「馬鹿者この眼鏡はゴブータを見る眼鏡ではない、仕事に集中する為のものだ

勘違いするでない!」スタージナス


場内爆笑の渦で真剣な会議が出来ない


「む、もしかして其方はゴブータ様を狙っているのか?」ジパン

「滅相もございません、ゴブータ様を狙っているのは研究員全員です」

「これこれ、いい加減にせい会議をつづけるぞ」スタージナス


「で、その装置は城郭内に設置可能なのか?」

「可能ですがこの地は氷が深くなく上質な聖水がとれません」ダニア


「うむ、越冬中は外に出られないぞ」スタージナス


「予定した性能は無理ですが越冬中は複数この装置を設置してなんとか

需要に間に合わせる予定です。」ゴブータ


「100Kmほど先まで行ければ理想的な聖水がとれるのですが・・・」ダニア


「天気を見ながら数カ所補給地を設営し何とかならんか?」スタージナス

「は、天候次第ですがやってみる価値はありますね」イーシャ


「じっとここに潜むのも飽きてきた、本格的な探索前の予行演習するのも

悪く無いな・・」スタージナス


「早速計画表を作成し本国に打診してみよう」スタージナス

即時通信回線が開きアスタージナスとTV会議を行う。尚USAとの時差はない


「と、言うことで安全を確かめながらですが設置工事の許可を願いたく」ダニア

「わかりました。が、その程度の案件は、スタージナス様の裁量でいいのですが」

「いや、どんなことでも本国に相談するのが基本、不測の事態に対処する為にも

ホウ・レン・ソウは絶対なのじゃ」スタージナス


設置工事が決まり本格的に人選を行う

中継点の設置のためにスタージナス様の大魔法が必要です

「うむ、我が行かなくてはなるまいて」スタージナス

「我も同行願いたく」ジパン

「うむ、今回の任務は比較的安全其方が来ても大丈夫だろう許可する」

「是非、私も」ゴブータ

「其方は駄目だ、他にもまだまだ研究開発する案件山積み。やること一杯じゃ」

「残念ですが了解しました」ゴブータ

「私達も同行します」イーシャ達


「すまない、雪上車に積める物資は限られる男女が乗り込むと余計な荷物が増える

今回は男のみだ」スタージナス


今回はパイプライン設置が任務、3カ所ほど中継地点を設置しパイプを繋げていく

中継点には魔石ポンプを置く。


「天気の回復を待つ間に準備を全て整えよ」スタージナス

「気象衛星からの天気予報では2日後に天気が回復し2日ほど続くそうです」

「うむ、2日で一気に目標地点に到達し中継基地も全て完成させるぞ」


2日後早朝、パイプライン設営部隊が一斉に城郭から外にでる

最新鋭雪上車20台人員200人、縮小化された魔物作業員600体

午前中に25Kmの中継点に到達し大魔法で基地を作成し作業員が作業を開始する

その日のウチに第三中継点まで進む事が出来た。


「すごいなこの雪上車は速度もだが安定感が違う」ジパン

「我が国の科学を全てそそいだ最新鋭だからな」スタージナス


「運転手がいないのにどんどん進んでるのも驚きです」ジパン

「テストでわかっていたが我も驚いてるよ」スタージナス


「どうでもいいが早く次の手を差さんか」スタージナス

「ひええ・・・スタージナス様はお慈悲というのがないのですか?」ジパン

百戦全敗のジパン、もう将棋差したくないのだ。

「馬鹿者我は大王とヨハンに200戦全敗じゃ、悔しさが明日につながるんだよ」

「しかし、勝つというのがこんなに爽快だとはしらなかったわい」スタージナス

アスタージナスとヨハンはアマ4~5段クラス、スタージナスも2段以上のレベル

USAとEUでも将棋は徐々に普及しジパンもうかうか出来ないレベルになってる


「さ、そろそろ仮眠の時間です睡眠も仕事の内ですよ」ダニア

不寝番の1人を残し全員が仮眠をとる、サスペンションのよく効いた雪上車内部は

揺れがほとんど感じられずエンジン音も皆無、快適そのもの。動くホテル

一本100mのパイプを自動的に降ろし自動連結システムで繋ぐ、全てが全自動

作業が終わると自動発進し100m先で同じ作業を繰り返す。

スタージナスは寝るだけ。


スター^ジナスが起きるとダニアが報告する

「あと数時間で作業は終了です最終地点で基地を建設頂き今度は縦穴を掘削します

オスプレイが午後に向かえにくるので現地作業員を残し我々は撤収します」


「しかし、天気が悪化したら残された作業員が危険にさらされる。許可できない」

「しかし、縦穴作業は最低1週間かかります全員で残るのは不可能です」ダニア

「全自動作業が可能なら放置しておいて次回これたときにテストして稼働せよ」

「了解しました。次回はオスプレイで到着出来るので20分もあれば行き来できます

からね」ダニア


午後になり最終目的に地に到着しスタージナスの大魔法で基地を設置し縦穴装置を

全自動運転でセットし全員が撤収した。


作業をおえた中継地点の作業員は全て別のオスプレイで回収済み。

本作戦はとりあえず成功した。


「こんな完璧で完全な作戦ははじめて見ました」感動するジパン


「うむ、これほどトラブルが無かったのも珍しいな」スタージナス

「なにをいいますか、我が総合企画室の計画が完璧だったからです」イーシャ


それから4日後

「モニター画面によりますと縦穴設置工事が終了し予定通り聖水くみ上げが

可能になりました。」ダニア


「よし現場に作業員はいないが稼働できるかどうかテストしてみよう」スタージナス

スタージナスが制御ボタンをポンと押すと全システムが稼働を開始した。


一時間後予定通り聖水がパイプラインを通り城内のプールに溢れてくる

「おおっ成功しましたね」ジパン


「我が国のハイテク技術を見られてしまったな」スタージナス

「大丈夫です決して口外はしません、我とて外交官、ルールはわきまえてます」ジパン


「しかし、今回のパイプライン設置工事はあらゆる現場での応用がききますね」ジパン

「うむ、これは原油や燃料輸送、天然ガス輸送、その他あらゆる資源の

輸送に応用が利くだろう」スタージナス


「とは言っても原案はダクーミの聖水ポンプなんだがな」スタージナス

「大王と数人の配下のみでアスタージナス国を救ってくれたのが全ての始まりじゃ」



「これほど質の高い聖水でしたらキングドラゴンの生産も可能です

魔石があればの話ですけどね」ダニア


「そんなこともあろうかとシン国産の超魔石を持参しました。」ジパン

「おおっ、キングドラゴンが生産出来れば今後の作戦に大変便利だな」


「お待ちください、我が国はコロッモとの独占契約があり他国の魔石は使用禁止です」

ダニア


「どうか、大王に取り次ぎ頂きシン国にも利益がでるようお助けください」ジパン


「これは高度な政治的問題故、我では判断出来ない。大王に判断してもらおう」


「残念ですが大アスタージナス時代もっとも苦しい時に助けて頂いたコロッモを

裏切ることは出来ません。しかし、シン国の利益も大事、どの程度の事が出来るのか

いまコロッモと協議中です、今しばらくお待ちください」アスタージナス


数日後返事がきた


「お待たせしました。コロッモ州知事は大変慈悲深い方。我々の提案を全面的に

受け入れて頂きました。」


「して条件とは?」スタージナス

「全ての魔石は品質チェックを行い格付けを実施しその質に見合った国際協定価格で

取引します。これでいかがですか?」アスタージナス


「願ってもない事、これでシン国は救われます」土下座して感謝するジパン


「すでに我が研究員にて各国産の魔石の格付けは完了してます。

当然ですがコロッモ産はS級、シン国はまだ濃縮技術が安定してないので

AB級と判定されました。これが価格表です」


「格付け調査は毎年行われると聞きましたが?」ジパン

「いかにも、来年は是非A級を目指して精進ください」アスタージナス


「ABでも採算は十分に合いますのでこれからドンドン質をあげていきます」ジパン

「しかし、ジパン国の大使がなぜそこまでシン国を庇うのでしょう?」

「はい、シン国の魔石が合法化されれば我が国の聖水出荷量も増えますので」

「あと、・・・・ゴブーミ様の心証をよくしたく・・ごにょごにょ」

「はは、其方は正直者よな!しかしそんな浮気性ではウラアールはやらんぞ」


「ウチのウラアールをご所望なんですか?それは大変・・・」アスタージナス


「ジパン様はいま16とか、ウラアールは26ですよ歳が離れすぎてますが」

「し、しかし大王とタラン様はおいくつさですか?」

「む、・・・確かに、しかしハードルはとてつもなく高いかと」アスタージナス

「御免なさい私は年上願望なので年下には全く興味ありません」

なんとウラアールがやりとりを聞いていた様だ。


「わたしは諦めません、いつかコチラをみてもらいますから」へこたれないジパン


「と言う事でジパン様が持参した魔石は国際協定価格で買い取らせてもらいます」

「いえいえ、この魔石はあくまでも献上品、シン国からも了承済ですので」

「わかりました、それでは今後魔石取引よろしくお願いします。」アスタージナス


「ちなみにですが南極産聖水もS級ジパン産に次ぐ3Aクラス、アスタージナス州と

同じレベルと判定されました。輸出すれば利益となります」ウラアール


「だが、たった今生産を開始したばかりでまだどのくらい産出するのかも不明にて」

「何を仰いますか、南極の氷の量は無尽蔵、要は生産技術をUPすればそれだけ

生産量もあがるということでしょう」アスタージナス


「上手くすれば拠点設置に掛かった費用を補うどころかドル箱になりますよ」

「ウラアール、其方はいつもソロバン勘定が得意よのう」スタージナス

「とにかく越冬中は何もすることが無い、せっせと生産することにする」スタージナス


急遽城郭内に容器生産工場を設置し2X2X2、8立法メートルの容器を大増産

聖水で容器を満たした後は縮小魔法でフィルム化して越冬後の搬出に向け備蓄した


天気の合間をみてパイプも増設し最終的に5本体勢になった


「しかし、縦穴で500m掘り下げても氷の世界のはず、そこからどうやって

聖水をくみ上げてるのだ?」スタージナス


「それは国家秘密にて詳しくは説明出来ません」ダニア

「お客様もいますしね」ゴブータ


「ぬ、それでは私は退出しますのでご遠慮なく」ジパン

「説明は不要じゃ、とにかくこうして聖水が生産できてるのだからな」スタージナス


「一つだけヒントを、水は蒸発させると体積が1700倍になる

性質を利用してます。」ダニア


「なるほど沸騰すると笛を吹くヤカンと同じ原理だな」スタージナス

「しかし、蒸気式くみ出しは効率があまりよくなく、現在新方式を開発中です」

「当然それも国家秘密じゃな?」

「御意」


「聖水関連は順調ということで次の議題ですが」イーシャ

「うむ、」スタージナス


「ついに完全無人自動運転斥候車が開発されました」ゴブータ

「ほう、」

「このほど南極大陸全ての3Dマッピング化が完了しましたので

GPSに頼らない完全自律自動運転が可能になったのです。」ゴブータ


「つまり悪天候に左右されない雪上車の完成だな」スタージナス


「は、ということで明日より全方面への探索を行います」イーシャ

「し、しかし危険では無いのか?」

「完全無人ですから万一被害に遭っても雪上車一台の話です」ダニア


「100台の雪上車にて探索を24時間体勢で行えば必ず縮小体発見への

手がかりがつかめるはずです」ゴブータ


「全てのデーターは本基地と本国のホストコンピュータで随時解析していきます」

「凍結された魔物の分布量をはかればある程度予測できるな」スタージナス


翌日出陣式に立ち会う一行


「なんだこれは、雪上車というよりも履帯付きの小型ロボット然だな」スタージナス

「は、人が乗り込む必要が無いので小型軽量設計です、ですから量差出来ました」

「しかし、悪天候時には吹雪で吹き飛んでしまわないのか?」

「大丈夫です、この機は周囲を結界魔法でコーティングされていますので」

「しかし、結界魔法は吹雪に晒されると摩擦磨耗するのだろ?」

「すべて自動判断で行います。危険と判断したら自分で基地に帰って来ます」


「ま、今回はデーター取りの意味合いも兼ねた試作機ですからどんどんノウハウを

得るのが目的です」


「おもちゃにしか見えんな」スタージナス


「それでは発進します」ダニアがリモコンのボタンを押す

「ギャギャギャ」100台のロボットが四方八方に蜘蛛の子を散らす


「実にあっけないのう」スタージナス


「このロボットでは100Kmの航続距離しかないので今後は補給ポイントや

航続距離を伸ばす研究が必要です」ダニア


「それにしても安全な基地で寝てても勝手にデーターを取ってきてくれるのは

あまりにも便利じゃな」スタージナス


試作機ロボットは2日後に全て無事に帰ってきた。


「残念ながら基地周辺には目立った変化はありませんでした。」ダニア

「まあ、当然だろうな」スタージナス


「ダニア様」研究員Aが伝令


「なにか変化があったか?」


「は、No87号機の映像処理を行った所原因不明の光点が写ってました」

「映像を見せよ」


「ぬ、これはなんだ?」

「遙か先の丘の上に何かの光点?反射かもしれんなポイントは分かるのか」


「は、基地から西南西127Km先の小山の上と判明しました」

「無人ロボットの航続距離を伸ばすことは出来ないのか?」スタージナス

「魔石を大きいのにすれば簡単ですので明日すぐに向かわせましょう」ダニア


「しかし、現在外は猛吹雪視界0状態です成果は期待出来ません」研究員B


「なんともじれったいのう」スタージナス

「べつだん慌てることはありません天候の回復をまちましょう」イーシャ


「標高230mの小山の頂上付近に何らかの人工物?いったいなんだ?

なんかの目印?装置?」ダニア


「とにかく調べる必要があるな」スタージナス


「好天時の衛星写真のデーターです」研究員A


「む、この山だけが不自然に盛り上がってる風に見えるな」スタージナス

「まるで、巨大なドーム?倉庫?とするとあれはアンテナ?」ダニア

「しかし、いくらダクーミでも我々に匹敵する科学力をもっていたのか?」

スタージナス


「我々がこの基地を設置するときに南極上の全ての地形を調べ最適地を

算定しましたが、ダクーミも初めに南極に来たときここを最適地に設定しても

なんら不思議はありませんね」ダニア


「ということはアレはダクーミの基地か?」

「可能性は否定出来ません」ダニア


TV会議でアスタージナスとウラアールにもこの件を一緒に検討する


「かなり時間が過ぎてるので稼働してる可能性は低そうですね」アスタージナス

「しかし、ゴカシの魔物生産プラントは5年たっても稼働していたぞ」スタージナス

「ゴカシには太陽発電と風力発電がありましたが南極では難しいでしょう」


「だが、以前大王が暗示していた前世人類のパンドラの箱「核」を

ダクーミが開発していた可能性もあるぞ」スタージナス


「今の所ダクーミが核を手がけていた証拠はなに一つ見つかってませんけどね」

「我々の及んでいない新技術を開発してないとも限らない」スタージナス


「もし、稼働中だとすればなにが起きそうでしょう?」ウラアール

「全く想像も出来ませんが、例えば転送魔方陣の動力を提供してるとか?」

ゴブータ


「その可能性は否定出来ませんね。事実タランがここに転送されましたし」


「ダクーミの地下坑道技術は我々以上かもしれません。隠し坑道で動力を

各魔方陣や縮小体保存庫の維持に使用してる可能性はありますね。」アスタージナス


「とすると仮に基地だとしてもむやみに稼働を停止する訳にはいかないな」

スタージナス


「事は重大な局面を向かえてるようです。ここはじっくり対応しましょう」

アスタージナス


「とにかく越冬を終えてタランの調査と連動して詳しく調べましょう」

「あと三ヶ月は掛かるな・・・」スタージナス


「急いては事をし損じます。その間十分研究期間にあてましょう」ダニア


「それにしてもダクーミとやらはとてつもない天才だったんですね」ジパン

「我が弟じゃ」スタージナス


「それにしてもアメリカ大陸すべてをつかいカムフラージュをしてまで

なぜ南極に縮小体の保存庫を大量に設置する必要があったのか?」ダニア

「単にわれわれへの嫌がらせとも思えんな」スタージナス


「未だに行方不明の縮小体は3千万強・・・」アスタージナス


ゴカシに待機してるタランもTV会議に参加する。


「私の隊は去年の12月24日に転送されてしまったポイントにて

クリスマス休暇をとりました。しかし、翌日から想定外の猛吹雪に足止めされ

てしまいました。」タラン


「と、言うことは12月25日頃に転送された可能性が高いですね」アスタージナス


「は、多分ですが転送魔方陣はある特定の日時のみに発動する仕組みと考えます」

「つまりその日にならないと魔方陣を発見することは不可能?」スタージナス

「かも知れません」タラン


「どうやらタランも南極に行き件の施設を一緒に調査したほうが得策かも」

ウラアール


「は、私も同じ考えです」タラン


「やはりその手のプロに任せるほうが確実だな」スタージナス


全ての解決へと歯車が動き出したのだろうか?


つづけて地形をチェックした結果同じ様に不自然な丘が合計6カ所見つかった

2カ所はタランが縮小体を発見した丘。


「タランの件を考えてもこれらの丘は縮小体の倉庫とみて間違いなさそうだ」

スタージナス


「とすればこの丘を調査すれば事件解決へ大前進ですね」イーシャ


「とは言ってもどんな罠や危険が潜んでいるか分からない、当初の予定通り

無人機で調査するべきだろう」スタージナス


「127Km先の丘だけが他の丘に比べて1.5倍の大きさですね

もしかしたら動力を供給してる施設かも知れません」ダニア


「聖水をくみ上げてるのかもしれんな」スタージナス

「その可能性はたかいですね」ダニア


「坑道を通って安全に他の施設に移動出来るかも知れんな」スタージナス

「しかし、他の施設は遠い所で1200Kmありますが?」

「ダクーミならありえる」スタージナス


「ま、まさか超伝導魔石を実用化してる?・・・」うなるゴブータ

「そしてあり得ませんが我が国で研究中の魔石核融合・・・」ダニア


「とても残念ですが我が国の科学の基本はダクーミ考案の物も大変多く・・」ダニア

「あり得ますね」アスタージナス

「魔砂が原料の超効率太陽発電用パネル、超効率魔石モーター・・・」ダニア


斥候ロボットですね。

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